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ふぅん

闇閃閑閊 ≡ アノニモス ≒ 楓嵐-風

見上げる雲と 見下ろす雲と

2010-04-26 07:44:57 | 旅々愁想
朝から ボンヤリ
見上げれば 空は 曇ってる
きっと 雨かな


感動的な結末で終わった小説
楽器を蘇生させて
熱い演奏会になって


仲の悪かった 意地悪おじさんとは
最後に握手して 別れるくらい
仲良くなったりして


やれることは 全部 やりつくして
だから 完全燃焼できて
そして その反動が グラリ ボンヤリ


ふうん


雲の上は いつだって 晴れている
でも 晴れてるだけじゃ 生きてゆけないから
どんよりしたり 雨に会えたり


さ カバンをまとめて 帰ろ
ようやく 春楽章が始まるんだ
真っ白い 雲の海を見下ろした後から

ルビコン川を越えようか

2010-04-24 22:21:14 | 旅々愁想
「だいぶ 怒ってるね」
『うん 去年の夏も あの野郎に邪魔されたんだ』
「で どうだったの?」
『うん なんとかなった』


「こんがらがってない?」
『大丈夫 もう ほどけたから』
「怒りは 重心を見失わせるからね」
『あの野郎は無視するに限る 僕は楽器をどうにかしないと』


「出来るのかい?」
『やるしかないでしょ その為に ここまで来たんだから』
「ふうん」


かろうじてベター
それは 出来うるベストを尽くした後に
もしかしたら やってきてくれる ラッキーでしかない


ホール専属の 舞台チーフは
去年の夏だって いばりくさったあげく
事前に伝えた温度維持を 勝手に無視して
照明も エアコンも チェンバロを苛める暴君に豹変させていた


ただ 怒りを 1本1本 ほどいていくと
彼のようなタイプは ある意味ちょろい
物理的な回し蹴りより
心理的なジャブの方が 効果が出るはず


残された時間は 3時間
ソロリハ前 デュオリハ前 本番前


調律という弦の状態の前に
弦へ働きかける ジャックを何とかしないと


「出来ないことが存在する訳じゃないんだ」
『というと?』
「出来るとか出来ないとか考える人間が 存在するだけなんだ」
『ふうん それでも やれることを やるしかない』


ポラ君は 紫の猫
でも 瞳は緑色
音楽という光を見つめて
光合成をするらしい


ふうん

3小節の全休符

2010-04-24 11:30:57 | 旅々愁想
朝も ハヨから
本番楽器のメンテと調律
10時半に演奏者が来て リハーサル


隣の駅だったから 
いったん 宿舎に帰って
午後は ホールに楽器を移動して リハーサル


最初の予定では
今日は テジョンに出張だったんだ
でも 調律師協会の運動会があるっていうから


テジョンは 水曜日に変えてもらった


結局 運動会には行けなかったんだけど
出張を水曜日に変更したことは
本当によかった


来年は 運動会に行きたいなー
それまでに 体力 回復しなきゃだな
サッカーとか リレーがあるって 言ってたし


今日は よく晴れていて 暖かい
もっと 楽器と仲良くなって
明日のコンサート うまく行くといいな


晴れたまま 帰国できるといいな

あの角を曲がれば

2010-04-23 23:01:28 | 旅々愁想
午前は ハニャン大学でメンテ
ユン先輩や ウンギョンに会えて
嬉しい時間でしたが・・・ 時間が足りなくて・・・


ウンギョンは 02年に訪韓した時 知り合って
当時は この大学の学生だったんだけれど
卒業して ケルンに留学して 帰国して
なんと この大学の 副科の先生になってました!


おめでとーーー!


そして 5月の甲府のコンクールに来日するそうです!
ナヌ? 僕も行くよ! 
仕事じゃなくて ドデカゴンの行商なんだけど・・・


そんな訳で 1時間近く遅れて 午後の仕事へ
タクシーの中で いただいたサンドイッチを
ほおばりながら・・・ と そこへ電話が・・・


「アモス君 ヨン様が やっぱり日本の調律師と電話したって 言ってるけど」
『は? いや それ僕じゃないですよ 他にも誰か来てるのかな?』
「今 隣にいるから 電話かわるね!」


日本から来たチェンバリストが
本日 今回のコンサートのマネージャーの ヨン様に
ようやく会えたらしいんだけれど


なんだか メールでも 日本人の調律師と電話した って書いてあって
昨夜の食事から 何がどうなってるのか
さっぱり 分からなくて これってミステリー? と ちょっとブルブル


で 電話に出た韓国人のヨン様に
「あなたは 私と 電話で話したことありますか?」
『いいえ』


ふうん


本当は 芥川賞候補になりえる
純文学なシナリオに なればいいねって 話していたのに
ますます ただのミステリーになっていく・・・


これじゃ 直木賞な結末にもならんわい


現場に到着してしまったので
とりあえず また電話することにして
ちょっとカビがはえたチェンバロをメンテ・・・


この時すでに18時
サイレントな携帯には メールが来ていて
最初の作戦は成功したらしい・・・


つまるところ
何としても ゴネて
本番で使う楽器を 今日中に見に行けと


どうやら 本番のチェンバロにも遭遇したのだけれど
これから リハーサルをやるから・・・
了解! 電話して 初めて会うチェンバリストの家へ 


21時半に 全て終了し 
担当者と 演奏者と 一緒に食事へ・・・
打ち合わせを兼ねていたので 辞退することも出来ず・・・


凄く 凄く 不思議なテーブルでした・・・


イタリア人と日本人は イタリア語で
その二人と 韓国人は 英語で
僕は イタリア人以外と 韓国語と日本語で


日本人同士では 韓国人へ探りを入れるべく依頼があり
韓国人からは 日本人へ探りを入れるべく依頼があり
生まれて初めて 二重スパイになれた気分でした!


でも とにかく安堵してます
飛行機が 飛べないかもしれない欧州から 演奏者が到着して
本番の楽器に出逢えて メンテの方向も見えて


あとは 明日の 午前と午後のリハーサル
そして 明後日のコンサートで
みんなが ベストなコンディションで臨めれば・・・


ようやく ミステリーでなく
芥川賞な結末を・・・


ここまで書いて ふと気づいたんだけれど
この文体って このブログの書き方じゃないよね
なんだか 紫の時代と交錯してる・・・


ふうん

彷徨える日本人

2010-04-22 23:59:37 | 旅々愁想
今日は 初めての お客さん
毎回 数人は 初めてのお客さんに会える
ありがたいし 嬉しい


だって まだ眠ってる
新しい楽器に 会えるわけだし・・・
うん 人より 楽器に会えることが嬉しいわけなだな


ふうん



でも 今日の人は 不思議だった
韓国についてから 電話があって
○○先生の紹介で メンテに来てもらいたいと


○○先生って 誰?
初めて聞く名前だけど
そんな演奏家 いたかな・・・


でも 韓国語だと
似たような名前が多すぎて
僕の記憶から 抜け落ちただけなんだろうな


そう思ってたんだけれど


さて 昨夜
テジョンの仕事の帰りに 電話があって
どうやら その○○先生


なんか よく分からないのだけれど
今日の仕事先まで 車で送ってくれるという
故に 最寄の安国駅で 9時に会おうと


で 9時過ぎに会って
車に乗って
一生懸命 誰だっけ?って 思い出してた


遠まわしな質問を つなぎ合わせようとしていると
彼女から 名乗ってくれた
どうやら ○○先生とは 調律師らしい・・・


ふうん


「は? どこで会ったの?」
『二年前のセミナーで会いました』
「はあ そうっすか・・・」


当日になって やっと分かったのは・・・
韓国の調律師の仲間の中で
僕が訪韓をすることが 伝わってたらしくて


その中の一人の ○○先生が
ピアノのお客さんの家にある チェンバロを
メンテして欲しいと そんな感じ


○○先生と お客さんと 三人で飯を食べて
その後 とある人の家に行き
とんでもない方向に 話が動きだしたのは また別の機会に


寝不足 ヘロヘロで帰宿して しばらくすると
日本から 初めて訪韓したチェンバリストから電話
『到着したよー!』


ヨーロッパなら慣れてるのだけれど
アジアは 初めての演奏旅行
なもんで かなり不安が蓄積していた様子


一緒に食事をしよう ということになり
ホテルまで行くと まるで救世主降臨のような歓迎をしてくださり
こちらも 久しぶりに日本語で ベラベラ


実は まだ 25日のコンサートの
楽器のインフォメーションが 分かっておらず
かなり 心細かったとか・・・


『もう アモス君には 足を向けて眠れないよ』
「え? 今まで 足を向けて寝てたんですか?」
『もちろん!』


彼女は お酒が飲めないし 辛いものも苦手というし
一時期 体調を崩したことがあったから
ホテルから 比較的ちかくの南大門市場へ


ガイドブックで予習してきたらしく
サムゲタン チジミ ビビンバ を注文!
我々二人では 死ぬほど頑張っても お残ししてしまいました・・・


「これって まるで小説のような展開ですよね」
『そうだよねー どうなるのかなー』
「とりあえず 芥川賞的な結末を 期待しましょう」


さて 明日から三日間
いいコンサートになるように
僕等は 様々なシュミレーションに基ずいて
様々な作戦を出し合ったのだけれど・・・


良いコンサートになりますように!