【週刊ゲーム市場分析】新市場を獲得し、1ハード依存のリスクを分散し成長を続ける「モンスターハンター」

2012年09月16日 | 団長は断腸の思い
ゲームソフトの週間販売本数からゲーム市場を分析する記事の第62回。
毎週のゲームソフトの販売本数を予想するYSO3の参加型企画「Y1」もよそしく!

→ファミ通TOP30(ファミ通.com掲載データはログが残らないため、YSO3のメインBBSにコピペ)
※前作データ等はすべてゲームデータ博物館様(ファミ通データ)より転載。
※年間販売本数データはGEIMIN.NET様よりお借りし、独自集計。


■閑散期のランキング、新作首位は「ロストヒーローズ」

今回は夏休み明けで発売タイトルの乏しい閑散期のランキングということもあり、首位は「New スーパーマリオブラザーズ2」(週間3.6万本、累計110.5万本)が返り咲き。

新作では「ロストヒーローズ」が2機種で4.6万本(3DS版3.0万本、PSP版1.5万本)と、近年発売の「コンパチヒーローズ」シリーズとしては「グレイトバトル フルブラスト」(PSP版のみ、初週2.4万本)を上回るスタートを切っている。同シリーズは今後、3DS版でも積極的に展開していくことになるのかもしれない。


■新たな市場を獲得し、1ハード依存のリスクを分散しつつ成長を続ける「モンスターハンター」

今週のトピックスといえば、なんといってもWii Uに関する情報だろう。中でも本体と同時に「モンスターハンター3(トライ)G HD ver.」が発売されることは、3DS本体の販売を「モンスターハンター3(トライ)G」が大きく牽引していることを考えると、かなりのプラス材料と言えそうだ。

ここで以前に掲載した、「モンスターハンター」シリーズの機種別販売本数のグラフを更新してみた。


※2012年の数値は9月までの実数+12月末までの推定値
※「アイルー」シリーズは含まず

2012年は「モンスターハンター」シリーズに有力な新作がなく、2006年以来6年ぶりに年間100万本を割り込むかと思われたが、今回の「MH3GHD」の発表で回避された格好だ。

グラフを見ても分かる通り、3DSで「MH3G」が発売されるまでは、同シリーズの販売はほとんどがPSP版だった。そのことを考えても、目の前の販売だけを考えれば、PSPにシリーズ最新作を投入するのが一番よかったかもしれない。しかし起こり始めているPSP市場の縮小、そして後継であるPS VITA市場の先がまだ見えないことを考えると、メーカーとして新たな市場を求めるのは当然のことだろう。

2013年は3DS「モンスターハンター4」の発売を控え、MH3Gを上回る200万本以上の販売が期待される。その後は400万本超の実績を持つ「MHP」シリーズの最新作も投入されると考えられる。「モンスターハンター」シリーズは、新ハードで新たなユーザーを獲得し、そして1ハードに依存というリスクを分散しつつ、今後も成長を続けることができそうだ。


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