かけそばMMA

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ここがすごいよウィル・ブルックス

2014年11月16日 | UFC

ベラトール暫定王者ブルックスが、前回接戦だった元王者チャンドラーを完璧に打ちのめして、堂々正王者となった。
想像を超えるブルックスのパフォーマンスに感動すら覚えてます。

ブルックスのすごい点

・打撃技術の向上
前回ブルックスはチャンドラーの強打を何度も被弾していたが、今回はクリーンヒットはほぼ無かったと言っていい。
元々目が良いのもあるだろうが、常に安全な距離を保っており、その距離設定の精確性と対応の速さが素晴らしかった。
さらに的確で速いジャブ・リーチの長い強烈な蹴りが、チャンドラーの出足を止める大きな役割を果たしていた。
これをスイッチを交えながらだから、やられるほうはたまらない。

・テイクダウンディフェンス
ブルックスとチャンドラーの最も大きな差は、レスリング力と認識していた。
チャンドラーはパンチも蹴りも非常に強いが、それをパワフルなレスリング&コントロールとミックスさせて攻め続けられる非凡さこそ、彼をを単なるレスラーから最新型MMAモンスターに押し上げていたと思う。
それが今回は、ブルックスを金網に押し込むところまではいけても、マットに背をつけさせることはついぞ出来なかった。
結果論だけれど、テイクダウンを取れなかったことがチャンドラーの歯車を狂わせたとも言える。

・アクシデントに対する冷静な対処
今回の試合で一番のピンチは、モロに金的をもらってしまった2Rだったと思う。
1Rからタックルを切り、打撃でペースを握っていたところへ、あのローブロー。
流れ的にもダメージ的にも嫌な展開で、故意でないとはいえチャンドラーからすれば気勢を覆すチャンスだったことは間違いない。
この2Rを切り抜けたブルックスの冷静さと胆力が素晴らしい。
そして試合の終焉に向かう場面、チャンドラーの打った投げをブルックスが切り、ほぼ同時にこめかみにフックを当てると、チャンドラーがレフェリーに向かってストップを要求した。
1、2秒ほど間が空き、レフェリーに止める意志がないことを見て、ブルックスは容赦なく足元のおぼつかないチャンドラーに猛攻を浴びせ、試合を終わらせた。
戦闘の意思を示さない相手を殴りつける姿は気持ちの良いものではないが、ファイターとして機を逃さず詰めに行く姿勢は、ブルックスを王者たらしめた最大の要因だったかもしれない。

・成長スピード
上に「打撃技術・テイクダウンディフェンスの向上」とサラッと書いたけれど、頭でわかっていてもそれを身に付けることこそ至難なわけで、これだけハイレベルな次元で短期間で成長してしまうのが、今のブルックスの何より恐ろしいところであろ。
アルバレスがセラーニ負けてやはりUFC勢強し!と再確認したところですが、それでもブルックスはUFCで見てみたい。
個人的に現ライト級事実上TOP3と見ているペティス・ヌルマゴ・アンジョスには流石に敵う気はしないものの、ベンヘンやセラーニ・トムソン相手なら十分やれるのではないかと思っています。
とUFC対決を急いてしまいましたが、ブルックスさんは「ベラトールを変える」と異名通りのイル・ウィルに気焔を上げているようだし、しばらくは別のフィールドで楽しませてもらいましょう。

ガッテン!