「さよならのつづき」脚本:岡田惠和
岡田氏はベテラン中のベテラン、数々のヒット作品を書き続けている。
最近では「日曜の夜ぐらいは… 」にドはまりした。
さて、友のおすすめドラマはどうだろうか
よかった、感動した、人を愛するってことはと考えた。
大好きな恋人が不慮の事故で亡くなってしまう。
彼が臓器移植の提供者 で、
彼の心臓はある男性の体に入る。
なんでも、提供者の記憶がその人に宿るということは
エビデンスはないが、あることだと、ネット検索では書かれている。
本当かはわからない。
とにかく、ドラマでは、そういうことが起こったわけだ。
そして、偶然二人は出会い、偶然、ドナーの恋人とレシピエント本人が出会ってしまう。
ふむふむ、このまま進めば、なんて単純な恋愛ドラマなんだろうって感じだけれど、
だいぶ違う。
愛する人の心臓の存在を知ってしまったけれど
その心臓を持っている人は
あくまでも、その人であるという感情。
ちょっとわけわからなくなる感情。
私は誰に会いたいのかわからなくなるという台詞の重さ。
私はイケメンは好きじゃないけど、
好きな顔立ちとか体格とかはあるわけで
好きになるときは多分、外見から入る。
調度いいくらいに、好感が持てて、調度いいくらいにダサい。
そして、だんだん好感が好きになっていくんだ。
だけど、このドラマの愛するという感情に
外見は、まぁ、確かに坂口健太郎だからなとは思うけど
関係ない。
こんな時、彼ならこう言う。
こんなに大変なのに彼なら楽しんじゃう。
覚えている彼の言葉をそのままにレシピエントの青年が言う。
確かに、これ、生田斗真が坂口健太郎になるのはだいぶずるいけれど
人としてその人を認知するには
言葉や考え方がだいぶ比重を持つんだろう。
いやぁ、面白かった。
有村架純の演じる女性は、驚くほど自分を持った
男前な女性だった。
彼女がきちんと恋人とさよならの続きをすることができること
それはそれは美しく苦しい物語だった。
だけど、
個人的には
最後のレシピエントの妻と仲良くなりそうなエピはいらない。
そこまではいらない、
レシピエントの妻は苦しんでいるし、悲しんでいるし
多分私なら、ドナーの恋人を許さない気がする。
それがたとえプラトニックであっても。
心を持っていかれるのは辛い。
移植を受けてからの妻は本当に辛そうだった、ずっと。