企業へのコンプライアンス(法令遵守)の要請は高まっています。
「知らなかった」では済まなくなってきています。日曜日、「会社の法律」をお勉強!
第48回は、「解雇制限」その1です。
解雇とは、労働契約を使用者(会社)が一方的な意思に基づき、将来に向かって解約することをいいます。
解雇を行う場合には、法律により、一定のルールに基づいた手続きが必要になります。
前回まで、解雇の予告について見てきました。
労働基準法第20条により、30日前に予告するか、予告をしない場合には平均賃金の30日分以上の解雇予告手当を支払うことが義務づけられています。
今日は、解雇が禁止されている期間について見ていきます。
労働基準法第19条(解雇制限)
『使用者は、労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業する期間及びその後30日間並びに産前産後の女性が第65条の規定によつて休業する期間及びその後30日間は、解雇してはならない。ただし、使用者が、第81条の規定によつて打切補償を支払う場合又は天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となつた場合においては、この限りでない
2 前項但書後段の場合においては、その事由について行政官庁の認定を受けなければならない。』
「解雇制限」として次の期間内での解雇を禁止しています。
1.業務上負傷し、または疾病にかかり、その療養のために休業する期間及びその後30日間
2.産前産後休業期間及びその後30日間
上の期間中に労働者を解雇した場合には、労働基準法違反に問われるだけではなく、解雇自体が無効になります。
仕事上で負傷したり病気になって入院しているときは、職場復帰や将来のことはとても不安ですよね。また、出産で会社を休んでいるのは、働きたくても働けない状態で、産後も大切な時期です。そんなときに「解雇」は、ちょっとひどすぎますよね。それで、法律で禁止しています。
とは言え、これにも例外があります。第1項のただし以降になります。
次の場合は、解雇制限が解かれます。解雇も仕方がないでしょう、ということです。
1.使用者が、第81条の規定によつて打切補償を支払う場合
2.天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となつた場合
2の場合には「解雇予告・解雇制限除外認定申請書」を所轄の労働基準監督署長に提出し、その認定を受ける必要があります。もちろん認定を受けてから解雇になります。
打切補償とは?
業務上の傷病により療養をしている労働者が療養開始後3年間を経過しても傷病が治癒しない場合に、使用者が1200日分の平均賃金を支払い、以後の補償を打ち切ることを言います。
3年経過後ですので、それ以前に支払っても「打切補償」を支払ったことにはなりません。
また、次の場合は「打切補償」を支払ったとみなされます。
(1)療養開始後3年を経過した日に労災保険による傷病補償年金を受けている場合
(2)療養開始後3年を経過した日以後に傷病補償年金を受けるようになった場合
長くなりました。いつも最後までお読みいただきありがとうございました。
あと少し説明がありますが、 続きは次週に…。
「知らなかった」では済まなくなってきています。日曜日、「会社の法律」をお勉強!
第48回は、「解雇制限」その1です。
解雇とは、労働契約を使用者(会社)が一方的な意思に基づき、将来に向かって解約することをいいます。
解雇を行う場合には、法律により、一定のルールに基づいた手続きが必要になります。
前回まで、解雇の予告について見てきました。
労働基準法第20条により、30日前に予告するか、予告をしない場合には平均賃金の30日分以上の解雇予告手当を支払うことが義務づけられています。
今日は、解雇が禁止されている期間について見ていきます。
労働基準法第19条(解雇制限)
『使用者は、労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業する期間及びその後30日間並びに産前産後の女性が第65条の規定によつて休業する期間及びその後30日間は、解雇してはならない。ただし、使用者が、第81条の規定によつて打切補償を支払う場合又は天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となつた場合においては、この限りでない
2 前項但書後段の場合においては、その事由について行政官庁の認定を受けなければならない。』
「解雇制限」として次の期間内での解雇を禁止しています。
1.業務上負傷し、または疾病にかかり、その療養のために休業する期間及びその後30日間
2.産前産後休業期間及びその後30日間
上の期間中に労働者を解雇した場合には、労働基準法違反に問われるだけではなく、解雇自体が無効になります。
仕事上で負傷したり病気になって入院しているときは、職場復帰や将来のことはとても不安ですよね。また、出産で会社を休んでいるのは、働きたくても働けない状態で、産後も大切な時期です。そんなときに「解雇」は、ちょっとひどすぎますよね。それで、法律で禁止しています。
とは言え、これにも例外があります。第1項のただし以降になります。
次の場合は、解雇制限が解かれます。解雇も仕方がないでしょう、ということです。
1.使用者が、第81条の規定によつて打切補償を支払う場合
2.天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となつた場合
2の場合には「解雇予告・解雇制限除外認定申請書」を所轄の労働基準監督署長に提出し、その認定を受ける必要があります。もちろん認定を受けてから解雇になります。
打切補償とは?
業務上の傷病により療養をしている労働者が療養開始後3年間を経過しても傷病が治癒しない場合に、使用者が1200日分の平均賃金を支払い、以後の補償を打ち切ることを言います。
3年経過後ですので、それ以前に支払っても「打切補償」を支払ったことにはなりません。
また、次の場合は「打切補償」を支払ったとみなされます。
(1)療養開始後3年を経過した日に労災保険による傷病補償年金を受けている場合
(2)療養開始後3年を経過した日以後に傷病補償年金を受けるようになった場合
長くなりました。いつも最後までお読みいただきありがとうございました。
あと少し説明がありますが、 続きは次週に…。