水俣病の現在

2006年はチッソ付属病院から水俣保健所に「奇病」発見の公式通知から50年。水俣病公式確認から50年です。

水道料金値上げ

2005年06月27日 | Weblog
山形県鶴岡市では水道料金が2001年から引き上げられ、現在は月20トンで3727円になた。2倍の値上げである。人口10万人の鶴岡市の給水能力は日7万2000トンだが、平均使用量は3万5000トンである。2倍の給水計画が実現されたため、鶴岡市民は2倍の取水費用を負担することになった。給水計画量が2倍、水道料金も3回の値上げで2倍になった。
これまで地下水で間に合わせていたが、国営月山ダムからの水に切り替えたことで、鶴岡市は受水費用の負担をすることになり、水道料金の2倍値上げとなったのである。
国営月山ダムの総工費1700億円のうち、山形県の上水道建設負担分14億円を、鶴岡市が水を高く買うことで返済するのである。

鶴岡市の水道水源は、無料の地下水から、14億円の月山ダムに移行した。これまでの地下水は、食品会社がパックにつめて、ミネラルウオーターとして売っている。

月山ダムの計画は1980年に始まった。山形県は、鶴岡市など1市6町1村への水道整備計画で、「2005年までに人口は1割増加し、約2倍の水が新たに必要となる」とでたらめな需要予測を立てた。
国営月山ダムは1700億円の費用のうち、山形県は126億円を負担する。ダムからの水供給を受ける計画に組み込まれた市町村が、126億円を、水道料の値上げで、市民が返済することになる。月山のダムの建設費用は水道料金に転嫁される。

建設計画責任者は、「今振り返ると過大な水量ですが、当時は妥当な計画でした。景気低迷と少子化による人口減が急速に進んだわけですから」と話す。


猊鼻渓

2005年06月25日 | 水資源
岩手県に砂鉄川という北上川の支流がある。農業用水の取水堰があり、そこの水たまりに舟を浮かべて、両岸の石灰岩断崖絶壁を有料で見せている。100年前の地元漢学者佐藤猊厳の発案である。
近くに厳美渓という景勝地がある。磐井川の奔流と奇岩で有名だが、舟は無理である。厳美渓(げんびけい)によく似た名前で、しかも佐藤猊厳の1文字入れて猊鼻渓(げいびけい)と名付けた。舟から見る白い断崖絶壁、そこに咲く藤やつつじ、紅葉がきれいである。農業用水を利用して、これだけの観光客を集めるアイデアがすぐれていた。佐藤猊厳には漢学者らしからぬ商才があった。

日向神ダムが干上がる

2005年06月24日 | Weblog
福岡県矢部川流域の福岡県営日向神ダム(黒木町)は桜の名所である。しかし、今年は空梅雨のため九州北部では水不足が深刻な問題である。そこに、河川水利権の慣行に従い、必要十分な農業用水を日向神ダムから水田に優先放水したため、日向神ダムの貯水量がほぼ0になってしまった。柳川市など、日向神ダムから水道用水を取水している自治体では、毎年の水不足騒ぎを避けるため、新たな恒久水源探しに乗り出した。

海水揚水発電所

2005年06月23日 | Weblog
沖縄本島には海水を汲み上げ、発電時には海水を落とす発電所がある。揚水発電の一つである。ヤンバルの森林地帯にあり、外からは見えない。
  
海水を使う揚水発電所は世界中でこのプラントだけである。この3万キロワット海水揚水発電プラントは実用プラントではない。海水による配管の腐食や魚介類の貼りつき等の問題を調べるための実験プラントである。

自然環境には最大の配慮がなされている。山頂貯水池の底面は、海水が漏れないように、また動物が浮きあがるように、一面に特製ゴムシートを敷いている。排水溝は小動物が落ちたとき、はい上がることが出来るようにU字溝ではなくスロープ状の溝にしている。

現在、日本政府が電源開発(株)に委託して、平成11年度から5年間の予定で実証運転を続けているが、これまでのところ心配された問題も発生せず推移しており、また発電される電力は沖縄本島の電力系統(170万キロワット)に供給され、ピーク対策に有効であることも明らかになった。このまま順調に推移すれば、数年後には電源開発かまたは沖縄電力にプラントが国から移管され、実用の発電所となるものと思われる。

この海水揚水発電プラントが成功しても、国内は需要がないから海水発電ダムの設置はしばらく先になりそうである。むしろ海外への輸出がありうる。海岸線に山が迫っている地点が多い地域として中国が有望かもしれない。ダムに海水を汲み上げる時間が十分にある地域、つまり消費電力のピークが短い地域として離島も有望かもしれない。

離島は地下にダム

2005年06月20日 | Weblog
地下ダムとは、地下に止水壁を建設して、地下水を貯水する方法である。地下水を飲用水として利用として有効手段である。河川水等の取水が困難な離島や半島などに設置されている。
長崎県野母崎町の樺島ダム、沖縄県宮古島の皆福ダム、福井県三方町の常神ダムなどがある。離島の淡水は農業灌漑・水道用ダムとして、地下ダムが大きな役割を果たす。
降水量が多い地域であり、その降水が地下水として海に流れる前に、地下水の流れを止め、飲用水として利用しようとするものである。最近は増加傾向にあるが、淡水を止めたために、海水が地下をさかのぼるという問題もある。

沼沢湖揚水式発電所

2005年06月19日 | 水資源
沼沢湖(沼沢沼)は福島県金山町にあり、只見川の河岸段丘上にできたカルデラ湖である。火山活動期は6千年前である。面積3.1平方km、水深 96mである。観光政策上、沼沢沼を沼沢湖と改めた。
水力発電用の水利権は水面から水深15mまでである。発電所との落差215mを利用する水力発電所である。
沼沢湖は集水面積(流域面積)が狭い。水力発電で湖の水位が低下すると、流入河川がないため、なかなか水位が回復しない。そこで、沼沢沼発電所は1950年に揚水式発電所として着工された。日本初の揚水式発電所として1952年に完成した。出力43,750kwの中規模発電所である。
沼沢湖の湖底から発電所まで地下水路が建設され、この地下水路を落下するエネルギーで発電する。使った水は宮下調整池(只見川のダム)で貯水される。深夜の余った電力で、宮下調整池の水を沼沢湖に戻すシステムである。発電水のリサイクルである。
火力発電所や原子力発電所は発電量の調整が難しい。夜間・休日には大量の電力が余る。この余剰電力を使って下池(宮下ダム)から上池(沼沢湖)に水を汲み戻すのである。
揚水式発電所は、発電で使った水を、深夜の余剰電力で回収するリサイクル型の発電所である。
沼沢湖の水力発電能力を10倍以上の46万kwに高めるため、1976年から第二沼沢発電所と導水路トンネルの建設が始まって、1981年に完成した。
第二沼沢沼発電所は、沼沢沼発電所同様、上池として沼沢湖、下池として宮下調整池(ダム)を使う揚水式発電所である。1976年計画時は日本最大の発電能力を備えた揚水式発電所であった。
通常の発電時間は東北電力の消費量が最大になる9~12時、13~16時である。

オガララ地下水層

2005年06月18日 | 水資源
アメリカ合衆国のロッキー山脈東部の草原プレーリーには、地下水が50万k㎡、4兆トン存在する。アメリカ穀倉地帯の灌漑用水源であり、オガララ帯水層といわれる。世界最大の地下水層である。
豊富な地下水は強力なディーゼルポンプで地下100~1000mから汲み上げられ、小麦・とうもろこし栽培に利用される。地下水に液体肥料・農薬を入れ、半径400mの回転スプリンクラーで散布される。この大規模灌漑農業がセンターピボット農法で、最もアメリカ的な商業的機械化農業とされ、世界の乾燥地域の灌漑農業のモデルになった。
しかし、オガララ帯水層の水量は有限であり、使用量の増加とともに地下水の枯渇が始まり、水位低下が深刻な問題になった。5000万年かかって貯えられた地下水(オガララ帯水層)が、最近50年間のセンターピボット農法で半減し、あと50年で枯渇する。
センターピボット農法を導入した農家は、地下水が枯渇するとともに井戸を深くし、少ない水を効率的に使わなければならない。生産コストの上昇と土壌の塩害が進み、経営が悪化している。降水と地下水の循環を無視した商業的農業は、限界に近づいている。

水ビジネスの自由化

2005年06月16日 | Weblog
ワシントン合意
1960年代以降、多国籍企業・世界銀行と癒着したアメリカ政府は、経済活動は政府が行うべきではなく、民営化による価格競争こそ市民の利益と合致すると考え、民営化政策を推進した。この経済自由化の世論形成をワシントン合意という。
ワシントン合意とは具体的個別的な合意ではなく、民営化による政府負担の軽減のことである。多国籍企業が発展途上国の誤解や市民の無知を利用し、大きな利益をあげる根拠になった。
例えば、本来人類が無償で入手できる飲用水が、汚染されたり、不足されたりすると、水に経済的価値が生じる。公企業としての水道事業では、水の経済的価値が高まると、積極的に民営化が進められたのである。
水道事業では、民営化によるコスト削減競争を進められて、市民の負担軽減が期待された。しかし、水道料金は下がらず、コスト削減の結果として、水道の水質悪化が進んだ。このため市民は、飲用水をスーパーマーケットなどで購入することが普通になった。貧困層には水道が普及せず、スラムや発展途上国で伝染病が増加する結果になった。
世界的に水道事業を政府・自治体から請け負った多国籍企業としては、フランスのビベンディとスエズ(現、オンディオ社)、アメリカのエンロンが知られている。エンロンは金融取引の失敗で2003年に経営破綻したが、それに代わる多くの水企業が、飲用水の豊富な地域から需要地域に輸送して利益をあげている。
水の大量国際輸送
水は石油同様、経済的価値のある資源である。飲用水は水資源が豊富で安い地域から、パイプラインやタンカーで、需要が多く、高く売れる地域に大量輸送される。2地域の価格差が多国籍企業の利益になる。
水の需要は、故意あるいは偶然に水質悪化を進めると、いくらでも作り出すことができる。


 

ミネラルウォーターに課税か

2005年06月14日 | Weblog
山梨県が自治体独自の法定外目的税として、「ミネラルウオーター税」の導入を準備している。ミネラルウォーター業界は「飲料用だけを狙い撃ちするのは不公平だ」と反発している。税収増加は財政難に苦しむ自治体共通の課題だけに、山梨県の新税導入の成り行きは他の自治体に影響を与えそうである。
富士山・南アルプス・八ケ岳などのある山梨県は、名水の産地で、国内のミネラルウオーター生産量の41%(平成16年)を占め、全国トップである。
山梨県は3年前、県内で採取したミネラルウオーターに1リットル当たり0.5円を課税する「ミネラルウオーター税」構想を発表した。年間で約2億6500万円の税収を、水源地の森林整備費に充てる計画である。
山梨県は「県民の共有財産である地下水を販売して利益を得ており、受益者負担の考え方からみて課税は公平だ。今年度中に結論を出す」と主張した。
一方、サントリーなどの日本ミネラルウオーター協会は「地下水の98%は電子機械などの他産業が使用しており、わずか2%の飲料用だけを狙い撃ちするのは著しく不公平」と真っ向から反論している。
税法の専門家の意見は「使用量に応じた税負担は当然」「業界側との最低限の合意がないと課税できない」と様々である。

雨量観測は民営化

2005年06月13日 | Weblog
気象庁は1000カ所の無人観測所で気象データを集め(アメダス)、天気予報の基礎資料にしている。しかし当たらない。野球場の弁当屋、海水浴場の海の家は、天気誤報倒産が増えている。
民間天気予報会社ウェザーニュースは、全国13,000万人の協力で降水量観測をし、その結果を報告をしてもらい、気象庁の世界最大コンピューターよりも、確実に当たる予報をめざすそうである。民間協力員は、少しですが、お礼をもらえるようです。
天気予報は当たるのもいいが、外れるのも意な人生の展開があって面白いものである。全部、天気予報をあてたら、つまらないね。

川辺川ダム問題

2005年06月11日 | 水資源
四万十川とともに、日本最後の清流といわれる熊本県川辺川にダム建設が進められている。これについて、建設省(国土交通省)は治水・農業用水・発電の多目的ダムが必要としている。
しかし、治水問題としては、球磨川合流点の人吉と、球磨川河口の八代で改修が進んで、洪水の心配は少なくなった。
農家はこれまで水が間に合っていたから、今さら川辺川からの農業用水は不要、と裁判を起こした。
発電は新たなダム建設で水没する発電所の発電量を補うに過ぎない。
川辺川ダムの目的は失われた。豊かな自然環境と、天然鮎の漁場が失われ、漁民の生活の場を奪うことにもなる。清流川辺川を守らなくてはならない。

栗駒山の水

2005年06月10日 | 水資源
自然にめぐまれた環境の中、DHC栗駒工場(栗原市栗駒)では、DHCならではの厳しい品質基準と徹底した安全管理のもと、汲み上げからボトリングまでの一貫生産をおこなっています。
DHC栗駒深層水は、ほどよいミネラルを含んだ硬度28mg/Lの軟水で、人間の体液や血液に近く体内への吸収率が高いpH8.0の弱アルカリ性。体に優しく、やわらかい味わいが特徴のナチュラルミネラルウォーターです。
豊かな山々と森の息吹に育まれ、長い年月をかけて地中深くに浸透した原水を汲み上げ、スピーディーに生産ラインへ送り込みます。
そして、5段階のミクロフィルターで0.2ミクロンにまでろ過した後に、徹底した無菌設備を備えた常温のクリーンルームの中で直ちにボトリング。非加熱無菌充填で、お客様に安心してお飲みいただける品質です。

以上、DHCの宣伝から。
栗駒町でしばらく暮らした者として、栗駒山のミネラルウォーターがそんなに健康によいとは知らなかったが、一体、誰がこんなことを調べ、DHCに売り込んだのだろうか。

金属事業団が松尾鉱山跡からの廃水処理

2005年06月05日 | Weblog
金属鉱業事業団は、資源政策の実施機関として1963年(昭和38年)に設立された。当初 は金属資源の探鉱に関わる資金の融資を実施する特殊法人「金属鉱物探鉱融資事業団」として事業を始めた。1964年(昭和39年)に直接、資源探査事業にのりだし、名称は「金属鉱物探鉱促進事業団」となった。
1973年(昭和48年)に、三井神岡鉱業のイタイイタイ病のカドミウム処理事業を実施するに当たって、名称が「金属鉱業事業団」となった。
資源開発のために設立された当事業団は、1973年以降、鉱山が閉鎖された後の処理対策(環境保全)事業も行うこととなり、現在は、資源調査から環境保全という鉱山事業全般に関わっている。
小泉政権の機構改革で石油公団と金属事業団が併合され、独立行政法人「石油天然ガス・金属鉱物資源機構」略称JOGMECになった。しかし、三井鉱山神岡や松尾鉱山などの公害企業の後始末を、国費で続けるという仕事は、続いている。



トンネル工事で地下水噴出

2005年06月05日 | Weblog
青森県十和田市の東北新幹線牛鍵トンネルの崩落事故があった(5月31日)。現場は地下水の流れが複雑で流量が多く、建設主体の鉄道建設・運輸施設整備支援機構(鉄道・運輸機構)は二重三重の安全工法を採用していたとする。が、読めぬ地下水の動きに、技術があっさりと覆された形だ。
機構によると、現場の地質は砂層や粘土層で、地盤の安定度は低かった。地下水は地表近くの深さ約3メートルにまで達していた。事故検討会の足立紀尚座長は、水脈について「水のまわり方が複雑で、トンネルの上と下の水が切れたりつながったりと、他のトンネルに比べれば及ぼす影響が複雑だ」と述べた。
しかしながら、トンネルといっても地下20mの浅いトンネルであり、わざわざトンネルを掘ったのは、工事費用を高くし、建設業者の利益を優先したとの批判もある。

川で洗濯

2005年06月04日 | Weblog
桃太郎の気分で、川で洗濯したら、赤痢菌が蔓延したことがあった。大変だったよ。バスも郵便も行商も来なくて。