My Life After MIT Sloan

組織と個人のグローバル化から、イノベーション、起業家育成、技術経営まで。

トレフェゼン試飲-スローンワイントレック(2)

2009-04-23 11:01:05 | ●アメリカ西海岸 紀行

さて、ワイントレックから漸くボストンに帰ってきたのでレビューの始まりです。
でも今回は、全部書こうなんて野心的にならず、良かったところだけ重点的に。
集中と選択。

このワイントレックでは、1日目にNapa、2日目にDry Creek Valley、3日目がお休みで、4日目にSonomaを訪ねる。
1日目のNapaは正直全く期待していなかったが、前に書いたように3番目に行ったワイナリーが素晴らしかった。
ので、レビューを。

このトレフェゼンというワイナリーは、自社元詰めのワインも造っているが、主に他のワイナリーへのぶどうジュースや発酵後の樽の提供で商売しているらしい。
フランスだと、かつて借金を抱えていたワイナリーとか、格下のワイナリーがそういうことをやっているイメージだけど、このワイナリーはその辺のNapaのワイナリーよりずっと美味しかった。
プロ相手に商売しているだけあって、畑も見た目にもしっかり管理されているし、派手なプロモーションなどが少ないところは余計好感が持てた。

ワイナリーに入って、最初に畑を見たとき、おっ!と思った。

こんな風にぶどうの若木と若木の間に、草が植えられている。
よく見ると豆類などもちゃんと植えられているようだ。

ワイナリーの人はちゃんと説明してくれなかったが、これは単に不精で生やしてるのでなく、ちゃんと意味がある。
若木のときに、こうやって周りに草が生えていると、水をめぐる競争が激しくなるので、地中深くに根を張るようになる。
そうすると、土の中のミネラルをより吸い取るようになり、土の影響を大きくうけた、すなわちテロワールを反映した良いぶどうが出来るのだ。

か、かわいい。
花のつぼみが…

5月下旬くらいから花が咲き始めて、自家受粉を始めるそうだ。

こちらは100年前のジンファンデルのブドウ畑。
もうぶどうを取るのには使っていないのだが、このワイナリーの出自なので、大切に残しているのだという。
今はジンファンデルは植えておらず、殆どがシャルドネとピノノワール、そしてカベルネ・ソーヴィニオン。

このワイナリーが始まったのは禁酒法以前。
そのころは自分の畑でつくったジンファンデルでワインを造っていたらしい。
禁酒法の時代は、畑で取れたぶどうをぶどうジュースにして樽に詰め、カナダやフランスなどに輸出していたそうだ。
1960年代に、ワイナリーの名前にもなっているTrefethen夫妻が購入し、更に土地を買い足し、畑を拡大。
Napa発、フレンチスタイルのぶどうを作ることにこだわってやっているらしい。

これが畑の航空写真。
見ると、地下水脈のあるところなど、土の色が違い、はっきり黒っぽい線が見えていたりして、面白い。
その昔、ロバート・モンダヴィがNASA提供の航空写真を使って、どの土地を畑にすべきか決めたというが、こういうところを見るんだろうか。

樽の貯蔵庫の2階で、早速試飲会。

試飲したワインは全部で6本。
そのうち、個人的にはメルロと、特別に飲ませてくれた2007のカベルネ・ソーヴィニオンが特に良かった。

メルロは、色が濃い紫~ルビー色。
香りは、黒く熟したプラム、ブラックカラント、ブラックベリー、といった黒ベリー系が中心で果実味豊か。
クローブや黒コショウのニュアンスもある。
新樽比率は低いらしくて、樽香はあまり感じないが、多少杉のような香りが感じられるのが好印象。
またタンニンのとげとげしさが殆ど無く、シルキーに溶け込んで飲みやすい一方、しっかりコクのあるぶどうジュースのような味わい。

何よりNapa Valleyなのに、この質のワインが、定価で20ドルで買えるのが素晴らしいと思った。
Napa Valleyのワインって、ボルドーなんかが笑えないほど高いので、この味だと他のワイナリーなら60ドルくらいはするに違いない。

この写真に写っているドライ・リースリングは、あまりNapaらしくない、ひんやりした印象を受けるリースリングだった。

それから2007のカベルネは、しっかりストラクチャーがあり、香りも割と複雑で好印象だった。
しかし、105ドルというのは高いな、と思ったが。
ボルドーの2級シャトーや、1級のセカンドワインが100ドルくらいで手に入るのと比べると、そこまでの複雑みや味わいがあるとは思えなかったので。
Napaは、高級化粧品と同じで、高いワインの方が良く売れるので、恐らくマーケティング意味合いも込めたプライシングなのだろう。
ワインを良く知っている人向けのワインではないと思われる。

今回の旅では何も買わない、と決めていたのだが、帰りに試飲コーナーで試飲したリースリングのアウスレーゼが思いのほか美味しく、買ってしまった。


ハーフボトルで50ドル。
高いっちゃ高いけど、カリフォルニアのデザートワインに良くある単純さではなく、しっかりと奥行きのある味わいで、これは買いだな、と直感的に思ってしまったのだ。

近いうちに飲む予定なので、飲んだらまたレビューします。

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