ようこそ私の庭へ 

季節を忘れずに咲く花、大きくなる木、きまぐれ猫、その他もろもろ日々の綴りです。

利休にたずねよ

2011年03月03日 | 読 書

 利休にたずねよ(2月読書会回覧本) 作者 : 山本兼一
 

 「 死を賜る (利休) 」 1591年2月28日 朝、京の聚楽第 利休屋敷 一畳半の章から始まり、「夢のあとさき (利休の妻 宗恩)」までの24章を、気憶をたどるように時をさかのぼって書き進む小説。

秀吉が天下人となり煌びやかな衣装に身をつつみ、黄金の茶室、黄金の茶釜をしつらえ、その権力を誇示する。それに反して利休は4畳半ー3畳ー2畳から一畳半へと質素な作りの茶室で侘び茶の世界へと進む。

歴史的にみても権力の中枢まで上りつめた利休が、なぜ秀吉の逆鱗に触れ、切腹を言い渡されたのか確かな理由は明らかになっていないようですが、言いがかりの切っ掛けとして大徳寺山門の利休像としている。

貧しい一農民でしかなかった秀吉に対し、利休は堺の裕福な商家に生まれ、若いころには放蕩三昧の暮らしをしていた。

利休に対する秀吉のジレンマと妬み。表面は秀吉にかしづきながらも、利休の本心は『わしが額ずくのは,美しいものだけだ』(利休は命乞いをしなかった。切腹の真の理由は、「利休にたずねないと分からない。」という結果にたどり着く。) 

コメント