な~んてことだ
身の不運を嘆いてた爺
現場をよ~く見ると
実は幸運だったのである
布巾を取ろうとして
側の包丁に引っかかり
包丁が落ちるより先に
手前のタッパーが落ちた
後からの包丁は
タッパーに邪魔をされて
刃先だけが
爺の足の人差し指に当たった
もしタッパーがなかったら...
足の甲にざっくり
そうなってても不思議ではない
タッパー君には
感謝とお礼の気持ちで
スポンジの柔らかい側で
入念に洗った
包丁君は
スポンジの粗目の方で
ゴシゴシ洗い
爺の怒りの気持ちを伝えた
さてさて傷だが
爺は全く心配していない
爺自身どう~してなのか?
原因が全くわからず
今やそんなものなのだ
無理に納得させていることは
人生の中多々ある
例えば
温厚でやさしい爺が
女子には全然もてない
子供の頃からずっとそう
それと同じく
なぜか
傷の直りがとっても早いのだ
深爪をした
そう言って
病院へ駆け込む妻とは
対極的である
モこ助に引っかかれて
超ドSの妻に
喜んでもらうため見せる
だがそれが1日たてば
な~にそれ
...って
妻をがっかりさせるほど
朝目覚めたときは
痛みも全然なく
なんか治ってる様な感じ
そこへ妻がおきてきた
「ねぇ~ねぇ~どうなの?」
ウキウキした感じで言われた
「バンドエイド
私が換えてあげる」
長い夫婦生活
こんな彼女の
自主的なそして積極的な
看護の申し出は初めて
おあずけって言われた犬が
ハフハフしてる感じ
何よりもかによりも
爺のその傷を見たいのだ
これを拒否する理由はない
てか...
拒否するとリスクが多すぎる
素直にお願いしま~す
妻の喜びは爺の喜び
くどいようだが
爺のモットー
まさにその方向へ
事態は展開するのであります