カナダ・エクスプレス

多倫多(トロント)在住の癌の基礎研究を専門にする科学者の自由時間ブログです。

ジムでのこと

2010年06月05日 | カナダ
休日の今日は昼過ぎにジムに行ってきました。25メートルプールを30分かけて15回往復できるようになりました。8月までに何とか20回にしたいと思っていますが、年末までかかるかもしれません。あせらずあわてず着実に前進できればいいと思っています。

泳いだ後のサウナが気持ちよく、毎回楽しみにしています。今日はサウナ室に入っていくと、中国人と思しき人が一人入っていました。彼がいなくなり、私が横になって顔にタオルを当てていると、今度は二人ずれが入ってきた様子でした。目を閉じていたので彼らが見えませんでした。すぐに彼らの会話がロシア語で始まったので、今度はロシア人かウクライナ人なんだ、とわかりました。

私は大学時代にロシア語を第二外国語として取っていました。片言の会話なら少しだけ覚えています。なぜか、学生のときロシアにあこがれました。ドストエフスキーなどロシア文学もそうですが、五木寛之氏の「青年は荒野をめざす」という小説を読んで、シベリア鉄道横断にもあこがれていました。

学生時代に見たロシア映画の一シーンをいまでも覚えています。どういう物語だったかはまったく覚えていませんが、外は雪が降る厳冬のシベリアの山小屋風の家の中で、男たちがトーストをストーブで焼いて食べているのです。そしてバターをつけるのですが、こんがりと焼きあがったトーストの耳の部分の側面にバターを塗って食べているのです。

この情景を見たとき、私が感じたのは「常識というものが文化によって異なる」ということでした。バターというのはトーストの白い部分に塗るものだとばかり思っていたので、頭と鈍器で殴られたような衝撃を受けたような記憶があります。

家の帰って早速、そのバターの塗り方を試した記憶があります。そして、ロシアのトーストの味を少しでも味わってみたいという好奇心豊かだった自分が思い出されます。

映画の男たちは、貧しいからそうしていたのかもしれません。ロシア人が皆そうするとは当時でも思ってはいませんでした。

ロシア語を聞くと、いつもこの映画の一シーンのことを思い出します。今日のジムでも、30年以上も前のそのことを思い出していました。


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