愛犬くんとのゆったりライフ

温厚な愛犬くんとの日常を気ままに綴ります。
郷土の武将・武石胤盛さんに関するレポートもございます。

『あのころはフリードリヒがいた』について

2016年07月06日 | 好きな本のご紹介

先日、公園を散歩していたところ、ベンチで気持ち良さそうに休んでいる黒猫さんに遭遇しました!

気持ち良い風が吹いていて、ウトウトしていました

「ベンチに猫が座っていて、平和だな~」と感じた飼い主。

ふと、中学生の頃に国語の教科書で読んだ『ベンチ』を思い出しました。


<『ベンチ』について>

第二次大戦中のドイツを舞台にした作品です。

ドイツ人の「ぼく」に、ユダヤ人の若者・フリードリヒが、最近の出来事を語ります。

(「ぼく」とフリードリヒは、同じアパートに住んでいる幼馴染です)

ある時、フリードリヒは、幼稚園で働いている女性に恋をします。

フリードリヒと女性は意気投合して、休日に二人で公園に出掛けました。

話も弾んで、楽しく歩いていると、彼女が「ベンチに座って休みたい」と言います。

目の前にあるのは緑色のベンチです。

緑色のベンチは「ドイツ人専用」なので、フリードリヒは座ることが出来ません。

もし、座っていることが知れたら強制収容所行きになってしまいます(また、既に法律でドイツ人とユダヤ人との結婚・婚約は禁じられていました)

フリードリヒが困惑して立ち尽くしていると、彼女が思わぬ行動を取ります。

(※著作権の関係で、この辺で…)


『ベンチ』は、『あのころはフリードリヒがいた』という小説のひとつの章だと、先生から教わりました(教科書にもその旨の表記があったと記憶しています)

全体を読んでみたいと思ったのですが、近所の書店や図書館で探しても見当たりませんでした。

インターネットが身近な時代ではなかったので、「まぁ、仕方ないか」と探すのを諦めました(書店で注文するとか、他に手段があったと思うのですが…

しかし!

夏休みを前に「推薦図書」のような形で、国語の先生からパンフレットが配られました。

中学生にお薦めの本が紹介されていて、欲しい本があったら、注文書と代金を先生に渡します。

すると、休みの前に、注文した本が先生を通じて手元に届くというシステムです。

そのパンフレットに『あのころはフリードリヒがいた』が載っていたのです!

早速、『車輪の下』と一緒に注文しました。


<『あのころはフリードリヒがいた』について>

 最初に読んだ時も強い衝撃を受けましたが、時を経て、また新たに衝撃を受けました。

今回、二十数年ぶりに読み返してみました。

本当に何と表現したら良いのか、悲しくて痛ましいのです。

ただ、救いもあります。

『裁判』『先生』の章と、「ぼく」と「ぼくの両親」の存在です。

中学生の時に気づけなかった箇所もありました。

今回読み返したことで、改めて色々なことを考えさせられました。

頭と心を整理して、また読み返そうと思います。

「岩波少年文庫」ではありますが、大人の方々にも読み応えのある作品だと思いました。

もう一度、この本を読むきっかけを与えてくれた黒猫さんに感謝です!

【追記】

一緒に購入した『車輪の下』をきっかけにして、ヘルマン・ヘッセの小説を高校生の頃に沢山読みました。

ヘッセについても、いつか書きたいと思います。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする