今から15年~20年ほど前にお作りしたお客様からご連絡がありました。
お作りした茶道具入れの作り直しのご依頼です。
お部屋の改装に伴い、使い勝手に変更ができての改作です。
昔のお客様からまた声をかけていただけることは大変嬉しいことです。
お伺いして、お互いの暮らしぶりやご家族の様子などの話しに花が咲きます。
「痩せたました?」といわれてしまった、体重は変わらないんですけど、、、
これが昔お作りした家具。中に茶碗や茶筅などの道具が入ります。
茶道具は木工界でも大事な一分野ですが、私は茶道は全くの不案内です。
寸法とか材とかに決まりがあるそうで、その作法が恐ろしくて逃げています。
この時はいろいろお伺いしてお作りしました。
材は杉で浮造り(うずくり)をかけ、荏油を塗ってあります。
つまみは黒柿です。
私の普段の仕事では杉はほとんど使いません。
いろいろ手を尽くして杉の良材を苦労して入手したことを思い出します。
その時の杉が全く使うことなく在庫で残っていて、時を経てまた同じお客様のもとに行くことになりました。
これがうずくりです。クロツグという棕櫚の仲間の繊維を束ねたものらしい。
面白がって刃物屋で買ってあったものが役に立ちました。
これで木目に沿ってごしごし擦ると木目が風化したような風合いになります。
照明を工夫してどんな加工効果があるかがわかるように写真を撮ってみました。
四枚の扉はこのように開きます。
二枚の方はふつうの観音開きです。
どちらも金物の蝶番ではなく木ダボを支点に使っています。
それを、どちらも右側だけ、扉が外れるようにダボを切り、マグネットで付くように作り替えました。
小さいものを一点だけ、新しく作りました。
上に載っている横長のもの。
時間を経て色が変わっているとはいえ、同じ丸太の材を使ったので、まあまあ同じような色、木目に仕上がりました。
約一月半かかったお蕎麦屋さんの家具も無事納品が終わりました。
トラックを借りて朝から積み込み、デパートの食堂街なので営業の終わる夜10時過ぎからの納品でした。
納品作業が終わったのは夜中の1時、思ったよりは早かった。
家に着いたのは4時。もう鳥が鳴き始めていました。
改装に関わった業者として開店前のレセプションに呼んでいただいたので、一日置いてまた上京しました。
西新宿を見下ろす絶好の立地。
白い塗り壁、鉄線細工の洋風の扉を開くと大谷石の腰板。
お蕎麦屋としては冒険的な内装です。
お食事を頂きながら社長さんや店長さんにいろいろとお話をうかがいました。
歴史ある店でありながら、その伝統に胡坐をかくことなく新しい味に挑戦していく強い情熱を強く感じます。
クラシカルなお蕎麦屋の内装ではその気持ちを表現することはできないということです。
このような改装にすることは内外からも懸念する声もあったそうです。
このような事業にささやかながらも携わる機会を持てて、本当に幸福だと思いました。
私の作った椅子やテーブルで多くの人々が幸せな食事をし、語らい、関係を育む。
それを思うと家具を作る仕事を選んでよかったという思いがこみ上げます。
さまざまな出会いを経てこの場にいることの不思議さを感じます。
日が落ちて、高層ビルににも灯が入りました。
お世話になったからいうのでなく、美味しいお店だと心から思います。
近くに行くことがありましたら食べに行ってくださいませ。
総本家 小松庵 新宿高島屋店
↑ウエブサイトの写真は改装前です。(2015年6月19日現在)
お作りした茶道具入れの作り直しのご依頼です。
お部屋の改装に伴い、使い勝手に変更ができての改作です。
昔のお客様からまた声をかけていただけることは大変嬉しいことです。
お伺いして、お互いの暮らしぶりやご家族の様子などの話しに花が咲きます。
「痩せたました?」といわれてしまった、体重は変わらないんですけど、、、
これが昔お作りした家具。中に茶碗や茶筅などの道具が入ります。
茶道具は木工界でも大事な一分野ですが、私は茶道は全くの不案内です。
寸法とか材とかに決まりがあるそうで、その作法が恐ろしくて逃げています。
この時はいろいろお伺いしてお作りしました。
材は杉で浮造り(うずくり)をかけ、荏油を塗ってあります。
つまみは黒柿です。
私の普段の仕事では杉はほとんど使いません。
いろいろ手を尽くして杉の良材を苦労して入手したことを思い出します。
その時の杉が全く使うことなく在庫で残っていて、時を経てまた同じお客様のもとに行くことになりました。
これがうずくりです。クロツグという棕櫚の仲間の繊維を束ねたものらしい。
面白がって刃物屋で買ってあったものが役に立ちました。
これで木目に沿ってごしごし擦ると木目が風化したような風合いになります。
照明を工夫してどんな加工効果があるかがわかるように写真を撮ってみました。
四枚の扉はこのように開きます。
二枚の方はふつうの観音開きです。
どちらも金物の蝶番ではなく木ダボを支点に使っています。
それを、どちらも右側だけ、扉が外れるようにダボを切り、マグネットで付くように作り替えました。
小さいものを一点だけ、新しく作りました。
上に載っている横長のもの。
時間を経て色が変わっているとはいえ、同じ丸太の材を使ったので、まあまあ同じような色、木目に仕上がりました。
約一月半かかったお蕎麦屋さんの家具も無事納品が終わりました。
トラックを借りて朝から積み込み、デパートの食堂街なので営業の終わる夜10時過ぎからの納品でした。
納品作業が終わったのは夜中の1時、思ったよりは早かった。
家に着いたのは4時。もう鳥が鳴き始めていました。
改装に関わった業者として開店前のレセプションに呼んでいただいたので、一日置いてまた上京しました。
西新宿を見下ろす絶好の立地。
白い塗り壁、鉄線細工の洋風の扉を開くと大谷石の腰板。
お蕎麦屋としては冒険的な内装です。
お食事を頂きながら社長さんや店長さんにいろいろとお話をうかがいました。
歴史ある店でありながら、その伝統に胡坐をかくことなく新しい味に挑戦していく強い情熱を強く感じます。
クラシカルなお蕎麦屋の内装ではその気持ちを表現することはできないということです。
このような改装にすることは内外からも懸念する声もあったそうです。
このような事業にささやかながらも携わる機会を持てて、本当に幸福だと思いました。
私の作った椅子やテーブルで多くの人々が幸せな食事をし、語らい、関係を育む。
それを思うと家具を作る仕事を選んでよかったという思いがこみ上げます。
さまざまな出会いを経てこの場にいることの不思議さを感じます。
日が落ちて、高層ビルににも灯が入りました。
お世話になったからいうのでなく、美味しいお店だと心から思います。
近くに行くことがありましたら食べに行ってくださいませ。
総本家 小松庵 新宿高島屋店
↑ウエブサイトの写真は改装前です。(2015年6月19日現在)
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