横浜北部 障害児者支援 NPO法人 みどり福祉ホーム

横浜北部で重度重複障害者の日中活動、障害児者の生活支援、セイフティーネット構築を行っています。

自分のことは自分で決める

2020-08-13 10:43:44 | 日記
自分のことは自分で決めたい
自分のことぐらい自分で決めるし
マジで言ってる?

自己決定支援とか本人主体とかいうワードが
私たちの業界では飛び交っています

これ相当難しいことです
(だからといって最初からあきらめちゃうとか更々やる気もないとかいうわけではなく)

みどり福祉ホームに毎日通って来ている障害のある若者の
70パーセント以上は言語でコミュニケーションをとることが難しく
90パーセント以上は知的障害があると言われています

私たち職員は言葉だったり、文字だったり、ボディアクションだったり、写真だったり、映像だったり、色々な手段で障害のある彼らに意思を伝えようとするのです

障害のある彼らは、言葉や、発声や、機嫌や、顔の表情や、全身の緊張や、バイタルや、(もしかして発作や)、ありとあらゆる手段で(きっと信頼できる)私たちに、伝えたいことをアピールしてくれているのです

例えば知的障害と身体障害がある脳性麻痺の女性が、マットの上で全身を緊張させ、声を張り上げ、顔に不快の表情を浮かべ、眼で私の顔を追ってくれているとき、私は足を止め、彼女に声を掛け(名前を呼んだり、どうしたのと聞いたり、昨日夕ご飯なに食べたの俺鯖缶のパスタとか)、体を触り(熱がないかどうか、汗をかいてないかどうか、末端が冷えてないか)、時には抱っこをして体をやさしく揺さぶり、手遊びをしてみたり、女性職員に直近のオムツ交換の時間を聞いたりオムツが濡れていないか確かめるよう頼んだり、車椅子に乗せてみたり、部屋で流れる音楽を変えてみたり、車椅子のまま散歩に出てみたり(人がいない涼しく静かな場所に行ってみたり)、水分補給に冷たい麦茶を飲ませてみたり、私でない支援者に彼女の対応をかわってもらったり(違う勘違いするなお前じゃないと言われているのかもしれないので)、バイタルを測ったり、場合によっては嘱託医や家族に電話で相談してみたり

私は、障害者支援に関わる職員の大事な資質の一つは、資格でも学歴でもなく、データや経験をもとに、いかに思い込みに陥らず、様々なアプローチを思いつき、チャレンジする、手数と質だと思っているのです

私はものすごく難しく高度の仕事だと思っているのですが
私たちの職場では普通の話しです
誰もが当たり前にやっていることです
無数のコミュニケーションと無数のチャレンジ、無数の失敗と無数の解決(もちろんいくつかの未解決と、研修、ケースカンファレンス)

障害のある方の安心や笑顔は
そのチャレンジの成果とアプローチの適切さ(丁寧さ)への信頼なのかもしれません(互いの成功体験)

知的障害がある青年のコカ・コーラ問題も
なかなか味があり何年も解決に至らない
まさに自己決定支援とか本人主体とか失敗する自由とかに絡む
ケースなのですが
その話しはまた次回

最近、自己決定支援とか本人主体とかを考えるうえでヒントになりそうなものを観たり聞いたりしたので紹介したいと思います

1つ目
大阪のパワフルな自立支援センターのドキュメンタリー
新米ヘルパー(ミュージシャン!)がかなり怪しげなアプリで女の子と会話してる知的障害のある青年の会話を聞いて、「お前、すげえ会話雑、練習必要だな!」とか言っているシーン。その後新米ヘルパーが、事務所で車椅子の強面社長に「オレ、ヘルパーなのに、あんな言い方して、越権かなって」反省して社長に慰められ励まされる。みどり福祉ホームおじさん所長、びっくらぽんなエピソード満載。オンラインでも観られるそうなので、是非! 横浜の障害福祉の周回遅れのガラパゴスっ振りに思いを馳せることも可。

2つ目
というラジオみたいなもの
みどり福祉ホーム所長の友人映画監督でてんかん当事者の和島君が作っています
当事者の声を聞かせてもらう貴重な機会、というか、単純に青春群像とか深夜ラジオのノリで聞けるんじゃないかと
とにかくパーソナリティーの和島君男前
てんかんの方のてんかん発生時の映像の使用権の話し
みどり福祉ホームでもてんかんのある利用者のてんかん発生時の映像を援助者全員で共有すべきかどうか所長の私が職員会議で議題にのせました
「てんかん」という病名の変更問題の和島君の問題定義や
医師や協会にも真っ向勝負する姿勢
みどり福祉ホーム所長として常に背筋を伸ばさせてもらえる存在です

そもそも
スマホゲーム大好き夜更かし勝ち職員や、高血圧の薬飲み飲みビールを何時に飲みだすことが出来るかだけを毎日考えている所長が
自己決定支援とか当事者主体だとか
真面目な顔して正しさや保身や医療の見解だとか本人が参加してない会議で
あーだこーだ
大体健常者って言われてる、同じ職場の職員や自分の家の妻や息子がなに言ってなに考えてるかなんて大抵わからないくせして
自分や法人がこれからどうやっていくか、一つ一つの判断に右往左往、迷って反省して、ビール飲んで寝て、また、朝起きてココロ強く持って職場へ、自転車で

自分のことは自分で決めたい
自分のことぐらい自分で決めるし
マジで言ってる?
















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