宇治に居を構えて20年近く。とはいえ仕事をしているとなかなか地元の名物に触れる
機会もありません。良いチャンスなので大阪から拙宅にお客様を迎えることになった今回
宇治川の風物詩、鵜飼にお誘いすることにしました。
対鳳庵という宇治市営の茶室で御点前を戴き、宇治観光の定番平等院の庭を散策。
宇治川沿いの喫茶店で休憩して時間調整し、鵜飼見物船の船着き場に向かいます。
鵜の小屋を覗くと女性鵜匠のSさんが居たので「休みじゃないんですか?」と聞くと
「乗りますよ。」との事。どうやらお休みというのは観光協会の方の勘違いみたい。
乗船券を求める列が結構長く伸びていて思っていた以上に人気のようです。
私たちが乗るのは乗り合い船で一人1800円。時間はおよそ1時間半ですから
ちょうど封切り映画1本分ですよね。はたして値打ちがあるでしょうか?
船がゆっくり川面を滑り出すと風を感じて心地よく、日が沈んで夕闇が
濃くなると同時に鵜舟の松明に火が灯ります。鵜匠から簡単な説明があり
(鮎をはじめなんでも捕る鵜が唯一苦戦するのが鰻=鵜難儀だそうです)
電車のように2列に並んだ見物の船の間を鵜を掲げた鵜匠を乗せた
鵜舟がゆっくりと進みます。
いよいよ鵜飼スタート。紐で繋いだ5~6羽の鵜を一斉に放つと一羽また一羽と川に潜っては
数匹の魚を文字通り鵜呑みにしようとする。
もちろん鵜がおいしくゴックンしてしまっては意味がないので魚を捕った鵜は鵜匠がすばやく船上に引き上げ
「はい、吐かせます!」の掛け声とともに縛られた喉袋に指を当てて絞り上げるとその都度数匹の魚が次々と
吐き出されます。もっとも現在の鵜飼は実用というよりショーなので、収穫された魚は結局お仕事終わりの
鵜たちの晩ご飯になるそうです。
川面に映える松明の炎が幻想的でなかなか良い雰囲気でした。
鵜飼初体験の感想はなかなか楽しかったです。
10名以上集まると一艘貸し切ることができ、その場合契約している料亭のお料理を積み込んで
船上で鵜飼をみながら宴会と洒落ることもできるようです。ただし、たまたまこの時期だけかもしれませんが
1cmくらいの羽虫が大量に飛んでいて、ちょっとこの環境で食事はしたくないなあという感じで
それだけが残念でした。