水俣病の現在

2006年はチッソ付属病院から水俣保健所に「奇病」発見の公式通知から50年。水俣病公式確認から50年です。

海水揚水発電所

2005年06月23日 | Weblog
沖縄本島には海水を汲み上げ、発電時には海水を落とす発電所がある。揚水発電の一つである。ヤンバルの森林地帯にあり、外からは見えない。
  
海水を使う揚水発電所は世界中でこのプラントだけである。この3万キロワット海水揚水発電プラントは実用プラントではない。海水による配管の腐食や魚介類の貼りつき等の問題を調べるための実験プラントである。

自然環境には最大の配慮がなされている。山頂貯水池の底面は、海水が漏れないように、また動物が浮きあがるように、一面に特製ゴムシートを敷いている。排水溝は小動物が落ちたとき、はい上がることが出来るようにU字溝ではなくスロープ状の溝にしている。

現在、日本政府が電源開発(株)に委託して、平成11年度から5年間の予定で実証運転を続けているが、これまでのところ心配された問題も発生せず推移しており、また発電される電力は沖縄本島の電力系統(170万キロワット)に供給され、ピーク対策に有効であることも明らかになった。このまま順調に推移すれば、数年後には電源開発かまたは沖縄電力にプラントが国から移管され、実用の発電所となるものと思われる。

この海水揚水発電プラントが成功しても、国内は需要がないから海水発電ダムの設置はしばらく先になりそうである。むしろ海外への輸出がありうる。海岸線に山が迫っている地点が多い地域として中国が有望かもしれない。ダムに海水を汲み上げる時間が十分にある地域、つまり消費電力のピークが短い地域として離島も有望かもしれない。