随所随縁

所に随(したが)い、縁に随い、時に随い、想いに随い、書き留めていきたい。

今週のNEWSWEEK誌より~中国パワー

2005-05-19 22:59:13 | NEWSWEEK日本版



今週のNEWSWEEK(日本版)の表紙は「中国パワー~第二の超大国は世界をこう変える」でした。中国の2004年のGDPは1兆7500億ドル(ちなみに日本は2003年ですが、4兆3000億ドルくらい)、人口は13億(日本は1.3億)の大国となり、そして「21世紀の超大国」の基礎知識と意外な素顔を徹底リポート、という内容です。

経済・文化・軍事・宗教などをテーマに取り上げており、どれも徹底リポートというほどでもありませんが、「イケイケ大国の輝く未来、暗い現実」と題する記事の中での中国の全体像は勉強になりました。中国全体を、「沿海部」「内陸部」「東北部」「辺境地域」の4ヶ所に分け、それぞれの人口とGDPをまとめています。北京や上海、深センや香港を含めた「沿海部」が人口は中国全体の30%あまり(3億7600万人)ですが、GDPでは何と60%あまり(1兆400億ドル)を占めています。ちょうど「三国志」の舞台と重なる「内陸部」は、西安、成都、武漢などを含む「中原」の地ですが、人口は45%あまり(約6億)でGDPは30%程度(5350億ドル)となっています。中国にも当然のごとく「輝かしい未来」と「暗い現実」が入り交じっていますが、人口も面積も広大・多様な中国のこと、現在はどのような国で、将来どのようになるのか、一概には言えないという感じです。

近頃話題になっている「コーラン冒とく」の記事ですが、日本語版には、該当する記事は載っていませんでした。今週号には「本誌『誤報問題』の真実」なるタイトルもありました。アメリカによるイスラム教を侮辱する行為が反米デモにつながった、という論調ですが、改めて宗教の問題の難しさを感じました。日本は、宗教には寛容だとされていますが、寛容というよりは無知・無関心という方が近いのでは、と思います。先頃長野で開催されたスペシャルオリンピックスで、イスラム教徒に、何と豚汁を振る舞おうとして問題になったことがあります。日本では、イベントの時に豚汁を振る舞う、というのは普通のことですが、いろいろな宗教のタブーにまでは思いが及ばなかったようです。もちろん完全に悪意はなく、善意に基づく行動ですが、それがかえって問題を起こすことになるのは、つらいところです。グローバル化が進むにつれて、こういう問題は増える一方ではないかと思います。