Wanderers

試行錯誤のリターンズ はじめよう、ここから 日々のあれこれ・思うことなど 

あなたの心に近寄れるなら今日も明日も泣いていたい

2016-07-24 14:17:16 | 本より
飛鳥井千砂 : 女の子は、明日も。

以前に飛鳥井千砂さんの作品を読んだことがあるのですが、その時は「感動」とか「衝撃」とかそんなことは全く覚えず、何となくの日常を何となく読んだ気がしたので、コレも購入はしたもののしばらく放置していた本でした。
今回の作品も特段「感動」等は感じなかったのですが、私の環境が諸々変わったからか、いろいろと考えさせられる作品でした。

でも、考えるといっても深く突っ込まれるようなものはなくて、「そんな事もあるよね~」「そういう判断もあるよね~」とあくまでぬるく読めるような作品だと私は感じました。


嫌いじゃない。
好きかはわからないけど、ふつうに読める。

主な登場人物は学生時代の同級である女子4名。
主婦やキャリアウーマン等、みんな結婚しててそれぞれが悩みや問題を抱えているものの、どうにか自分や周りと折り合いつけたり納得しながら前に進んでいく物語。
背負ってる環境とか置かれた状況とかは一癖あったりするんだけど、登場人物はみんなキレイ。
胸の内に秘めた思いやずる賢さもあるけれど、全体的にみんな感情がキレイ。
人生、色んな選択があるし色々羨ましいよね、という参考にはなりそう。

だけど、最後まで読んだときの率直な私の感想は

「結局、みんな幸せかよ」

でした。
何かを望んでいるワケでもなかったし、この作者さんの雰囲気は分かってたはずなのに、そんな感想を抱きました。
文体は読みやすくて、どんどん読み進められるんですけどね。

20台前半の方とかが読めば、もっと憧れとか夢見れたりとかするのかもしれません。
読み手の受け取り方も大事ですね。

でもこんなこと書きながら、泣いたんですけどね。
取り戻せない時間とか、自分の中のキレイじゃない感情とか、手に入れられない幸せな情景とか、読みながら渦巻くものはたくさんありました。

  

運命だというなら手を離したくない

2016-06-05 15:30:34 | 本より
岸惠子 : わりなき恋

何となく岸惠子さんが好きで、手に取ってみたものの途中で放置していたので読み進めてみました。


「わりなき」は「理無い」の連体形で、「理無い」とは

・理屈で割り切れない関係
・道理に合わない
・どうしようもなくやりきれない
・格別

等の意味があるそうです。
こちらは恋愛モノの作品なので、理屈では割り切れないほどの深い関係、になるのでしょう。

ざっくり乱暴に言うと不倫のお話し。
だけどお酒の勢いでもその場の雰囲気に流されたのでもなく、69歳と58歳の大人な、けれど恋心が散りばめられた作品だと思います。
登場人物が裕福すぎて、待ち合わせがパリとか素敵すぎるシチュエーションだったりするのですが、それも嫌味なく読めます。
また世界史に明るくない私には、くみ取りにくい社会背景が描かれたりもするのですが、それも作品の一部としてすんなり読み進められました。

話の中心となる恋愛の話なのですが、年齢関係なく想いを通わせあえる人に巡り合えて羨ましいところ。
大人だから達観できる部分と、大人でも許せない部分。
恋って大人も子供も関係ないんだなぁと思うところでした。
もちろん引き出しの多さからいって大人の方が余裕や先見はあるのでしょうけれど、嫉妬や歯がゆさというものはまた別なのでしょう。

私はまだまだ自分本位なので、誰かの為に身を引くとか、相手の為に去るとかはできないと思います、たぶん。
でも、彼女は想いのたけをぶつけながらもサヨナラと言う、ありがとうと言うのです。
ラブレターといいつつ渡された手紙の内容は別離の言葉で、彼はそれを読み現のなかで彼女の夢を見る。
そして、何年後も彼女を忘れず思い出をたどる。

最後の10頁でこんなに苦しくなるなんて思いませんでした。

苦しいのは「私なら」という気持ちがこみあげてくるからなのかもしれませんが、私なら手を離したくない。
作中に映画「マディソン郡の橋」のラストシーンが出てくるのですが、私なら彼のもとに駆け寄りたい。
それが、後悔からくるやりきれなさだとしても、今の私はそうしたいと思ってしまう・・・

って、別な話になっちゃいましたけど、今回も心揺さぶられる作品でした。
 
 

サブエピソードにも涙しちゃって

2016-04-03 11:55:38 | 本より
買いためてる本を読もうと思って、他の単行本2冊分くらいあるなぁって小説を開いてみたら、1日で読み終えちゃいました。


鉄の骨 : 池井戸潤


ストーリーはまさしく建設業の談合がメインで、入札できるのか談合を受け入れるのか、警察の調査は?とどんどん読み進めていける作品でした。

だから、メインとは遠い終盤に数ページしか出てこないお母さんの言葉にこんなに揺さぶられるとは思ってなかったです。
彼女はこんなことを言ってました。

人生あっという間
気のすむまでやりなさい
後からやろうと思っても無理
今しか出来ないことがある

どこかで聞いたり誰もが言っていたりする言葉かもしれないけど、私にとっては『ここでこのタイミングで』というパンチのある言葉でした。

最近、ずっと晴れない気持ちで悩んでることがあるんですけど、こんな言葉の通り進めたらどんなにいいだろうと思って。
そういう風に自分で自分の道を進んでいきたい、と切に思いました。

どうしたらいいのか、どうすればいいのか分からないけど、こういう気持ちは持っていたいし、羽ばたける準備もしておきたい。
それは気持ちの上だけかもしれないけど、何もないよりは心が強くなれそうな気がします。

600頁を越える作品の2頁ほど、さらにその6行くらいかもしれないけど、この言葉に出会えただけで読んで良かったと思いました。

もちろん、メインストーリーも読みごたえがあって、現場あがりの社員が分からないなりに奮闘して他人に揉まれていくのは応援したくなりました。
仕事は建設業かもしれませんが、物語は人間関係が主体といっても良いと思うので、建設業界を知らない方でも楽しめると思います。

そしてやっぱり池井戸さん。
一筋縄ではいかないというか、面白いことを考えるというか。

色々含めて、読んで良かったです。

   

抱えてる気持ちに

2016-03-18 00:22:08 | 本より
久しぶりに本をアップしようと思います。


尾形 真理子 : 試着室で思い出したら、本気の恋だと思う


視点が主人公の女性からずれないので、気持ちに寄り添える物語でした。

時折、試着室からピューっと違う光景に飛んでしまった時、あれ?いまどこだっけ?と探ってしまうこともありましたが、全体的に読みやすくて前向きなお話。


で、私は泣きました。

ショップにお買い物にくる数人の女性の恋愛を軸にしたお話なんですけど、そのどれもに共感できたり思い当たるフシがあったり反省したり。
細やかな心の移ろいをくどくなく、だからといってサラっとしすぎない感じで書かれているから、ストンと入ってくるものもありました。

幸せになりたい
幸せになってほしい

物語のキャストになのか、私自身になのかはわからないけど、読みながらそうも思いました。

好きなだけなのに好きだけじゃ進めないことがあって。
でも、ここに出てくる女性たちは、店員さんのアドバイスや服をきっかけに一歩前に踏み出そうとする。
結果はわからないけど、気持ちを新たにできる場所。

私の気持ちも新たにしてくれた気がします。

読み返したいかはわからないけど、思い出したいページがある、私にとってそんな本です。

中学生の頃って何考えてたっけ

2014-10-16 00:03:45 | 本より
ブログ内整理でもしようと思ってチャカチャカしてたら、未投稿記事が出てきた
2013年8月って

迷うけど、勿体ないからUPしてもいい?

いいとも とか自分で言ってみる、それでは以下から。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


中村 航:あのとき始まったことのすべて

中村さんの本が好きです。
サクっと読めるのに、クスっと笑えたりボロボロ泣いたり。
一気に読めちゃうところがあります。

ところが、こちらの作品。
途中まで読んで、一旦手を止めてしまいました。
なんだろう、その時の気分じゃなかったといえばそれまでなんだけど、あの不思議な物語が出てきた時点で「何かムリ」って思っちゃったんですよね。

それでも、しばらくしてまた読み進めて、無事読破したんですけど。
読まないままでいたら、きっとウルトラマン量産型は知らないままでした ←なんのこっちゃ
今の時代こそ、あのエースの言葉が必要なのかもしれません ←だからなんのこっちゃ

うん、こういう小ネタというか本編にあんまり関係ないようなところが私は好みなんだろうな。
違う作品ですが、今でも「ドラえもん」がでてきた件とか楽しくて覚えてるもん。

それにしてもそれにしても。
結末は書きませんけどもね。
まぁ、あるっちゃありだし、ありがちだし。
これ以上書くと白黒わかっちゃいそうなんで書きませんが。

途中で挫折しかけたけど、やっぱり読んでみると中村さんの作品は面白いし。
読み終わることが出来て良かったです


  

読んだもの2

2013-11-25 00:19:58 | 本より
自分のために既読本アップ2

平山瑞穂:あの日の僕らにさよなら
有川 浩:シアター!
有川 浩:シアター!2


「あの日の僕らにさよなら」は、平積みされてた文庫に「昔の恋人に電話したくなる」風な帯が付いてたんですよ。
その帯に魅かれて手に取ったというワケなんですけど。
結果としては、う~ん・・・というか。
いやいや電話なんてしないでしょ、と。

ちょっとね、寄り添いどころがなかったのね、キャラに。
冒頭から結構な設定で入っていくからさ、そこからどうにか発展するのかそれともそこに至るまでが書かれるのかと思ってたら、だいぶ昔に遡っちゃって。
しかも遡った彼女には、申し訳ないけど単なる独りよがりなワガママな印象しか持てなくてね。

なんだろう、私が疲れちゃってたからマイナスな事しか言えないのかしら。

でもまぁ、読みはしたけど共感はもてませんでした、というところです。
帯に踊らされた感がありました。
ラストがちょっとだけ救いでしたけどね。


有川さんの作品ですが、こちらは元々が好きな作家さんなのでね。
うん ←
それでもこの「シアター」シリーズは手に取るのを何年もためらっていたものでした。
貧乏劇団って何だろう、本当に面白いのかなって。
好きな作家さんなのに読んで面白くなかったらショックじゃないですか。
そんな気持ちを持ちつつ、でもやっぱり読んでみたいところもあって読んでみたら、ちゃんと面白かったです。
「シアター!」を読み終えてすぐに「2」を買いに行ったくらいは面白かったです。
私も仕事してますし、仕事に厳しい人は好きなので、このお兄ちゃんにかなり共感できたのが大きかったな。
まだ終わっていないので、続きが出るのを楽しみにしています。

こんな贔屓目たっぷりな感想でごめんなさい。


読んだもの

2013-11-24 22:37:27 | 本より
自分のために既読本アップ。

飛鳥井千砂:海を見に行こう
沢木まひろ:ビター・スウィート・ビター
今野 敏  :逆風の街―横浜みなとみらい署暴力犯係


失礼な感想を書きますので先に謝っておきます。すみません。

今野さんの作品は安積班シリーズが好きで読んでたから、久しぶりって感じでした。
読みやすい。

読みやすいって感想もどうなんだって感じですけど。

海を見に行こうとビタ~の方は、ただ読んだなぁって感じ ←コラ
ファンの方には申し訳ないのですが、ジャケ買いしただけですので多めに見てください。
ちゃんと全部読んだんですけど、止められないとまらないって感じではなく、たんたんと読んだ感じでした。
グッときたところもあった気はするんだけど、それがどこかを確かめるために読み返すまではないかなって。

海を~の方は、主人公の甘さにイラっとしたのもあるんだけど。

誰かが殺されたりってのを避けるために恋愛モノに手を出してたりするんだけど、何でもいいってワケじゃないのね、って改めて実感。
この2作品が苦手ってわけではないのだけれど、面白く読み進められるのとはまた別なんだよね。

ネガティブ思考中でごめんなさい。


夏の間に読んだもの

2013-09-01 09:04:04 | 本より
時計回りで

三上 延  :ビブリア古書堂の事件手帖
越谷オサム:陽だまりの彼女
有川 浩  :キケン
有川 浩  :植物図鑑
百田 尚樹:永遠の0

通勤中に本を読むようになったら、あっという間に読破したものが溜まっていきます。
そんなに通勤時間は長くないんですけどね。
途中が気になって家で読んだりもするからでしょうけど。

一気に5冊アップしちゃうので、サクっと紹介。

まずはビブリアですが、こちらはドラマにもなっていたようなので、もうたくさんの方が知ってらっしゃいますよね。私は見てなかったけど。
もう4巻目だし。
これまでうっすらとしか見えてこなかった母親が、ついに登場
謎解きは相変わらず読んでてもわからないので、栞子さんが解決してくれるのを「へぇ~」と思いながら読んでました。
天然というか不思議ちゃんな栞子さん。
大輔さんが報われるのか、気になりますね。


松本さんで映画化になるということなので、陽だまりの彼女も手にとってみました。
「男子に読んでもらいたい№1」とかいう帯がついてた気がしたけど、それが女子の意見ということでしたら、私は女子的じゃないんだろうなー。
読んでも良いだろうし面白いけど、男子に「是非」と勧めるかと言われると勧めないだろうな、と思って。
女子が読んでメルヘンになれる物語かと。
最後にでてくるパパとママの会話に涙しました。


図書館戦争が面白すぎたので、有川さんの作品を漁って2冊読破しました。
まずはキケンですが、こちらは「やんちゃな大学生が捕まらない程度に面白いことをする」という話しでOKなのかな?
警察がでてくる、とか物騒な話しではないですよ。
こんな大学生活がおくれてたら、毎日楽しかっただろうなぁと思って。
友達とか友情とか、色んなことに涙するラストでした。

植物図鑑の方は、まず「ありえない始まり」からして小説チックというか、うらやましいお話 ←こっちが本音か
でも、有川さんの凄いところは“ありえない”んだけど、ちゃんと日常から浮かないというか非現実を感じさせないところだと思います。
この作品なんて、所帯じみてるところもあるしね(悪口ではない)


最後に永遠の0ですが、とうとう今更読んじゃいました。
まだ横浜に来る前から、本屋さんに平積みにしてあって気になっていたものの、戦争ものが得意ではないし分厚いしで、気後れしてたんですよね。
でも岡田くんで映画化されるし、知り合いが号泣したってオススメしてくれたので読んでみました。どうやって映画にするんだろうって読んでた人が言ってたのも気になったし。
で、読んでみると同じことを思いました。
スケール半端ないのに、どうやって映画化してんだろう、と。
内容はゼロ戦搭乗のお話しなので、全体的というかまんま戦争のお話し。
なのにあんまり暗すぎないのは、作品のもつ力か主人公が生きることを諦めないからか。
涙なくして読めない、読んで良かったと思える作品でした。

さ、この調子で買いだめしてる本にも手を付けてみようかな



読破

2013-06-30 18:56:33 | 本より
図書館戦争、とうとう全シリーズ読み終わっちゃいました。
まだ読みたくて、読み終わるのがもったいなくて、読み進めるのが楽しいような寂しいような。
久しぶりにこんな入れ込んだ作品に出会ったなぁって感じ。

有川さんの作品との出会いはレインツリーでしたが、その作品がこちらの作中に出てきたのも嬉しかったです。
最初から聴力がない人と、途中で聴力を失った人と。
まだ違いを覚えてられたのは、あの作品にすごく感動したからだと思います。

本編も好きだけど、別冊も楽しく読めたのは、やっぱり有川さんのラブが好きだからかな。
「クジラの彼」も「ラブコメ今昔 」も一気に読んだのを思い出します。

今回の図書館シリーズは、先に映画を観たおかげで、登場人物が全て俳優さんで動いてくれるという特典(?)付きでした。

もう、堂上篤は岡田くんだし、映画を観たときは若干の違和感を覚えた(ごめん)小牧も、ばっちり田中くんでした。
もう玄田さんなんてそのままで。

どの作品の影響なのか、石坂浩二さんはどうも一筋縄でいかないイメージがあったので(魔王か?)、映画の時にはホントに正義なのか途中まで不安だったのですが、本を読むともう稲嶺司令は石坂浩二にしか見えなくって。
別冊最後に「妻のお迎えを楽しみに待てる」って件があるんですけど、なんかそこで泣いちゃいました。
あとは楽しいことしか待ってないって。
凄い人だなって、素直に思えました。
上手く言えないけど、やることやって、やり残したことはないってことで、妻はいい頃合いで迎えに来てくれると思ってて。そしてそれを楽しみだと待てるその強さ。
凄いなぁと、素直に思いました。

舞台が図書館なので、図書館を利用しない割りに活字が好きな私にはそう遠くもないストーリーで、文字を選ぶという難しさを少しだけ垣間見ることができた気もします。
キャラがそれぞれ個性的なのもステキで、本編の中に挟みこまれる友情も愛情も美味しく頂けました。欲を言えばそこをもうちょっとっていう私みたいな人には、そのおかわりが別冊なのでしょうね。

読み進めてるこの数日、楽しかったです。
横浜に来て、出勤の移動中にも引っ張り出して読んだのは、コレが初めてでした。
楽しみをありがとう。
岡田くんの図書館戦争、DVD化したらぜひ手に入れたい!

影響

2013-06-13 22:15:34 | 本より
もう、映画の影響をモロに受けて買ってしまいました。

図書館戦争

映画を見たので、だいたいのあらすじと結果は分かってるんだけど、買わずにはいられませんでした。

きっとそれでも面白いはず。
有川さんを信じてる。

あのあと、岡田くんとななちゃんはどうなったのかなぁ~って気になってるのも、購入に至る原因ではありますけどね。
なので、3冊一気買い。

積読…というか、本屋ぶらりがストレス解消になっちゃってるものだから、未読の本が溜まる…

本に申し訳ないなぁ。
図書館戦争も読みたいけど、読みかけの2冊もどうにかしなきゃ(読めばいいのだ)