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World Record / Van der Graaf Generator

2007-05-26 04:28:51 | 最近聞いた音楽
公式サイト?発見。これが、なんとも不思議な作りで、何がどこにあるのか、把握できていません。

謎の作りのサイトですが、うれしい話が乗っていました。2005年の再結成時のライブが発売になるそうです。前作「プレゼント」がCCCDなので買ってないのですが、今回は是非普通のCDで出してください。

さて、本題。

1. When She Comes
2. A Place to Survive
3. Masks
4. Meurglys III (the Songwriter's Guild)
5. Wondering

Van der Graaf Generator(VDGG)の1976年の作品。
このアルバム、特に最初の2曲、これは、もう、ほんとうに、何度も何度も繰り返して聞きました。この2曲でVDGGにはまった、ほんとうにそう思います。

メンバーは不動の4人
Peter Hammill : vocal,guitar,piano
Hugh Banton : organs, bass pedals & guitars,mellotron,piano
David Jackson : saxes,flute
Guy Evans : drums,percussion

VDGGというと、ヒューとジャクソンのキーボードとサックスによる分厚く、でも柔らかでしなやかなアンサンブルの上に、ちょっと神経質そうなハミルのボーカルがかぶさる。良くいえば、哲学的でナイーブ、悪く言うと説教がましくて暗い。クラシカルで、生真面目なバンドというイメージがありました。

1976年という時代背景もあるのでしょうか。
ピーター・ハミルがどんどんパンク/ニューウェーブてきな表現方法に近づいたためでしょうか。
このアルバムは、緻密なアレンジ、それは当然なのですが、音がスカスカです。「スカ」といえば、アルバムB面の大作「Meurglys III (The Songwriter's Guild)」ではレゲェのリズムを導入しています。

混乱しているといえば、混乱している(「Masks」なんて曲を作ったりしてますし・・・)のかもしれません。VDGG名義でのラストアルバムということもあり、行き詰まり状態だったのかもしれません。

しかし!!
しかし、です。
でも、しかし!!
1曲目「When She Comes」と2曲目「A Place to Survive」。この2曲は特筆モノです。
デビッド・ジャクソンの管楽器は、相変わらず分厚いのですが、ヒュー・バントンのキーボードが、良い具合に一歩下がっています。そこに絶妙な空間が生まれています。
そして、いままで生真面目だったVDGGの音に、どことなくユーモアが感じられます。
フロントが軽やかになった分、ガイ・エバンスの強力なドラムが目立つようになり、そしてなによりピーター・ハミルのがなり声の様なボーカル。ナイーブな文学青年のイメージはありません。

なんだか、いままでのVDGGの活動を吹っ切って、あたらしいところに向かおうとする意志表明というか、もう次のステージに移って、実はそこがとても居心地の良いところだったという喜び、そんなものを感じます。
そして、それを聞いているこちらまで「うん、そうだよね。自分の行きたいところにいっていいんだよね。やりたい事をすればいいんだよね」っていう力を分けてもらうような、そんな気持ちになってきます。

いままで、すこし客観的な立場にいたVDGGが、一歩踏み込んで、自分自身を見つめ直して気がついた様々な事、それを素直に表現している。その立ち位置の変化が、このアルバムを強力なものにして、聞き手へ訴えかけてくる。そして、以後VDGとしてひたすら強力で、直接的な表現に向かう力の源になっているような気がします。



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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (evergreen)
2007-05-26 14:43:47
課題のバンドです。
とにかくここの音は、ハミルのせいなのか
どうも説教臭くて・・・
どうでしょうか?
> evergreenさん (Oimizu)
2007-05-26 17:21:38
> どうも説教臭くて・・・

それはたしかにあります。
ピーターハミルのサイトで、訳詞を広く求めているページがあるのですが、みなさん訳されているのを見ると、漢字が沢山あります。とても難しいです。さらに訳が必要見たいです。でも、それが妙に、似合うんです、ピーター・ハミルに。
VDGGも同じ。
ナルシストの文学青年みたいですよね、ハミルって。

それが、はじけてるんです、このアルバムでは。
VDGになると、もっとはじけています。
・・・まぁ、4曲目見たいのもありますが。。。

とりあえず、こちらのこのバンドには課題がありました、名盤の誉れの高い「Still Life」が苦手なんです。
とりあえす、また聞いてみなくちゃいけないな、とは思っていますが。。。