随所随縁

所に随(したが)い、縁に随い、時に随い、想いに随い、書き留めていきたい。

今週のNEWSWEEK誌より~2006年の世界を読む

2005-12-29 23:14:54 | NEWSWEEK日本版



今年最後そして来年最初のNEWSWEEK(日本版)の表紙は「2006年の世界を読む」でした。毎年、最終号と新年の合併号では、新しい年の「世界を読む」ということで、国際社会や経済の動向等について予想をしています。そこで、2005年は、どのように「予想」されていたのか、昨年のNEWSWEEK誌の「2005年の世界を読む」をぱらぱらと見返してみました。

最初が「歴史に名を残すリーダーの条件」で「ブッシュとブレアが第二次大戦当時のチャーチルとルーズベルトに並び称される日は来るか」という記事でした。歴史に名を残すような、偉大な業績というのは、その時点で判断するのが難しいものです。チャーチルやルーズベルトの指導力についても、戦後何年も経ってさまざまな資料が公開されて、初めて評価ができたくらいですから、一年でブッシュ・ブレア両氏の業績を評価するのも難しいかと思われます。記事では、結論として、「もし任期中にイスラエルとパレスチナに和解の道を歩ませることに成功すれば」まちがいなく歴史に名を残すだろう、というものです。この一年はイラク戦争やテロ・災害などがクローズアップされてしまい、この記事の「予言」は先送りされた形になっています。

日本関連では、「小泉改革の静かなる成功」という記事があり、ここでは、「欧米流改革を嫌う国民の抵抗に配慮し、日本流の「中道改革」を実現した功績は大きい」とのことでした。郵政民営化をめぐる大騒ぎを経験したわれわれから見ると、この「静かなる」とか「改革を嫌う」とか「中道改革」というキーワードも???という感じですが、これは「予想」することの困難さがよく分かる気がします。そして「安全」だの「景気回復」だの、「少子化」だのという大きな問題については、特効薬となる政策はありえず、「静かなる成功」を少しずつ積み上げていく以外に方法がないことがわかってきます。

IT関連では「ブログの声が世界に響く」と「検索ウォーズ第二幕の火花」の2つの記事が印象に残りました。私も今年からブログを始めて、そのブログの影響力の大きさを痛感したのですが、今や「ニューヨークタイムズ」「CNN」「BBC」などの大手メディアのwebサイトに匹敵するほどの影響力を持つブログサイトも現れています。もちろん、影響力といっても、大手メディアは巨大な組織であり、ブログは個人的なものですが、それぞれに役割を分担し、棲み分けることができるのではないかと思われます。後者の「検索ウォーズ」については、「ウェブ検索」の次は「デスクトップ検索」の時代へ、というものですが、グーグル社の成功が、「検索ウォーズ」に火を付けたのはまちがいなさそうです。現在のところ、分野ごとのディレクトリを追っていく「ディレクトリ検索」は廃れてきており、やはり最適な検索方法は「キーワード入力」だけのような気がしています。しかしもっと他の情報検索方法が生まれてくるのではないかと期待しています。