今週のNEWSWEEK(日本版)の表紙は「ブログは新聞を殺すのか~アメリカ最新現地リポート メディアの未来」でした。アメリカでも日刊紙の合計発行部数は減り続けており、発行部数は20年間で13%、新聞の数は30年間で17%減少したという結果が出ています。
一方仮説ではありますが、2010年にはgoogleがカスタマイズされたニュースを自動的に提供するサービスを開始すると予想されており、このサービスでは、新聞社のサイトやブログなど、ネット上のあらゆる情報源から文章・コメント・データを抽出し、自動的に組み合わせて記事を創り出すものになるようです。そして2014年には各ユーザの好みに応じてほしがる情報を自動的に集めて届けるサービスが登場すると予測しています。
また、現実面でもアメリカでは現在、グーグルニュースやヤフーニュースなどのニュースサイトがあり、相当活況を呈しているようです。このニュースサイトの台頭により、新聞社が持つ、巨大な印刷工場や多数の宅配トラックなどが不要になってしまうと考えられています。
私も全国紙と地方紙を愛読していますが、全国紙などは地方までの輸送時間がかかるせいか、締め切り時間が早く、プロ野球などは最終結果が翌朝の朝刊に間に合わないことがよくあります。夕刊はとっていないため、報道が一日遅れということになります。大事件などが起きた場合、常に地方紙の一日遅れの見出しを見るとがっかりしてしまいます。また、全ての読者が理解できる(と思われる)レベルで記事を書いているため、ある分野では物足りなさを感じてしまいます。
一方ブログやニュースサイトなどは、リアルタイムで自分の好みに合わせた情報を得ることができそうです。新聞が全国民が同じ記事を読まされるのに対し、立場、好み、知識に合わせて情報を選択できるのは強みになりそうです。ただ、ニュースサイトそのものが、新聞社の記事などを集めてくるだけであり、独自の取材をしているわけではないので、「新聞を殺す」ことになるのかどうかはわかりません。取材力や事実への洞察力に関しては、やはり「専門家」と「一般人」では立場、知識、能力の違いがあるかと思われます。一般人の取材・コメントであれば、「一般の人たちが、この事件に対し、どう考えているか」は分かりますが、専門家の取材・分析による記事とは、「記事の質」の面で太刀打ちできないと思われます。
最近では、ブログの記事が新聞に転載されるなど、ブログやニュースサイトと新聞が何やら協力しあっているような、もたれ合っているような印象を受けます。お互いのレベルが低下するのではなく、協力により、双方のレベルアップにつながることを期待しています。私個人としては、ブログ・ニュースサイト派かもしれません。経済関連は日経新聞、スポーツはスポーツ新聞といった、それぞれの分野の専門誌の記事をつまみ食いしつつ、ブログなどで、その記事に関して意見やコメントを書いたり、他人や取材者の意見を聞いたりしながら情報交流ができるようになればいいなと思っています。