横浜北部 障害児者支援 NPO法人 みどり福祉ホーム

横浜北部で重度重複障害者の日中活動、障害児者の生活支援、セイフティーネット構築を行っています。

コロナの時代の愛

2020-04-27 10:36:30 | 日記
「コレラの時代の愛」というコロンビアの作家が書いた本があって
ずいぶん昔買ったけれどまだ読んでませんでした
その作家はマジックレアリズムという手法で有名で
(空から年寄りの天使が落ちてくるとか)
コレラね、って思ってました
夢のような話だと

みどり福祉ホームは
重い障害のある若者たちが日々通ってくるところです
緊急事態宣言を受けても
横浜市は
障害のある方が通う日中活動と一時ケアを含む生活支援事業の
事業継続の要請を出しています
みどり福祉ホームは理事長や理事の意見を聞き職員と話し合い
今も
日中活動と生活支援事業をおこなっています
障害のある方は自宅やグループホームに住まわれていて、ご家族の方は悩みに悩まれて、
結果的にみどり福祉ホームへの登所をおやめになっている方も大勢います
スタッフもご家族の健康や不安や養育などの事情で出勤できない方も増えてきました

みどり福祉ホームは
長年、地域に住む障害のある方とその家族に寄り添い
地域への窓口となることを仕事としてきました
色々な方たちと混じり合い、多様性をできるだけ認め、些細な雑談を繰り返しそこから隠された課題に気付きアプローチしてきました
しんどい時こそ懸命に支え踏ん張るべきだと信じてきました
今思えばシンプルです、牧歌的と言ってもいいくらいに

障害のある方の命を守るため
通所事業所としてできるだけ登所を自粛するよう
法人として意思を表明したところの話しも身近でいくつか聞いています

通所の継続を求めた横浜市の方針を積極的に支持しようという意見も聞こえてきます。
家庭で長時間過ごすことが困難な障害のある方や家族、グループホームの体制を考えれば、もっともな意見です

本来は利用者の皆さんやご家族の方と直接お話しし微妙なニュアンスのようなものを感じ取らなければならないのですがそれも適わない状況です

私たちが信じていた正しさのようなものが揺り動かされている感じがしています

マジックレアリズムは、先進国の常識からいえばマジックだけど、そもそも日常なんだという話しを読んだことがあります

ノーマルってなんなんだ
障害っていったい

新型コロナウィルスの恐ろしさは
立場や環境や住んでいるところによって受け止め方が大きく変わるところなのかもしれません
それぞれの痛みや恐れや不安や場合によっては楽観を
それぞれが心の底からは理解できないことなのかもしれません

今は日々に追われ全く思考が追いついていないのですが
障害のある方を支える仕事という在り方を
地震や自然災害に加え感染症があっても事業をどのように継続するかという
BCPの視点から考え直さなければならないのかもしれません
新しい形の支援とはコミュニケーションとは

新型コロナウィルス感染症により命を落とした人にその周りにいて後悔や怒りや無力感に苛まれている人たちに今も命の危機におびえている人たちに
発熱や体調不良で寝込み検査もなんの理由か受けられず疑心暗鬼に押しつぶされそうな人たちに
職責とプライドと使命感となにより目の前にいる患者や利用者のためにもしかしたら感染リスクがあるかもしれない職場に通い続けている医療関係者に私たち介護職職員に
みんなに愛されてきた大事な大事なお店のなかで呆然として帳簿を眺めている経営者のみなさまに
なにが正解分からずのたうち回りながら一つ一つ決断をし日々アップデートし反省し修正しそれでも毎朝職場のカギを開けるため朝コーヒーをすする所長(施設長)という生き物に

愛を

取り敢えず愛を

その後に必要な支援を(多分、お金やマスクや消毒液、柔軟な制度の運用)
私たちにできることを
行政を突き動かすことを

こんな時にこそ敢えて
多様性の大事さを
徹底的な想像力を