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MIUコンサルティングオフィス・社会保険労務士三浦剛のブログです。

コンプライアンス経営へ No.21(割増賃金その3)

2010年05月02日 | 会社の法律ミニレッスン
企業へのコンプライアンス(法令遵守)の要請は高まっています。
「知らなかった」では済まなくなってきています。日曜日、「会社の法律」をお勉強!

第21回も「割増賃金」です。

今日は、割増賃金を計算する時の話『端数処理と労働時間の把握』です。
割増計算の基礎を計算は細かくて面倒だ、でも正しく計算する必要があります。

【労働時間の切り捨て・切り上げ】
 タイムカードには「20:27」と打刻がされています。
(この会社の終業時刻は18:00です)この日の残業時間は?

2時間27分です。

よくあるのが、「30分未満切り捨て」て2時間。これはダメです!
□毎日の労働時間の切り捨ては認められません。
 労基法24条1項の「賃金全額払い」の原則に反するからダメということです。
 「27分間の労働の対価を払って下さい!」

ところが、2時間30分にする。これはオッケーです。
□労基法24条1項の全額払いに違反していません。多く払うのはいいですよ。

★日々の労働時間は1分単位で正しく把握することが大切です。

では、1ヶ月になると?
『1ヶ月における時間外労働、休日労働、深夜業の各労働時間の合計数に1時間未満の端数がある場合は、30分未満は切り捨て、30分以上は1時間に切り上げるという方法は、常に労働者の不利になるものではなく、事務簡便を目的としたものであるため、労基法24条、37条違反として取り扱わないとしている』(昭和63.3.14基発150号)という通達があります。

★1ヶ月の合計では、1時間未満の端数処理はオッケー!
   30分以上……1時間に切り上げ可
   30分未満……端数切り捨て可

つづいて、【割増賃金の端数処理】
★1時間当たりの賃金額や割増賃金額に1円未満の端数
   50銭以上……1円に切り上げ可
   50銭未満……端数切り捨て可

★1ヶ月における時間外・休日・深夜労働の割増賃金額の合計に1円未満の端数
   50銭以上……1円に切り上げ可
   50銭未満……端数切り捨て可

1ヶ月の平均所定労働時間158.66時間、月額給与28万円の場合
▽1時間当たりの賃金額
28万円÷158.66時間=1,764.78円→(四捨五入)→1,765円
▽1時間当たりの割増賃金額
28万円÷158.66時間×1.25=2,205.975円→2,206円

ところで、20時間45分の残業手当は
2,206円×20.75=45,774.5円→45,775円
残業単価を小数第2位まで活かして計算すると
2,205.98円×20.75=45,774.08円→45,774円

1円違います。塵も積もれば…、ですね。

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