窓から。
27歳、Mさんの机には、持ち主不明の品物が毎日運ばれてくる。
イヤリング、時計、指輪、日に30点ほど。
いずれも貴重品ばかり。
ルーペを使い特徴を見て、パソコンに入力する。
~ここまで読んで、何の仕事?わかる人いる?
システムに登録された数百万件の遺失物データと一致すれば
持ち主に返すことができる。
黒い一眼レフカメラが届いた。
5日前、新幹線で拾った、とある。
検索したが見つからない。
再生を押すと、生後間もない赤ちゃんが映った。
目を閉じ、あくび。
母の姿もあった。
背後に看板が映り込み、病院名が書かれていて、調べると
九州の病院だった。
さらに見ると、家に帰った写真、毛布に小さい字が刺繍されていた!
名前だった。
病院に連絡し、心当たりの家族がいれば、電話をと言った。
数日後、昼休みに呼ばれて受付へいくと、ベビーカーを押した女性がいた。
お礼がいいたくて~
赤ちゃんの母だった。
九州に里帰り出産、新幹線でカメラをなくした。
データはここしかなかったので、直接お礼を言いたくてきたという。
小さなヒントも見逃さない。
Mさんは、胸をなでおろした。
都内、警視庁遺失物センター。
Mさんは、今日も誰かの手がかりを探している。
こういう仕事が、警視庁にあると知った。
初め、何の仕事?と思いつつ、探偵みたい?
地味、コツコツと調べる作業が続く。
捜査と似ているかもしれない。
赤ちゃんの写真、無事に戻ってよかった。
初めての写真かもしれないな~
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