TOMATOの手帖

日々の生活の中で出会う滑稽なこと、葛藤、違和感、喪失感……などをとりとめもなく綴っていけたらと思っています。

メガネは顔の一部

2010年02月28日 | インポート
 わたしの“嫌な予感”、というのは大抵、当たらない。
そうかと言って、良からぬことが起きないわけではなく、それは思いもかけないところからやってくる。

 メガネのフレームの“がたつき”が常々気になっていたので、先日近所のメガネ屋さんに立ち寄って、
調整を依頼した。
しかし、ねじ1本で済むようなことではなく、修理中に、ブリッジ部分を破損。
 お店の人は、恐縮し、購入元での修理の提案と、その費用の負担を申し出てくれた。
 
 とりあえずの処置として代替品をつけてもらったのだが、やはり他メーカーの部品は、
サイズが微妙に異なっているらしい。
両レンズの角度が、上向き加減に。ウルトラマンのようになっているのが、素人目にもわかる。
 来週あたり、販売元に行って、修理してもらうことにしたが、その領収書を持って、くだんの店に行く勇気があるか。
メガネの購入から3年近くたっていてブリッジ自体、かなり傷んでいる。
そもそも、もう替え時だったのではないか。
それだったら回り道をしたが、ブリッジの交換自体、必然の流れ。
弁償してもらうほどのことではなく、必要な出費だったともいえる。

 こういう思いがけないことが起きると、一体どうするのが普通なのか、いちいち悩む。
客という立場を逆手にとって、相手のミスをあげつらい、声高らかに、
「どうしてくれるんですかああ!弁償弁償!!」と騒ぐ人だっているだろう。

 でも私はできれば穏便に済ませたい。
もっとはっきり言うと、なるべく物わかりのいい客を演じたいと思っている。
 相手が済まなそうであればあるほど、気にすることはないんですよ~と、
慰めの一言でもかけて、客としての株を上げたいと思っているのだ。

 しかし一方では、相手が弁償するとまで言っているのに、
それに乗らないとなんだか損したみたいな気もすることも確か。
ここで、物わかりのいい客でいたい願望と、損したくない願望が、葛藤を起こすのだ。

 こうなっては仕方ない。この葛藤をおさめ、自分を心底納得させるには、
「お客さん、もうこれは摩耗が進んでいて替え時でしたよ」
という、販売元の店員さんの言葉を期待するしかないのである。











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