今回は、モンゴメリさん著『アンの友達-赤毛のアン・シリーズ4-』について書こうと思います。
《『赤毛のアン』との出合い》
中学一年生の夏休みに『赤毛のアン』(新潮文庫・村岡花子さん訳)を読みました。
アニメなどで内容は知っていたものの、お袋様がシリーズの大ファンで「やっぱり、原作を全部読まないとダメよ!ちゃんと読みなさいよ~」と、執拗に(!)勧めるものですから、これも宿命と思い(大げさな)観念して読み始めました。
そして、夏休みの終わりには10冊全部を読破しました!
ただ、残念なことに第3作『アンの愛情』以降は、何となくワクワク感が少なくなってきて、読むのに気合いが必要な巻もありました(確か、茂木健一郎さんも著書で似たようなことを書いていたような…)
しかし!
最終巻の『アンの娘リラ』は、興味深く読めたと記憶しています。
《『アンの友達』について》
時は流れ…
20代も後半にさしかかった頃、本屋さんで『アンの友達』を見つけて、読んでみることにしました。
背表紙に書かれている紹介文が良かったのです。
ご紹介します!
「この4巻ではアンから少し離れて、アンの周囲の素朴な人たちが愛ゆえに引き起こす、さまざまな事件をいくつか紹介する」
これは!と思いました。
『赤毛のアン』の中で、アンは「物語クラブ」を作ったりして、作家を目指しているような雰囲気がありました。
『アンの愛情』では、遂に『アビリルのあがない』という上品でロマンチックな作品を完成させます。
この作品がどうなったかという顛末は『アンの愛情』をお読みください!
とても飼い主の技量では語り尽くせません
さて、『アビリルのあがない』について、アンは隣人のハリソン氏に指摘されます。
「なぜ、(舞台を)このアヴォンリーにしなかったものかな」
この言葉はモンゴメリさん自身の言葉なんだろうなぁ…と感じました。
「モンゴメリさんが書きたかったと思われるアヴォンリーのことが、この巻には詰まっているのではないか?」
そう思って、読んでみたくなったのです。
実際に読んでみると、心温まる作品が多かったです。
そして、思わず笑ってしまう場面が随所にありました!
特に面白かった作品は『ルシンダついに語る』です。
15年前にケンかをして以来、一度も口をきかないのに、心の中では愛し合っている男女について描かれています。
二人の年齢が今の飼い主と近いということもあり、親近感が湧きました
↓今日は一緒にお散歩していませんが、きっと、こんな感じだったと思われます。
愛犬くんは、雨も気にしないようで~す
【追記】2019年3月31日
最近、『アンの友達』を読み返してみました。
年齢を重ねたこともあり、また違った視点から読むことが出来ました。
今回は『隔離された家』という作品が、とても面白かったです!
「男性嫌い・犬嫌い・猫好きで猫飼いの女性」と「女性嫌い・猫嫌い・犬好きで犬飼いの男性」(ふたりとも中年です)が、ひょんなことから一つ屋根の下で暮らす羽目に陥ってしまって…というお話です。
『アンの友達』は全体を通して、一風変わった人々が多く登場します。
周囲の人たちは「変わっているな」「困ったな」とは思うものの、地域社会の一員として認められ尊重されています。
一風変わった人たちをも、大らかに包み込むような雰囲気が心地良かったです。
読み返す度に新たな発見があり「読書って良いなぁ」「モンゴメリさんは偉大だなぁ」と改めて思いました。
のんびりした気分で良作を読みたい時にピッタリの一冊です。