昨日の「神生館(城)探索」の感想を、改めて書こうと思います。
※探索の内容にご興味のある方は、下記のリンクをご参照ください。
神生館跡地を訪ねてみて「こんなに奥まった所だったのか!」と驚きました。
木々がうっそうと生い茂り、特に『星宮神社』周辺は木陰で薄暗いのです。
その神聖な雰囲気に圧倒され、何だか恐ろしい気持ちになりました。
しかし、思い返してみると「荒廃している」という感じはありませんでした。
ひっそりとはしていましたが、清潔感がありました。
定期的に地元の方々が、お掃除されていらっしゃるのかな?と思います。
館跡地の一角は農地になっていて、農作物が植えられていました。
ある程度、人の手が入り管理されているのだと思います。
(そもそも、私有地なのかも知れません)
今でも、その土地に関わる人がいる…ということが嬉しいです。
↑神社の囲み(土塁のように高くなっています)から出て、撮影しました
明るい日差しが降り注いでいました。
一日過ぎた今、神生館のことを思い出すと、暗い感じではなく、むしろ明るい感じがするのが不思議です。
↑神社の囲みから出て、視線を左側に移して撮影しました。
正面の一段高くなっている所が土塁と思われ、そのすぐ下は深い空堀です。
丘陵を上がった台地の、更に奥まった場所に位置し、土塁や堀もある。
…身を隠すとしたら、かなり安全な場所だったと思われます。
丘陵を上がってくる途中には、立派な旧家が数軒ありました。
周辺に家臣団の家々があり、大切に守られていたのかな?とも思いました。
小見郷は、千葉庄の猪鼻館からは、かなり離れています。
飼い主が高速に乗った幕張ICから、70キロ程度はあったと思います。
祖父の実家が山武郡なので、東関東自動車道の富里ICで降りることが多いのですが、富里から更に倍はあるな…と、感じました。
(昨日のルート:京葉道路・幕張IC→東関東自動車道・佐原香取IC)
多分、猪鼻から小見郷までは、60キロ程度だと思われます。
(この辺りのことは、明日、カーナビで調べます。今日はもう寒いので)
【追記 2009.11.30】
カーナビにて「神生館(城)」までの距離を確認してみました。
幕張IC付近からは、64キロほどでした。
そして、飼い主の職場付近(千葉市中央区)からは、62キロでした。
<資料を読み返してみました>
改めて、丸井敬司さんの著書『上総下総千葉一族』を読んでみました。
簡単に要点を挙げます。
- 常胤公が領していた立花郷は、1136年7月に相馬御厨とともに下総国司に奪われた。
- その後、立花郷には上総氏が進出した。
- 常胤公の弟・胤隆氏が領した小見郷は、旧山田町小見から、旧小見川町小見川の一帯
(神生館(城)も、胤隆氏の領地・小見郷内だった可能性が高いです)
著者の丸井敬司さんは、以下のようにお考えです。
常胤公の弟・胤隆氏は、国司に領地を奪われた後は、千葉一族と行動を共にした記録がない。
胤隆氏は小見郷に残り、新たに進出してきた上総一族に従ったのではないか。
※小見郷が、上総一族の支配下におかれた時期については、不明のようです。
以上のことから、再度、胤盛さんに関係する情報を整理してみます。
・立花郷が国司に奪われた1136年は、胤盛さんが生まれる10年前
つまり、胤盛さんが神生に住んだ頃には、隣接の立花郷に父・常胤公の支配は及んでいなかった。
立花郷は、胤盛さんが神生館に住んだ頃は、下総国司又は上総一族の領地だった。
・胤盛さんが住んだといわれる神生は、常胤公の弟・胤隆さんが支配していた可能性がある。
胤隆氏が領していた小見郷に「神生」が含まれている可能性があります。
・神生に隣接する立花郷は、国司又は上総一族の領地だった。
→国司が支配していた場合…敵対しているので、かなり危険だと思われます。
→上総一族が支配していた場合…敵対関係ではないと思いますが、優遇もされない状態だと思われます。
いずれにしても、小見胤隆さんの存在なくして、胤盛さんが単独で神生に住むのは難しいのでは…と思います。
千葉郷の領主の子息が、敢えて千葉郷を離れて神生に住む理由…
うーむ、なかなか難しいです。
<飼い主の想像>
1.立花郷の奪還のため、父・常胤公の名代として現地で交渉役を担っていた?
→実際に交渉にあたるのは家臣だとしても、その心意気を示すために派遣されていた。
2.常胤公と弟・胤隆さんの連合軍の一員として小見郷に駐留していた?
(国司から立花郷の支配権を奪い返す機会を狙っていた?)
→小見郷の支配権が、最終的には上総一族に移ってしまったので、胤隆さんは現地に残り、胤盛さんは千葉庄に帰郷した?
3.何らかの事情で、叔父・小見胤隆さんの元に預けられていた?
(理由としては…病気、家族間の事情、胤隆さんの養子になるためなど)
ここまで色々と考えてきましたが、あくまで飼い主の個人的な見解です
何か確たることが判るよう、これからも勉強していきたいです。
愛犬くんと共に、調査を続けます!
【追記】
2016年5月に大幅に加筆修正いたしました。
【飼い主が勉強した本】
◎丸井敬司氏の著書『上総下総千葉一族』
◎千葉日報社『千葉氏探訪』房総を駆け抜けた武士たち