曠野すぐりBLOG 「小説旅日記」

「途中から読んでも内容の分かる連載小説」をいくつか、あと日記を、のんびりと載せていきます。
 

慈光寺探訪(3)

2011年01月27日 | 彷徨う
 
駐車場から、なだらかな砂利道を上がっていくと本堂の阿弥陀堂だ。
 
男の人がガラス戸を開けて体半分入り込み、すみませんと声を張り上げて中の人を呼んでいる。平日なので、奥の方に引っ込んでいるようだ。
 
私はそこを通り過ぎる。本堂の横は住宅になっていて、玄関に猫が日向ぼっこをしていた。踏みしめる石段の隙間には氷が張っていて、垣根の下には雪も小さく残っている。猫は寒がりだろうが、ここに住んでいると寒さに慣れてしまっているのか。でも猫の下には小さな座布団が敷かれていた。
 
こういったところで動物を見かけるのはいいものだ。いちばん馴染むのは柴犬だろうが、猫も合っている。しばらく見ていたら、もう一匹現れた。寒さのせいか、毛がもこもこになっている。
 
 
宝仏殿は閉まっている。私はいつも時期外れに来るので、ここが開いていることはない。見物ではなく、山寺の閑散とした雰囲気を味わいに来ているので、開いていなくても別に構わない。
 
私は観音堂の方へと登っていった。
 
 
(続く)
 


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