随所随縁

所に随(したが)い、縁に随い、時に随い、想いに随い、書き留めていきたい。

今週のNEWSWEEK誌より~インタビューズ!

2006-01-25 16:47:49 | NEWSWEEK日本版



今週のNEWSWEEK(日本版)の表紙は「インタビューズ!~創刊20周年特別企画」でした。英語版のNEWSWEEKは、1933年創刊で、「Time」誌と並び称されてきたニュース週刊誌ですが、日本語版はちょうど20周年にあたるようです。1933年からの記事の蓄積があるわけですから、インタビュー記事だけでも相当なものになっています。インタビューした相手も「セレブ」どころでは済まないほどの方々ばかりで、「昭和天皇/ゴルバチョフ/江沢民/ニクソン/小泉純一郎/クリントン/・・・・」と続いています。さすがのNEWSWEEK誌といえども、昭和天皇との独占インタビューは相当難しかったらしく、インタビュー実現までの裏話(タイトル「根回しで突破した菊のカーテン」)がインタビュー記事と同じくらいのスペースを割いているほどです。「たった一度の独占インタビュー」「異例中の異例」というだけあって、1ページ目が写真、そして記事の書き出しが「右の写真でアメリカ人記者と握手しているのは紛れもない昭和天皇その人である。」とあり、NEWSWEEK誌の方も相当「興奮」しているのがわかります。

インタビューは1975年の昭和天皇訪米前に行われ、英語版のNEWSWEEKに掲載されたものを、日本語版(1989年1月の昭和天皇崩御の臨時増刊号)に転載したものです。やりとりは30分あまりの短い時間だったようですが、質問する側も答える側も自然な対応であり、「肉声」が伝わっているように感じました。昭和天皇も含め、戦前・戦中・戦後の歴史は、まだまだ評価が定まっていませんが、この独占インタビュー記事は、NEWSWEEK誌が発刊し続ける限り保存され、またいつか「特別企画」等で紹介されるものと思われます。週刊誌などというと、いつも「あの時は、あの事件であれほど騒いだのに、今はどうなっているのか」という印象がついて回るのですが、NEWSWEEK誌には、時の流れに左右されず、良質の記事を出し続けてもらいたい、そして時に再掲載して、「その時代」を思い出させてもらいたいと思います。

もちろん、そのほかにも「マドンナ/ポールマッカートニー/ビル・ゲイツ/マイケル・ジョーダン・・」など様々な分野の著名人の独占インタビュー記事が並んでいます。それらを読んでいると、インタビュー記事というものは、どちらかというとインタビューを受ける側よりもインタビュアーの資質に左右されることがよくわかります。また、時の流れは怖いもので、「・・・や麻薬使用の噂まで本誌記者が話を聞いた。・・・この2年後大麻の所持で起訴された・・・・」などというイントロダクションに続くインタビュー記事を読むと、こちらまでどきどきしてしまいます。

このほか、「今そこにあるヒト感染の脅威~特定危険部位混入により日本が再び輸入を停止する陰で、アメリカではBSE由来のヤコブ病発症の疑惑が浮上している」との記事がありました。今回の米国産牛肉の問題については、客観的にみて、日本側が「安全」にこだわりすぎているのか、それとも日本の考え方が正しいのかがよくわかりませんでした。この記事では、アメリカでも、あるレストランで食事をしたことがある人々のうち、27人がヤコブ病で死亡していたこと、そしてアメリカのメディアでは米国産牛肉の安全性やBSEに関する報道がほとんどなされていないことが紹介されています。このような調査が、政府でも、ジャーナリストではなく、一般のアメリカ人女性により行われていたというとことろにも驚きを感じました。また、マクドナルド社など、米国産牛肉の「最大の消費者」が、「管理体制の強化」を米国政府に要請するなど、アメリカ側でもこの問題にようやく取り組み始めようとしてる段階のようです。