益古時計の日々

カフェ&ギャラリー&ステイ(宿泊)の益古時計から送る日々の徒然

「北の人名録」

2009-01-20 22:31:47 | Weblog
 今日は「北の国から」が好きな人にはおもしろい話だと思うのですが、そうでない人にはあまりおもしろくないかもしれないというお話です。
 先日、あいもかわらず本屋をブラついていたら、文庫の新刊コーナーに「北の人名録」がありました。「北の人名録」とは何ぞやと言いますと、「北の国から」の脚本家である倉本聰が書いたエッセイなのです。もう少し詳しく説明すると倉本聰が富良野に移住した当初の、富良野の人たちとの交流を通して得た体験を描いたエッセイで、もうかれこれ30年近く前に発行された本です。しかし何故に30年近く前に発行された本が、今更文庫化されて再発行されたのか意味不明ではあるのですが、たぶんに「風のガーデン」の影響もあるのかなと思います。
 かくいう僕は、だいぶ以前からこの「北の人名録」のハード本を持っているので文庫本は買う必要はないのですが、そこは僕自身元来オタク気質があるもので、文庫化にあたり「あとがき」が加筆されており、それを読みたいがために、文庫本も思わず買ってしまいました(その辺のオタク気質というものは、男性諸氏には理解してくださる方が多いのですが、女性陣には理解されないことが多いです・・・)。
 その辺のことはさておき、僕の人生において読んできた数多くのエッセイの中で、この「北の人名録」はベスト1と言っていいくらい好きな本です。「北の国から」が好きだからというのはもちろん前提にありますが、まさに「北の国から」の元になったであろうエピソードが随所に出てきます。と言うか「北の国から」というドラマが倉本聰の実体験をもとにして書かれているということがよくわかります。またこのエッセイの中に出てくるエピソードに「風のガーデン」に使われたもととなった話も出てきます。
 そして何よりも、都会にはいない富良野という地で生まれ育った、とても魅力的な人たちを、都会からやってきた倉本聰ならではの視点で描かれている、富良野の人たちと倉本聰とのやりとりが実におもしろいのです。この感覚は、ある意味、他所から益子に移住してきて、いっぱい素敵な人・おもしろい人に出会った僕自身の体験にも近いものがあるような気がします。
 と、語りだせばきりがないので、この辺で辞めておこうと思いますが、大げさに言えば「北の国から」以上に、僕はこの「北の人名録」が好きです。まさに「北の国から」の原点でもあるエッセイですので、「北の国から」が好きな人にはぜひ読んでほしいと思います。
 てなわけで、今日は至極個人的な話になってしまいましたが、「北の国から」が好きな人はもちろんですが、そうでない人にも充分おもしろいと思うのでよろしければ読んでみてください。
 写真は文庫本とハード本、それに「冬眠の森」という「北の人名録」の続編(パートⅡ)です。