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MIUコンサルティングオフィス・社会保険労務士三浦剛のブログです。

長時間労働から~2つのニュース~

2010年02月17日 | 社会保険労務士
長時間労働でニュースが2つ…

1つは「長時間勤務、過労で寝たきり損賠訴訟 1億9400万円賠償命令」のことです。
長時間勤務の結果、過労で脳に障害を負い、意識不明の寝たきり状態になった元ファミリーレストラン支配人と両親が、店を経営する会社に損害賠償を求めた訴訟の判決がありました。裁判長が過労と症状の因果関係を認め、「過酷な労働環境を漫然と放置した」と、会社側の安全配慮義務違反を認定し、将来の介護費用や未払い賃金など総額約1億9400万円の支払いを命じた。

発症までの半年間の時間外労働は月平均約202時間に上り、労災認定基準の発症1か月前の約100時間の2倍を超えていました。鹿屋労基署は2006年1月に労災認定し、休業補償などの支給を決定していました。
当時、支配人として店に勤務。休日返上で働いていましたが、管理職扱いのため残業代は支給されていません。

ところで、損害賠償の額はどのように決まるのか?原告側弁護士によると
賠償額には、症状固定が認定された時から余命分の介護費、介護する両親に対する慰謝料などが含まれているそうです。

TVのニュースで、ご両親の「会社に謝ってくださいって言ったも、会社は非を認めず謝らなかった。では、裁判しかない…」という言葉に何を思われますか?

長時間勤務から過労で倒れられ、過労死や障がいが残る、労災の補償や損害賠償がなされても、ご本人は戻らない。このことを忘れてはいけませんね。
「健康を守る」という大きな責任を忘れてはいけません!


2つ目は、大学で超過勤務手当の不払いの報道です。
大分大学で、2年間(07年12月~09年11月)、超過勤務手当の一部を支払っていなかったと発表がありました。対象者は教職員計336人、総額は計約2億4500万円、給料支給日の今月17日、一括して口座に振り込むそうです。

詳細は、各新聞等でご覧下さい。私の3つの「へぇ~」を
□発表では内部監査の結果だそうです(監督署が入ってではないということですね)
□不払い対象の9割が医学部の医師だったそうです
□一括で払うんだあ~!(資金難の会社では何ヶ月に分割できるか頭を悩ますのにねぇ~)

「2年間?その前もあったのとちがう?」という疑問も浮かびますか?
報道では、大学も2年前は調べていないそうです。どうして?
時効は2年、不払いについての請求権があるのは(労働基準法に基づき)2年だからですね。