【週刊ゲーム市場分析】VITA「初音ミク」が初週15万本、ヒット作は生まれながらもハードが伸びない理由は?

2012年09月09日 | 団長は断腸の思い
ゲームソフトの週間販売本数からゲーム市場を分析する記事の第61回。
毎週のゲームソフトの販売本数を予想するYSO3の参加型企画「Y1」もよそしく!

→ファミ通TOP30(ファミ通.com掲載データはログが残らないため、YSO3のメインBBSにコピペ)
※前作データ等はすべてゲームデータ博物館様(ファミ通データ)より転載。


■「初音ミク -プロジェクト ディーヴァ- f」はVITA用ソフトで最高の初週本数に

今回の首位は「初音ミク -プロジェクト ディーヴァ- f」(15.8万本)。VITA用ソフトとしては「ペルソナ4 ザ・ゴールデン」(初週15.2万本)を抜いて最高の初週本数となっている。また週間販売台数は2012年のVITAでは1位となる4.7万台を記録した。


※「初音ミク~」のダウンロード版はパッケージ版の1割程度という関係者による情報アリ。


■ヒット作は生まれながらもVITAの販売が伸びない理由は?

「初音ミク~」と「ペルソナ~」はともにPSPで発売されていたシリーズの最新作。ここでPSP時代と販売実績を比較してみた。





ともにPSP時代と遜色のない販売実績を上げていることが分かる。

また、この週でVITA発売から38週となるが、PSP本体発売から38週経過時点の初週本数TOP5も調べてみた。



PSP発売から38週時点では初週10万本以上を販売するタイトルがひとつもなく、現在のVITAよりもさらに「ソフト不足」だったことが分かる。

しかしPSPとVITAの販売推移を比較すると、PSPは38週目までに累計167.7万台だったのに対し、VITAは累計90.6万台であり、半分程度でしかない。



VITAは「ソフト不足」でハードが売れないとよく言われるが、比較対象をPSPとした場合、それは間違った理由づけなのかもしれない。

VITAが発売から38週時点でPSPより劣っている点をひとつ挙げるとすれば、その「将来性」だろう。試しに発売日が確定しているVITA用ソフトで、PSP時代に累計10万本以上の販売実績があるタイトルを並べてみた。



以上の5タイトルのみ。発売日が確定していない有力タイトルをみても、HDリマスターの「ファイナルファンタジーX」が顔を出すくらいだ。同じように移植中心ながら、PS2で成功した有力シリーズがラインナップされていた初期のPSPと比較すると、明らかに貧弱な「将来性」となっている。

50万本や100万本売れるような有力作をすぐに用意するのは難しい。まずはサードパーティと連携し、開発中の有力タイトルの情報を積極的に公開し、「将来性」を示していくことが重要ではなかろうか。


【関連記事】
【週刊ゲーム市場分析】化物語ポータブルがアニメディスクのような“化物”級の販売にならなかった理由は?
【週刊ゲーム市場分析】3DS「鬼トレ」は発売4週で12万本、“実用・学習系”ソフト市場の今は?
【週刊ゲーム市場分析】3DS「New スーパーマリオブラザーズ2」は前作の半分程度の動き、今後の販売推移は?
【週刊ゲーム市場分析】10年計画「ドラクエX オンライン」が始動、「FF11」に続く成功となるか?
【週刊ゲーム市場分析】3DS「ドラクエモンスターズ3D」が、リメイクでは13タイトル目の初週50万本突破
【週刊ゲーム市場分析】PS3「ドラゴンズドグマ」、オリジナルタイトルとしては10年ぶりに初週30万本を突破
【週刊ゲーム市場分析】“過去最速”で普及中の3DS、DSの後継機として真価が問われる「600万台以降」
【週刊ゲーム市場分析】「STARHAWK」は2012年発売の“洋ゲー”としては2位の出足だが・・?
【週刊ゲーム市場分析】「マリオパーティ9」「バイオORC」等、GW期間の販売データを振り返る。
【週刊ゲーム市場分析】「ファイアーエムブレム」が携帯機向け最高の出足、存在感の薄れる据え置き機版