moiのブログ~日々のカフェ

北欧&フィンランドを愛するカフェ店主が綴る日々のあれやこれや

♪ふぃんらん

2004-11-20 23:51:15 | コラム、というか
のblogをマメにチェックされているようなフィンランドマニアな方ならきっと、モンティパイソンが歌う「フィンランド」という曲のこともご存じだろう。

この曲の存在を、モンティパイソン・フリークの友人から教えてもらったのはもうずいぶんと昔のこと。ひさびさに思い出したので、さっそく調べてみた。

フィンランド フィンランド ボクの好きな国フィンランド
ポニーで山歩きをするか、キャンプをするか あるいは、ひたすらテレビをみてるだけ

フィンランド フィンランド ボクの好きな国フィンランド
朝メシにする? 晩メシにする? 軽く昼メシにでもしようか?
フィンランド フィンランド フィンランド それですべて

意訳だが、まあこんな具合にフィンランドという国がいかに退屈か?がとぼけた調子で歌われてゆく。よく、フィンランド人に「フィンランドっていいよネ」という話をすると、「信じられない?!」という感じで首をヨコに振られることがあるのだけれど、そんな屈折感の背景にはきっとこんな「おちょくり」があったりするのだろう。だから、面とむかって「なにもないのがフィンランドのいいところだね」と言うのはちょっとはばかられる。こちらはいい意味で言ってるつもりでも、相手はきっとそうはとらないだろうな・・・。気をつけよっと。

試聴はこちら→MONTY PYTHON/「Finland」from the album「Monty Python Sings」

ムーミン切手

2004-11-19 23:09:17 | コラム、というか
ーロッパのデザイン切手の販売をはじめました。
「使えない切手をどうするの?」なんて、ふしぎに思われるひともいるかもしれません。でも、ただ眺めるばかりでなく、封筒の封印としてつかったり、チケットゃお菓子の包装紙、写真などといっしょにコラージュしてちょっとしたパピエコレをつくってみたりと、案外いろいろなたのしみ方があるものです。それになんといっても、その国ならではの風景や動植物があしらわれていたり、その国を代表するアーティストがデザインを手がけることも少なくない「切手」には、旅心をかきたててくれる要素がたくさんあります。

いまmoiであつかっている「切手」では、やはりフィンランドのムーミン切手(200yen)が人気です。フィンランドの郵便局Postiが毎年発行する人気シリーズで、2004年版は表面にフロッキ-加工をほどこし立体的でふわふわした感触をもつたいへん凝ったつくりのもの。ちいさなフレームにおさめれば、気のきいたクリスマスプレゼントにもなりそうです。

ぼくが個人的におススメしたいのはオランダのデザイン切手。色あいやデザインがほのぼのとしていて、かわいいものがたくさんあります。なかでも1995年にディック・ブルーナがデザインしたクリスマス切手(2枚組 500yen)は、ブルーナ・ファンならずとも手元においておきたい一枚です(ちなみに「ミッフィー」は登場しません)。

moiにお越しの折には、ぜひ手にとってごらんになってみてください。

Vale - at tea time -

2004-11-18 16:17:34 | コラム、というか
田橋のカフェ「Vale(ヴァレ)」のオーナー、さがらさんが来店してくださいました。

ちょうど一年ほど前、オープンにむけて準備を進めていたさがらさんがmoiをたずねてくださって以来の再会です。風のたよりにお店をオープンされたとは聞いていたものの、店名や場所がわからず気になっていただけに、忙しい合間をぬって顔を見せてくださったのはうれしいかぎりです。

お話によると、オープンはことしの3月、場所は飯田橋駅から徒歩で7分ほどの「筑土八幡」のご近所とのこと。メニューは、こだわりの茶葉を渋味がでないようにていねいに抽出した紅茶と自家製のケーキやスコーンが中心。オーガニックでからだにやさしい素材をつかった自然派のカフェです。またバリアフリー&禁煙なので、まちのカフェにはふだんなかなか入りづらいというかたにもおすすめです。

むかしながらの町並みと迷路のような路地が独特の趣きをかもしだす神楽坂界隈も、土地勘がないと「迷子」のようにさまよい歩いたあげくヘトヘトに・・・なんてことも珍しくありません。でも、途中「Vale」さんのようなお店で一服することができれば、神楽坂散策もいっそうたのしくなりそうですね。ぼくも近々、「秋の散歩」がてらお邪魔してみようかとおもっています。みなさんもお近くにおいでの折には、ぜひ足をはこんでみてください。

●地図等のくわしい情報は、上記リンクからごらんください。

フィンランドのX'masカード

2004-11-17 11:18:58 | コラム、というか
とんど「地縛霊」のような生活をしているおかげで、あと1ヶ月ほどでクリスマスがやってくるという実感がまるでわかない。こまった話である。11月にしてはやたらと気温が高いのも、実感がわかない理由のひとつにちがいない。

それはまあ、ともかく、moiも多少は世間並みにクリスマス気分を演出しなければいけないんじゃないだろうかということで、遅ればせながら「クリスマスカード特設コーナー」をつくりました!

素朴でノスタルジックな味わいのあるフィンランドのクリスマスカード(ほとんど一点もの、ポストカード2枚セットで300円)にくわえ、マリメッコのテキスタイルデザインでもおなじみの脇阪克二 さん、そして10月にmoiで個展をしていただいたひらいみも さんのカードなど取り揃え、販売しています。

ごらんになるだけでもOKですので、北欧らしいクリスマスカードを探しているかたはぜひmoiにお立ち寄りください。お待ちしております。

休日のひるに食べたいもの

2004-11-16 14:10:20 | コラム、というか
だんの日は、ほとんど家で料理をすることなどないのでせめて休日くらいはとおもうのだけれど、いざ休日ともなるとなかなか忙しくて結局ありあわせのもので済ませてしまうのがいつものパターン。

きょうは雑用に追われる一日なので、ちょっとした気分転換にホットケーキを焼いてみた。日ごろ、おひるごはんなんてゆっくり食べたことないし、匂いのしない冷たいものをちょこっとパクつく程度なので、じっくり熱したフライパンでゆっくりホットケーキを焼いているだけでもうずいぶん贅沢なことをしているような、そんな気分になってくる。

ほかほかのホットケーキをほおばって、Iさんからわけていただいたケニアンティーを手鍋で大ざっぱに沸かし、ロンドンの下町風(?)ミルクティーをこしらえる。手のこんだものはなにもない。でも、むしろこれくらいの力のぬけ具合がぼくにはちょうど心地よく、性に合っているみたいだ。

名言集

2004-11-15 23:25:53 | コラム、というか
馬に「名言」はつきものである。

たとえば、イギリスのチャーチル首相による「ダービー馬の馬主になるのは、一国の宰相になるより難しい」という言葉は有名だ。そうだろうな、きっとそうだろう、とは思うものの、つましい日々をおくる庶民にはいまひとつピンとこない。

それにくらべると、常盤新平のはぐっと庶民的で説得力がある。「府中の競馬場はひろびろとして、冬の朝などは晴れていれば、白い富士が見えた。そういう日にかぎって馬券は外れるのだった」。おそらく府中で競馬をやったことのないひとにはわからないだろうが、そう、「外れる」のだ。パキッとした朝の空気のなか見やる「白い富士」は、「よおし、きょうはやってやるゾ」、そんな高揚した気分にさせてくれる。ところが最終レースのころともなると、うつくしい夕焼けを背に黒いシルエットとなった富士を呆然とみつめることになるのだ。馬の消えた、眼下にひろがる広大なターフ(芝生)をみるとききまっておもいだすのは、寺山修司の著作のタイトル「馬敗れて草原あり」

こうしてみると、どうやら「名言」は馬券が「はずれる」ときにうまれるものらしい。

きわめつけはチャールズ・ブコウスキーの、けっして共感したくはない、こんな一節だろう。「競馬でやられた日には、靴下はにおうし、財布の中には1ドル札が2、3枚しか入っていないしで、どう考えたって勝ち目はない、奇蹟が起こるなんてことあるわけないと思う」。まさに、ネガティブさの極北といった言葉だが、これが「名言」といえるのは逆もまた真なりだからであって、その感覚が忘れがたくてぼくらは懲りもせず競馬をやるのである。

コーヒーのアテ

2004-11-13 23:43:18 | コラム、というか
まい酒にはうまい肴があうように、うまいコーヒーにもやはりそれにふさわしいアテがあってしかるべきじゃないだろうか。実際、ぼくのすきないくつかの喫茶店には、まさにコーヒーのアテとよぶにふさわしいちょっとしたサイドメニューが用意されている。

京都のエスフィーファには「肉パン」があるし、おなじく京都の六曜社地下店だったら「ドーナツ」だ。残念なことにいまだ訪ねたことはないのだけれど、「ドーナツ」といえば大阪の平岡珈琲店も忘れるわけにはいかない。ケーキや手のこんだスウィーツもわるくないが、なぜだかコーヒーのアテには素朴でなつかしい味のほうが似合う気がする。ちなみにmoi「プッラ」こと「フィンランド風シナモンロール」は、そんなコーヒーのアテとしてメニューに加わったものなのだが、量産がきかずいまひとつ品切れがち・・・(ごめんなさい!)

ところで、ぼくが個人的にかんがえる最高のコーヒーのアテは、なんといってもあんぱんをおいてほかにない。とくに深煎り豆との相性は抜群!ぜひぜひお試しあれ!

そんなわけで、現在おいしい「あんぱん」情報をひろく募集中。とっておきの「あんぱん」をご存じのかたはぜひご一報を!

秘密のコーヒー

2004-11-12 23:46:16 | コラム、というか
密のコーヒー。
フィンランドの小説家レーナ・クルーンの短編小説に、それは登場する。八月のちょっとせつない物語だ。主人公の少女ヴェーラは家でコーヒーをのむかわりに、ちかくの荒れ果てた桟橋で、生い茂った葦になかば隠れるようにしてひとりコーヒーをのむのがお気に入りだ。それを、家族たちは皮肉って「秘密のコーヒー」とよぶ。そしてある夏の終わりの午後のこと、「秘密のコーヒー」に導かれたヴェーラはひとりのふしぎな少年と《出会う》のだった・・・。

これは、カップ一杯のコーヒーとそれがもたらす特別な時間についての物語である。「場所」、つまり「秘密の桟橋」ではなく、ヴェーラを訪れるふしぎな出来事は、なにより「秘密のコーヒー」とその「時間」によってもたらされるものだ。いいかえれば、ヴェーラの「秘密のコーヒー」とは、見なれた世界を見知らぬ世界へと変えてしまう、ちょっとした「スウィッチ」のようなものである。「秘密のコーヒー」をもつ者は、あるいは、世界を二重に生きているのかもしれない。

もし、あなたのまわりに葦の生い茂った古い桟橋がなかったとしても、だいじょうぶ、あなたが「秘密のコーヒー」をもつのはさしてむずかしいことではない。まちには「カフェ」や「喫茶店」という、「秘密のコーヒー」をたのしむのにうってつけの隠れ家が用意されているのだから。ヴェーラが、ポケットにプッラ(フィンランドの菓子パン)をつっこみ、コーヒーカップ片手に意気揚々と家をとびだしてゆくように、「都会のヴェーラたち」はカフェをめざす

秋の昼下がり、moiで思い思いのひとときをすごすひとたちを見ていると、ぼくにはなんだかヴェーラの姿がだぶってみえる。

● レーナ・クルーン『秘密のコーヒー』(『木々は八月に何をするのか』所収 末延弘子 訳/新評論 刊)

避難所のチャイ

2004-11-11 23:28:04 | コラム、というか
潟中越地震の発生から3週間、いまだに余震がおさまらないばかりか、むしろ二次災害の恐れや豪雪をともなう厳しい冬の到来など、被害にあったひとびとの不安は日に日にますばかりである。実は、ぼくのおばは今回大きな被害をうけた山古志村の出身で、その年老いた両親と兄弟はいまだ不自由な避難所での生活を余儀なくされている。そんなこともあって、今回の地震についてはぼくも他人事とはおもえずなにかと気がかりであると同時に、ささやかに募金する程度にしか力になれないことがまたもどかしくもある。

そんな矢先、ニュースで避難所でチャイをくばる外国人たちの姿をみた。かれらは、地震の報を知り名古屋からかけつけたイスラム教徒団体のメンバーたちで、阪神大震災のときにもボランティアとして同様の活動をしたという。たった一杯のチャイが、避難所で暮らすひとびとの心にあたえたものを思うと胸があつくなる。口にしたひとはきっと、このときのチャイの味を一生わすれることはないだろう。

いちばん大事なことは、たとえどんなにささやかなことであろうとも、じぶんができることを実際に行動にうつすことなのだと、かれらの姿から教えられた。被災地で活動をつづけるすべてのボランティアたちには、ほんとうに頭が下がる。