横浜北部 障害児者支援 NPO法人 みどり福祉ホーム

横浜北部で重度重複障害者の日中活動、障害児者の生活支援、セイフティーネット構築を行っています。

障害者支援をとおして被災地の現状と課題を知る

2016-02-26 10:36:02 | 日記
「東日本大震災 災害シンポジウム
 障害者支援をとおして被災地の現状と課題を知る
 ~災害時に備えた地域での取り組み~」
が3月23日(水)桜木町で開催されます

みどり福祉ホーム所長も事務局の片隅にいるTEAM3ががっちり関わっています
東北で被災した障害者事業所の方
横浜で障害のある方たちが参加できる防災訓練を実践している方々
刺激的で考えさせられる話が聞けること請け合い
お薦め企画です
手前味噌ながら
チラシ・申込用紙 ダウンロードできます


重症心身障害者

2016-02-24 13:42:46 | 日記
聞き慣れない言葉かもしれません
昔はよく「重心(じゅうしん)」といわれたりしてました
みどり福祉ホームは
生活介護という日中活動を行っていて
18名の利用者がほぼ毎日通ってきています
(正確にいうとほとんどの方はみどり福祉ホームの送迎車に乗って登所してきます)
18名の利用者のほとんどは重症心身障害者です
重症心身障害者に明確な定義はないのですが
重度の肢体不自由と重度の知的障害が重複してある大人の方たちを言います
難しい話しをすれば大島分類の1~4とかなんとかもあるのですが
ここでは省略します
当たり前の話しですが
驚く方もいるかもしれませんが
彼らは、みな若くて、元気で、
感情があふれるばかりに豊かで(笑ったり、怒ったり、不機嫌になったり、はしゃいだりということです)
歩いたり、おしゃべりしたり(文字盤を使ったりして)する人もいます
みどり福祉ホームにパン屋が来るたび財布を首から下げ車椅子を操作し部屋から飛び出す人もいます
お酒をたしなむ方もいるみたいだし、公共ギャンブルに興味津々の方もいます
彼らは、ほとんどが家族と一緒に生まれ育った家に住んでいて
何人かは近くの社会福祉法人が運営しているグループホームに住んでいます
重症心身障害者の中でも特に障害が重く日常的に医療的ケアの必要な方を
(大島分類の1の中でも特に重い方を)
超重心と言ったりします
超重心の方は呼吸や栄養を摂ることが困難です
みどり福祉ホームと仲良しの
みどりの家やつづきの家には多くの超重心の方が通っています
彼らも(私の知っている限りでは)感情豊かで多様な価値観を持っています
つまりは
障害があっても
障害が重くても
障害による困難さはもちろんあるけれど
人間としては違いよりも当たり前だけど似ているところの方が多いということです
みどり福祉ホームは今のところ超重心といわれる方との直接のお付き合いはなく
活動中常に看護師がいるという体制にもありません

なぜ
こんな話しを突然しはじめたかというと


横浜市では、高校に通っている
障害のある方たちの
卒業後の進路が
大きな課題として取り上げられているのです
今まで一部の法人が運営する日中活動の施設(中には診療所を併設する施設もあります)
がほとんどの重症心身障害児を受け入れてきました
ところが多くの施設が定員一杯となり、受け入れが困難なところが出てきたのです
(それでもほとんどの施設は社会的役割のため歯を食いしばって受け入れ続けています。
 しかし、それぞれの法人の努力にだけ頼るのはもう限界なのかもしれません)
特に医療的ケアの必要な障害のある方の日中活動の場の問題は深刻です
かくいう
みどり福祉ホームも
今年度は新規の利用者を受け入れていませんし
今度の4月にも新しい仲間を迎え入れる予定はありません
本当に残念ながら

加えて
各区に大体1つある機能強化型の活動ホームの集まりでは
利用者の高齢化により医療的ケアが必要になったり
これから新たに重症心身障害者の受け入れを始めるなどという話題も上がっています
(先日行われた機能強化型の展望に関する検討会では医療的ケアの話題だけでなく
強度行動障害の受け入れの話し、機能強化型の在り方についてなど幅広い議論がありました
雰囲気についてはこちらのブログやこちらのブログを)

若くて感情豊かな18歳の男の子や女の子が
高校を卒業した後
重い障害があるという理由だけで
社会との接点を失い
自宅でまだまだ若い親御さんとだけの生活を送らざるを得ない事態
(親御さんのうちの一人は仕事を続けることも難しくなるだろうし、
 ちょっとした買い物に行くのにも困難を感じるかもしれない)
をどうやったら防ぐことができるか
みどり福祉ホームをはじめとする事業所はもちろんのこと
行政の人も、色々な人も
自戒も込めて
今、真剣に考え、動かなければならないのです

そしてなにより
しつこいようだけど
私は
重症心身障害者の方々の当たり前で豊かな世界を
もっともっと多くの人たちに知ってもらいたいと考えているのです