ウソは泥棒の始まり
爺の子供のころ
大人が子供にそう諭してた
その理屈からすれば
爺はいまや立派な泥棒
だが恥ずべき心は微塵もない
家庭では
妻を傷つけない
妻を不快にさせない
妻と波風立てない
平和主義者の爺にとって
ウソは必須アイテム
これまでの人生
多少の打撲
多少の引っかき傷
多少のリモコン攻撃
*妻はリモコンを振り回すのが好き
そのぐらいで済んでるのは
すべてウソのおかげ
これを善意のウソと爺は呼ぶ
美容院から帰った妻
どう?と聞かれ
「よく似合ってるよ」
逆に聞きたい
これ以外の言葉があるのかと...
激マズ料理を夫に食べさせて
夫がどう反応するのか
ドッキリテレビが昨日ありました
とてもおいしい
そう連呼する消防士の旦那さん
まさにナイスガイ
まさに爺ファミリー
日本はまだまだ大丈夫
我が家といえば
電動歯ブラシ
退院した妻が
入院前のように
爺のそれの横にセッティング
それらはまったく同じもの
爺のは常に左
間違わないでね
妻の一言に
間違うはずないでしょ
強く言い返した
微妙にこわばる顔
何月何日何時何分
それは思い出せない
思い出したくもない
そんな前でもないある日
歯磨きをし終わり
電源にのせようとして
ハット気がついた
爺の左の電源の上に
歯ブラシがすでにあった
と言うことは....
もうひとつおまけに
そんなことが
過去にもあったようなないような
爺はついに大泥棒になりました