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ふぅん

闇閃閑閊 ≡ アノニモス ≒ 楓嵐-風

誕生日を創る人

2010-04-12 21:37:17 | 日々随想
「おめでとう!」
『ありがとうございます!』
彼は 少し照れながら でも 嬉しそうに


友人の工房へ行った
1年半かけて 造っていた 新しい楽器が完成した
僕は たくさん眺めて たくさん弾いて たくさん質問をした





歴史上の中で
名が残る人は
圧倒的に男性が多い


為政者だけでなく
クリエイティブな仕事をするのも
やっぱり 男性が多かった


それは 男女の能力の優劣ではなく
恐らく 男性にとって 生きた証のような気がするんだ


雌雄のバランスの中で 男性という人類は 
新しい命を 生命でなく システムを生み出すことしか出来なかった
それは 政治であり 発明であり 芸術であり


命を授けられた 生物にとって
次の生命を 継続すること以上に
尊い仕事は 存在しないのかも知れない


男性は 雄であると同時に
人間であって


だから 人類の男性は
新しい命を 自ら生み出せない代わりに
人類の歴史を 生み出してきたんだ


友人は 男性だけれど
たくさんの 誕生日を創りだしている
それは 楽器の製作というカタチをとって


新しい楽器は 音楽という羊水の中で
成長して 成熟して 変形してゆく
やわらかくないけれど やっぱり それは命なんだと思う


「おめでとう お披露目会 やろうぜ!」
『ええ やりましょう アノニモスさんの新作と一緒に』
「いつになるか 分からないぜ」
『待ってますよ だから 頑張って下さいよ』


僕と彼は 誕生日が同じ
それ以外は 何もかも異なる二人なのだけれど
僕らは 誕生日を創ることがある


彼が創った 新しい誕生日は 4月8日
うん お釈迦様と 同じだね


彼と 彼の楽器に 待ちぼうけをさせないためにも
僕も 頑張って 新作を完成させなきゃ
そして 今日は 僕の姉の誕生日


ふうん


僕の近くには 本当に 素敵な人が溢れている
だから 「ありがと」なんて言う代わりに
もっともっと 頑張らなきゃね 


でも やっぱり おめでとう!