随所随縁

所に随(したが)い、縁に随い、時に随い、想いに随い、書き留めていきたい。

今週のNEWSWEEK誌より~韓国ES細胞ねつ造の構図

2006-01-12 23:56:50 | NEWSWEEK日本版



今週のNEWSWEEK(日本版)の表紙は「韓国ES細胞ねつ造の構図~ゆがんだ愛国心とバイオ立国への焦り」でした。最近はあちこちで偽造・ねつ造が出てきていますが、この「世紀の捏造」には桁違いのスケールを感じてしまいました。捏造が見つからなければ、ずっとこの調子で行くつもりだったのか、ずっと韓国のヒーローとして業績を捏造し続けるつもりだったのか、そちらの方が気になってしまいます。科学の世界では、研究者間で自由に意見がやりとりされ、業績に対してはすぐさま追試、批判や検証が行われる、と言うイメージがあったのですが、ES細胞の研究は、クローン人間につながるということで厳しく規制されており、自由に研究ができるのは韓国とイギリスだけ、という状況であり、しかも韓国では、批判が許されないスーパーヒーロー、ということになれば今回の不祥事は当然すぎるほど当然の結果に思われます。

もう一つ、興味深い記事が、「シャロンの国はどこへ行く」でした。われわれにはまだまだ馴染みの薄い中東パレスティナ問題ですが、イスラエルの指導者である、シャロン首相を特集しています。「歴史を築いた男」「治安を維持しつつ現状を打開できる唯一の指導者」などと言われ、ただ一人の人間の生死が一国の政治に大きな影響を与えています。兵士から将軍、議員から首相へと進んだシャロン首相の経歴がまとめられていますが、それを見ると、「行き過ぎた権限行使を非難される」「命令不服従を問われ免職」「国際協定は無視することが多い」などと、波瀾万丈というか、猪突猛進というか、順調な人生とはとても言えません。ただ、良きにせよ悪しきにせよ試行錯誤を繰り返しながらも自分の信念に忠実に行動をしているようにも見えます。そろそろ結果を出せそうなこの時期に倒れるというのは、本人にとっても、イスラエル国民にとっても残念なことに思われますが、今後中東がどうなるのか、興味があります。