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「メモリー・キーパーの娘」

2009-09-05 | 映画「ま」行
1964年のある大雪の夜、医師デイヴィッド(ダーモット・マローニー)は我が子を
自らの手で取り上げた。生まれたのは男女の双子。ある理由により一人の赤ん坊を
看護師キャロライン(エミリー・ワトソン)に施設に連れて行くように頼み、妻には死産
だったと告げた。しかしその看護師は、デイヴィッドに黙ってその赤ん坊をわが子として
育てる決意をするが・・・。


口コミで広がったといわれる、全米500万部突破の話題作、
キム・エドワーズ著の「メモリー・キーパーの娘」の映画化。
その原作の方は未読です。

医師デイヴィッドと妻ノラ(グレッチェン・モル)夫妻の家族と、
キャロラインの家族、この2つの家族の約25年を、数年おきに交互に
描き出しながらお話が進んでいきました。
全ての始まりは1つの嘘。人生に“たられば”は付きものですが
(過ぎ去ってから、それを言っても無駄なんですが)、もしもあの時
嘘をつかなかったら、もしもあの時一足違いにならなかったら・・と、
そういうことを考えてしまう作品でした。

上記あらすじには“ある理由で一人の赤ちゃんを看護婦に預け・・”と
書いてありますが、デヴィッドとノラの間に生まれた双子、
男の子と女の子のうち、女の子の方がダウン症だった・・だから一人は
死産だったからと妻に告げ、男の子ポールだけを自分たちの子供として育てる。
そして施設に預けるようにデヴィッドに言われた、ダウン症の女の赤ちゃんを
連れて雪の中を出て行った看護師キャロライン。
でも、預けられなかった・・・。あまりにもその施設が酷くて。

設定された年代が古く、彼らが生まれたのが1964年ということだったので、
この映画のような施設もあったのかもしれませんが、あれはあまりにも酷い!
あれを観たら、誰だってあんなところに生まれたばかりの赤ちゃんをおいて
来れないでしょ、というものでした。
雪が降り積もる中、赤ちゃんを連れたキャロラインが困っているときに
出会ったのが、心優しい男性で本当に良かった。その男性とキャロラインと
生まれたばかりの女の赤ちゃん、フィービーは家族として暮し始めます。

2つの家族、悲喜こもごも。でも、デヴィッドの心にはいつも重いものが・・。
彼には幼い頃の悲しい記憶があり、どうしてもダウン症の子供を育てる
自信がなかったんですが、やっぱりこんな嘘をついてしまっては、
一生心穏やかに過ごすことは出来ないですよね~。
妻ノラも、いつまで経っても死産だった女の子のことが忘れられず、
その時々に、あ~生きていたらこんな風に大きくなってたんだろうなぁ~・・
という風に周りの風景を見てしまう。子供を亡くすということは、
誰にとっても本当に辛いことなんですよね。
でも、娘フィービーは実は生きてるわけですが。

一見裕福で幸せそうな美男美女の可愛い息子を持つ夫婦の家庭。
そして障害のある子供を育てる血の繋がっていない3人で家族として暮す家庭。
別々に育ったこの兄妹の双子が、もつれた糸を探るようにして、微妙に
絡み合っていく。どんなラストになるんだろう?と引き込まれて見入りました。

ただやはりこれはテレビ映画とのことで、音楽がいただけなかったです。
やっぱり映画の音楽って大切なんだなぁ、せっかくの場面を活かすも殺すも
音楽ってとても重要なんだなぁって改めて思いましたわ。

障害を持って生まれてくると言うことは、本人にも家族にも、決して
不幸なことだけではない、障害があっても本人も家族も楽しい生活を送ることが
出来るんだ、というメッセージがあったように思います。
きっと原作の方が、そのあたりしっかり描いてあるんだろうなぁと思いました。
この映画だと、90分の駆け足で25年間を描いてあったので、どうしても
もうちょっと知りたい、もうちょっと心情を描いて欲しいというところが
出てきましたので。

上記にもちょっと書いたように、もしもデヴィッドがフィービーを
手放さなかったら、どんな風になっていたんだろう?と考えずには
いられませんでした。相手の為を思ってつく嘘。だけど嘘は嘘。
虚構の上にある幸せは、本当の幸せとは言えないんだよなぁって
つくづく思いました。
でも、ラストにとても良いシーンが待ってたので救われました。

個人的お気に入り度3.5/5

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1 コメント

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良い映画でしたね。 (蒼い影)
2010-06-30 02:43:27
 久しぶりに良い映画を観ました。しばらく観る機会がなくて、ふっと観た作品でした。以前「トランス・アメリカ」という作品も、観ないで埋もれさせていた映画でしたが、もったいない事をしたものだと感じてしまいます。

 「ミス・ポター」にも出演していたエミリー・ワトソンが好演していますね。ダウン症という障害をもって生まれた子供を、自分の子として育て上げるという、心温まる映画でした。

 裕福な医師の家庭に生まれながら、障害児として生まれたため、実母を知らずに育った娘だったが、優しい母キャロラインにすべての愛を注いでもらう、という筋立てが心温まります。
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