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おいみず亭 Family & Friends

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2006-02-14 04:30:13 | 最近聞いた音楽
[音楽系]
JAZZを聴きながら
毎日かかさずこれだけの文章を書くなんて、凄い方です!!

がちゃむく魂
「音楽」「読書」「映画」「コンピュータ」老水亭と重なるかも。

しろうとジャズ
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ジャズ・クラシック・ロック・オーディオ 毎日更新ものすごいかたです。

おやじのつぶやき
モダンジャズのお話、もっときかせてください。

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音楽家のJohannesさん。T.ラングレン、R.ワイアットファンの様です。

樹里の森
音楽と詩とベランダガーデニングが心地よいです。
(樹里の森こちらは旧居。新居に引っ越し中です。)

in a silent way
パンク・ニューウェイブ影響下の音楽&映像


iPodに取り込んだアルバム(その他編)

2005-12-31 19:02:49 | 最近聞いた音楽
ドライブの時のファミリーミュージックとして何枚か取り込んであります。個人的にも嫌いじゃないです。

NARUTO-ナルト-Best Hit Collection
  最近のアニメというのは、新人バンドの登竜門のようになってますね。
Thunder Babies
 Cicada (初回盤Bonus CD)
  槙原のCicadaのおまけについてたものです。おまけです。
槇原敬之
 Cicada
 Completely Recorded
  この人のポップ感覚はちょっと違うなぁ、と思っていたら向こうの世界に飛んでたんですね。復活おめでとう。
Andrew Lloyd Webber
 Phantom Of The Opera
  「オペラ座の怪人」のサントラです。現在は2枚組の完全版も出ていますが、こちらは1枚もの。それでも十分楽しめます。
劇団四季
 CATS
  ロイド・ウェッバーがT.S.エリオットの猫の詩に曲を付けたミュージカル。という説明も、もう不要でしょう。すばらしいです。

---
iPodって基本的に、一曲ずつ聞くものなのかもしれません。でも、昔からシングル盤を買わなかった(どうせ買うならアルバムで買っていた)ので、音楽を聴く単位が「アルバム」で計るようにできてしまっています。この凝り固まった考え方を変えないといけないのかもしれませんが、やはり「アルバム」を単位として聴いてしまうという事実があります。iPodも「アルバム」を再生するような機能を増やしてもらいたいです。(メドレーとかライブの再生に考慮してもらいたいですね)

iPodに取り込んだアルバム(ポップス・ロック編)

2005-12-31 18:54:56 | 最近聞いた音楽
つづいて、ポップス・ロック編

Captain Beefheart & The Magic Band
 Trout Mask Replica
  短い曲が28曲も入っている問題作。アバンギャルドという言葉がぴったり。
Cyndi Lauper
 The Body Acoustic
  シンディーローパのセルフカバー。アコースティック作品。
  ジェフベックとの共演が良いです。
Electric Light Orchestra
 A New World Record
 Out Of The Blue
 Discovery
  iPod購入直後に聞きまくりました。
  この3枚の中ではA New World Recordが気に入ってます。
Faust
 Faust
 So Far
  ドイツのプログレバンド。アバンギャルドかと思うと、妙にポップな曲作ったりと、とにかく実験精神旺盛。
Frank Zappa
 You Can't Do That On Stage Anymore Vol.2
  フランクザッパ御大のライブ完全再現版。長いけど、聞いてると気持ちよい。
  観客とのやり取り
   「ウィッピングポストやってくれ!!」
   「ウィッピングポストねよしわかった・・・ああでもまだ練習してないんだ」
Grateful Dead
 American Beauty
  Gデッドの軽い感じの1枚。ポップな曲が魅力的な名盤です。
Jeff Beck
 Blow By Blow
  ジョージ・マーティンが作り上げた珠玉の名作。
Kate Bush
 The Whole Story
  不思議少女ケイトブッシュのベスト版。良質なポップロックに仕上がっています。
King Crimson
 USA
  「太陽と戦慄」を生んだクリムゾンのアメリカライブ。
  ボーナストラックの2曲がとてもよい。なぜこれがLP時代に採用されなかった?
 The Power To Believe
  ヌーボメタルクリムゾンの完成形。宮殿に匹敵する名盤だと思います。
Klaus Schulze
 Irrlicht
  クラウスシュルツのソロ1作目。ドイツのプログレのイメージそのまま。
Led Zeppelin
 Houses Of The Holy
  Zepはなぜかこのアルバムを取り込みました。聞いてて楽しいですよね。名盤!!
Paul Butterfield's Better Days
 Better Days
  ブルースのウラ名盤(?)。Zepも演奏しているNobody 's Fault But Mineが聞けます。
Pink Floyd
 Atom Heart Mother
 Meddle
 Dark Side Of The Moon 
  それぞれ大作ですが、意外にアコースティックな小品に惹かれたりします。
 Relics
  初期フロイドのベスト版。アーノルドレーン、星空のオーバードライブ、どれも美しい。
Queen
 Jewels - Very Best Of Queen -
  説明不要の1枚ですね。編集物では「ロックス」もあわせて聞いてみてください。
Robert Fripp & Brian Eno
 The Equatorial Stars
  12星座をモチーフにしたアルバム。宇宙的な音が心地よい眠りを誘います。
Brian Wilson
 Smile
  名作ですよ、名作。
Robert Wyatt
 Rock Bottom
  ロバート・ワイアット+カンタベリーオールスターズによるお祭り的なアルバム。
  祝祭の時の向こうに、ロバート・ワイアットの情念が見え隠れする。
Ry Cooder
 Ry Cooder
  ライクーダーの音楽の旅の出発点。デビュー版にして名作です。
Santana
 Lotus
  1974年サンタナバンド来日時のライブアルバム。横尾忠則のアルバムジャケットも話題になった名盤。
  最近のカルロス・サンタナに興味があるかたは是非聞いてみてください。良い意味で、ずっと同じ事やってますから。
Soft Machine
 3
 6
  彷徨えるバンドソフトマシーンのエルトンディーン時代の作品。3の「ムーン・イン・ジュン」が出色。
  この時期の作品ではLP時代に買った5が気に入ってます。
Stevie Wonder
 Talking Book
 Innervisions
 Fulfillingness' First Finale
  スティービーワンダー初期3部作。この後、長い療養生活を経て名作「キーオブライフ」を発表します。
  しかし、この3部作も見逃せません。特にインナービジョンを聞くと「ああ、生きている事は素晴らしい事だなぁ」という気分になります。必聴!!
Tangerine Dream
 Td
  「フェードラ1,2」「ルビコン1」「ストラトスファー」がパックになったお買い得品。
  「リコシェ」が入っていないのが残念。
The Allman Brothers Band
 The Allman Brothers Band
 Idlewild South
 At Fillmore East
  1stアルバムの最初の音からオールマンの音ができ上がっています。
  最近はフィルモアライブの完全版が出てるようなので聞いてみたいですね。
The Beach Boys
 Sunflower
  村上春樹のお勧め。ペットサウンドと聞き比べてみたい。
The Carpenters
 Now & Then
  名曲ぞろいのカーペンターズのアルバム。LPのB面にあたるラジオ番組風の作りも面白い。
The Eagles
 The Best Of
  「デスペラード」「我が愛の至上」「呪われた夜」と「カリフォルニア」前にも名曲ぞろいです。
The Who
 Who's Next
 Quadrophenia
  トミーから続く3部作。カラッとした音が、イギリスらしくない。文学青年のようでもあり、パンクのようでもある。
Todd Rundgren
 Singles
  トッド・ラングレンはシングルチャートを意識した事があるのだろうか? にもかわらず、名曲が揃っています。プログレでありアバンギャルドでありそしてソウルフルである。
U2
 How To Dismantle An Atomic Bomb
  iPodといえばU2。不良おじさん達は、カッコいいですね。
Yes
 Tales From Topographic Oceans
  来日したときにインスパイアされて作った詩に基づいた作品。一曲一曲が長すぎます。「海洋地形学の物語」は一度詩をちゃんと読んでみたい。どこかに翻訳は無いか?
 The Ultimate Yes
  イエスの足跡を2枚のCDにまとめたベスト版。「危機」は入ってないが、「悟りの境地」や「同志」のような大作も含まれています。入門用、あるいはお手軽Yesの歴史を振り返るのに良いと思います。

iPodに取り込んだアルバム(ジャズアルバム編)

2005-12-31 18:51:31 | 最近聞いた音楽
年の瀬という事で、総集編です。
8月に購入したiPod。様々な障害を越えて、最近は安定稼働しています。
この4ヶ月で取り込んだアルバムのリストです。

まずは、ジャズアルバム編

Chick Corea
 The Leprechaun
  リターントゥフォエバー+弦楽器による、愛らしい妖精(レプラコーン)の物語。
  チックコリア名義の「浪漫の騎士」か?
Gary Peacock
 Tales Of Another
  キースジャレットスタンダーズの原点。
  これぞECMジャズという名盤!!
Keith Jarrett
 Arbour Zena
 The Celestial Hawk
  ともにウィズ・ストリングもの。ピアノソロの世界観が拡張されています。
 The Koln Concert
 Staircase
 Dark Intervals
 The Melody At Night, With You
  こちらはピアノソロ。ケルンの美しさ、ダークインターバルの荘厳さ、ステアケースのミニマルミュージックのようなピアノ、そしてメロディ~の寛いだ感じと、それぞれ個性が光ります
Keith Jarrett Trio
 Somewhere Before
  初期アメリカントリオのライブ版。リラックスした雰囲気です。
Miles Davis
 Live Evil
  マイルスはなぜかエレクトリックものを取り込んでます。ライブでのキースジャレットが光っています。ドラムはジャック・デ・ジョネット。Tales Of Anotherのさらに原点?
  エレクトリック・マイルスはときどき理解不能なアルバム作りますが、これは大変乗っている時期の作品だと思います。バンドとしてのまとまり感があって、とても良いできになっています。
Return To Forever
 Where Have I Known You Before
  シンセサイザーを使ったロックのような曲の合間に短いピアノソロがはさまれています。
  私にとって「これぞクロスオーバー」という一枚!!
Shakti With John McLaughlin
 Shakti With John McLaughlin Live
  マハビシュヌ・ジョン・マクラフリンとインドのバンド、シャクティとの共演ライブ。全編インド音楽しているジャズが繰り広げられます。
Stanley Clarke
 Journey To Love
  ジョン・コルトレーへのオマージュ。

SMiLE / Brian Wilson

2005-12-25 03:21:18 | 最近聞いた音楽
僕がロックを聞き始めた頃、既にビートルズは銀幕の中でGet Backの演奏を終えていました。
その頃でさえ、ビーチボーイズという名前は何とな懐かしいオールデイズの様に感じていたものです。

それでもブライアン・ウィルソンは、能天気なアメリカンポップスのように聞かれていたビーチボーイズのハーモニーとメロディーの中に別の可能性を見いだしていたのでしょう。1966年に発表した「ペット・サウンド」そしてそれに引き続き制作された幻の作品「スマイル」は今でも(時を隔てたからこそ)評価が高まっている感があります。

1966年~67年にはビートルズは「ラバーソウル」「リボルバー」として「Sgt.ペパーズ」を発表していますが、ビルボードヒットチャートをではハーブ・アルバートやモンキーズという名前が見られます。1967年にはモンタレーポップフェスティバルが開かれて、時代の流れはポップスからニューロックに移り変わろうとしています。その中で、ビーチボーイズの音楽はレコード会社から見れば「消耗品」に分類されていたのではないでしょうか?  今日のようなサンプリングマシンはおろか、十分なマルチトラック録音もままならない当時、画期的な録音方法を用いて時間と資金を要したと思われる「スマイル」の様なアルバムは、レコード会社にとってみれば無用の長物だったのかもしれません。結局「スマイル」のコンセプトを否定されたブライアン・ウィルソンはその後薬物に溺れ、全うな社会生活も送れないような状態に陥ってしまいます。

しかし、時を隔てて2004年に幻のアルバムと同じタイトルを持った「SMiLE」がブライアン・ウィルソンのソロアルバムとして発表されました。ライナーノウツを読むと、ブライアン自身は「スマイルは捨てられた音楽だ」と当時のスマイルと新しい「SMiLE」が違うものだと言っています。それでも、世間的には「あのスマイルがやっと発表された」というとらえ方をされている事と思います。

先にも書いたようビーチボーイズは、ノスタルジックな音楽としてとらえていたので、実はあまり聞いていません。というか、ヒット曲位しか知りません。それでもこの「SMiLE」を聞くと、これがビーチボーイズ名義で発売されていない事が不思議なぐらいに感じられます。まるで、ブライアン・ウィルソンの空白の時代を埋めていくかのように、アルバムの最初から最後までビーチボーイズ風のコーラスとメロディーが次々と湧き上がっては消えていきます。なんだかとても幸せになるアルバムです。まさに自然と微笑んでしまうような、「ああ、聞いて良かったなぁ」と思えるアルバムです。
アルバムの締めくくりは「グッド・バイブレーション」(日本版はボーナストラックが入っています)。この曲を聴いたときには、ああやはりあの「スマイル」にこだわっていたんだなぁ、と感じました。

確か、今年の最初の頃だったと思いますが、来日したブライアン・ウィルソンのインタビューをテレビで観ました。その時の印象は、やはりこの人は何か大切なものを置いてきてしまったのかな、と思いました。やはり、薬物中毒の後遺症が残っているのでしょうか、どこか遠いところを見ているような目つきでした。でもそれは、時を隔てた活動的だったころのビーチボーイズの時代を見ていたのかもしれません。「SMiLE」によって、空白の時代を取り戻して、今後さらに新しい音楽を生み出していって貰いたいと思います。

SMiLE / Brian Wilson


Rock Bottom /Robert Wyatt

2005-12-18 06:12:21 | 最近聞いた音楽
このアルバムを聞くと「情念」という言葉を思い浮かべます。

サイケデリックロック台頭期、ロンドンのUFOクラブでは、シド・バレット率いるピンク・フロイドや、ソフト・マシーンといったバンドが、サイケデリックなポップ・ロックを演奏していたそうです。ロバート・ワイアットはそのソフト・マシーンのドラマーでした。ピンク・フロイドはギタリストがデイブ・ギルモアに代わり、その後大作主義路線に進み、商業的にも大成功を治めました。一方、ソフト・マシーンは、オリジナルメンバーが次々と脱退して、アルバムを出す事にメンバーチェンジを繰り返すという不安定な活動を行いつつも、サックスのエルトン・ディーンの参加とともにジャズ・ロック・バンドとして歩む事になりました。
もともとフリーフォームなロックを目指していたソフト・マシーンとジャズ・ロックに向かい始めたソフト・マシーン、オリジナルメンバーであるロバート・ワイアットと他のメンバーの距離はどんどん離れていってしまいました。ロバート・ワイアットはなにかのインタビューで「リズムというのは、もっと自由なものだ」というようなことを言っていました。ところが、ジャズ・ロックに向かったソフト・マシーンは、反復するリズムの上にサックスが自由に吹きまくるという形をとるようになっていきました。ソフト・マシーンのアルバム「3」「4」を聞くと、初期のフリーフォームなドラムスタイルで通そうとするワイアットと他のメンバーの距離が感じられます。

やがて、ワイアットはソフト・マシーンを脱退して、ソロアルバム「The End Of An Ear」という渾沌としたアルバムを作成します。その後マッチング・モールというバンドをつくり「Matching Mole/そっくりモグラ」「Matching Mole's Little Red Record/そっくりモグラの毛語録」というアルバムを発表します。マッチング・モールは、ギター、ベース、キーボード、ドラムという普通のロックバンドの形をとりながら、即興的ななジャズロックを演奏するというロバート・ワイアットにとって理想的なソフト・マシーンを実現したバンドだったのかもしれません。

マッチング・モールの活動がうまく進みかけたときに、ロバート・ワイアットは2階から落ちるという事故に遭い、ドラマーとして致命的な脊髄の損傷を追い、車いす生活を余儀されなくなってしまいました。

ふつうならここで、ミュージシャンとしての生活をあきらめてしまうのですが、書きためた曲をもって復活したのがこのアルバム「ロック・ボトム」です。復活した彼の元に、マイク・オールドフィールドやニック・メイスンなど縁のあるミュージシャンが集まってこのアルバムが作成されました。

1曲目の「Sea Song」のゆっくりとしたリズムとキーボードが、深い海の底から復帰したワイアットが新鮮な空気を胸一杯に吸い込んで喜びを噛みしめているように思われます。そして2曲目、3曲目と徐々にテンポをあげてLP時代のA面は終わります。

ソフト・マシーンからマッチング・モールまで、どちらかというと自由奔放という感のあったあのドラムはもう聴く事ができませんが、このアルバムでは喜怒哀楽がうまいこと濾し出されたような深みを味わう事ができます。

Rock Bottom(LPはこのジャケットでした)



Rock Bottom


The End Of An Ear


Matching Mole


Little Red Record

イルリヒト

2005-12-09 02:19:28 | 最近聞いた音楽
クラウス・シュルツが、タンジェリン・ドリームを抜けた後に出したソロの1作目です。1972年の作品。
タイトルは「鬼火」という意味だそうです。

クラウス・シュルツというと、2つの連続音の作り出す「うなり」のような音が延々と続くというイメージがありますが、ソロ1作目からしてまさに「それ」です。ベースとなる音は、本物オーケストラを使って録音したそうです。当時の電子楽器ではサンプリングしてから加工するなんて無理ですから、延々と同じ音を演奏し続けていたのでしょうか。

アルバムは20分を超える大作「大地」とそれに続く5分の「雷雨」、そしてLPではB面に当たるこれまた20分をこえる大作「マリアの追放」の3曲構成。「大地」ではオルガンかオーケストラかわかりませんが(シンセサイザーのようにも聞こえるが、このアルバムではシンセは使っていないらしい)これが「ぶぉ~ん」というしずかなうなりをあげています。そこに映画のカットバックのようにオーケストラのストリングの音が差し込まれています。それはまるで、夜汽車の中で時々通り過ぎる町の雑踏を聞いているような、ちょっとだけほっとできるような音です。しばらくすると、静かにパイプオルガンの音が聞こえてきます。ただし、1つの鍵盤を押し続けているような連続音。気がつくいくつもの音が積み重なっています。オルガンのおとがどんどん厚みを増して、さして大きくなっていきます。それはまるで、先ほど通り過ぎてきた町の上に覆いかぶさる神の怒りのような聞こえてきます。その音がどんどんどんどん大きくなっていって、最後に雷の音。そして「雷雨」に引き継がれます。
「雷雨」では、今までの静けさが一転して、ガラスをひっかくようなキーキーした音が出てきます。イヤフォンで聞いていると、ちょっと大変な事になります。

が、しかし、実はこんなのが好きです。
延々と繰り返される「うなり」。その「うなり」が、緩やかなリズムとなって、少しずつずれながら繰り返される。そしていつしか違う展開になっていく。こんな曲を聴いていると、つい、自分の家に帰ってきたような気分になってしまいます。こういうの、好きなんです。

イルリヒト/クラウス・シュルツ


慈愛への旅

2005-12-06 03:53:49 | 最近聞いた音楽
スタンリー・クラークの登場です。
スタンリー・クラークといえば、チック・コリアのリターン・トゥ・フォエバーの若きばかテクベーシスト。ソロ4作目の「スクール・デイズ」ではベースをギターのように弾きまくって、それはちょっとやり過ぎじゃないかと思ったのですが、こちらはその一年前の75年の作品。

この「ジャーニー・トゥ・ラブ」には「Song to John」というコルトレーンに捧げられた曲が入っています。チック・コリアやジョン・マクラフリンとスタンリー・クラークがコルトレーンに思いを寄せながら、プレイを重ねていきます。発売当時邦題は「慈愛への旅」となっていましたが、コルトレーンの「至上の愛」を受けての事だと思います。

70年の半ば頃「フュージョン」と呼ばれるような今までのジャズと違った、ロックの香りが溶け込んだジャズがはやりました(いまもはやっているのかもしれませんが・・・)。「フュージョン」がはやるほんの少し前、「クロスオーバー」と呼ばれている音楽がありました。ジャズのミュージシャンと、ロックのミュージシャンがそれぞれ歩み寄ってちょうど出会ったところにあったのが「クロスオーバー」です。呼び方の問題ではありますが、「フュージョン」がどちらかというと洗練された感じであったのに対して、「クロスオーバー」と呼ばれていたものはもう少しファンクッぽい感じがありました。

このアルバムにジェフ・ベックが参加しています。曲によってはベックの「ブロウ・バイ・ブロウ」とも似ている感じのものもあります。75年当時に聞いたときは、本家リターン・トゥ・フォエバーなとど同じく、とても新鮮な音楽に聞こえました。今、あらためて聞くと、当時の音楽状況がよくわかるような気がします。
といっても、単に考古学的価値だけではなくて、今聞いても十分楽しめるアルバムだと思います。

ジャーニー・トゥ・ラブ/スタンリー・クラーク

ICARUS/Paul Winter

2005-12-04 03:11:42 | 最近聞いた音楽
ポール・ウィンター。少し前(?)までは、ニューエイジというジャンルに入っていましたが、フュージョン/クロスオーバー界の御大です。少し前、テレビのCMに登場していたのでご存知の方もいらっしゃると思います。スタートレックのスポックことリチャード・ニモイのナレーションで、クジラの歌と共演しているアルバム(Whales Alive)を聞いた事がある方の方が多いかもしれません。

本作ICARUSは、ポールウィンター コンソートの名義となっています。この「コンソート」ポールウィンターが抜けた後に、オレゴンというバンドとして独立しています。ICARUSでもシタールがはいっていたり、後のオレゴンの片鱗を(というか、まんまオレゴン)見る事ができます。

内容的には、ダウン・トゥ・アースなアコースティック・サウンドに仕上がっています。今でこそ「エコ」で「ヒーリング」はプームとなった感がありますが、このアルバムが作られた1972年当時は、どのように受け止められていたのでしょう。なにしろ1970年の大阪万博のスローガンが「人類の進歩と調和」であり、輝かしい未来と科学が夢のように受け入れられていた時代です。先に述べたよにシタールなどの民族楽器を取り入れた本作、単純に「ヒーリングミュージック」という受け入れられ方ではなかったのではないかと思います。ある意味、ホール・アース・ミュージックとでも言うような、地べたに足のついた、みんなが地球の上で生きている事を喜んでいるような、ある意味70年代の自由な空気を象徴するような、そんな受け入れ方をしていたのではないかと思います。
そんな音楽の全体をまとめあげているのが、プロデューサーとして参加しているジョージ・マーティンなのではないかと思います。ジョージ・マーティンといえば、ビートルズの育ての親のような存在ですが、実はこのアルバムをかなり気に入っていたと自著に書いているそうです。いままで、だれも聞いた事が無いような音楽を、聞きとして紡ぎあげていったのではないでしょうか。

さて、なんでこんな古いアルバムを引っ張り出してきたかというと、このブログからもリンクしているnakapageさんのブログに、バンブーサックスの事が書いてあったからです。先に書いたように、ポール・ウィンター、たしか自動車のCMだったのではないかと思いますが、本人がCMに出ていたとき吹いていた不思議な楽器がこのバンブーサックスなのではないかと思います。ひょっして、「イカロス」や「クジラの詩」に楽器が書いてないかと思って探して見たのですが、ありませんでした。ポールウィンターとバンブーサックスの出会いがどこかであったのか、否か。ご存知の方教えてください。

初めて買ったCD

2005-12-02 02:24:13 | 最近聞いた音楽
昔々、レコードというと黒いものでした。17cmのEP盤と30cmのLP盤がありました。
CDが出た頃には「あんなちっちゃなジャケットで、音楽が楽しめるものか」とか「デジタルの音は冷たい」とか散々言われたものです。そういわれてはいたものですが、いつしかみんなLPからCDへと乗り換えていくようになりました。

かくいう私もその乗り換え組の一人です。LPからCDに乗り換えるには、それなりの覚悟が必要で、だいたいお気に入りのアルバムを1つ選んでCDを買ってしまいます。CDがあるんだから、CDプレーヤも無くちゃなるまい、こういって家のオーディオにCDがつながれるようになっていきました。

そこで問題になるのは「最初にどのCDを買うか」これが大問題です。
我々の世代、ちょうどロックやポップスを聞き飽きて「ジャズでも聴くかな」なんて言い出す年ごろにCDが攻めてきました。そこで勢いみんなお気に入りのジャズのアルバムのCDを買っていました。

友人のYは、キースジャレットスタンダーズの「星影のステラ」でした。
スタンダーズ、言わずとしれたキース・ジャレット、ゲイリー・ピーコック、ジャック・ディジョネット。ピアノソロなどオリジナルを中心に演奏してきたキースがスタンダードを演奏するために集めたトリオ。今でこそ「またスタンダーズ」「オリジナルでもスタンダーズ」ですが、当時はびっくりしました。なにがびっくりって、キーズジャレットが生まれ変わったみたいなピアノを弾いていたからです。ソロアルバムで聞けたキース節はどこに消えたの? と戸惑いながらも、柔らかく流れるようなリズムに乗ったスタンダードの数々に酔いしれたものです。

別の友人これまたYはゲイリー・ピーコックの「ティルズ・オブ・アナザー」だと教えてくれました。
こちらもピアノトリオで、メンバーはリーダーのゲイリー・ピーコック、ドラムのジャック・ディジョネットそしてピアノはキース・ジャレット。スタンダーズそのままですが、録音はスタンダーズ結成6年前の1977年ことでした。
当時、ロックそれもプログレ、わずかにブリティッシュロックしか聞いていなかった私ですが、FMでこのアルバムを聞いたときはびっくりしました。うーん、これもジャズか、と。ある意味、私のジャズ入門だったのかもしれません。

そして私はといえば、アート・アンサンブル・オブ・シカゴ(AEOC)のライブ・イン・ジャパン。1984年の来日公演です。
しかし、なぜAEOCなのかちょっと理由が自分でもよく思い出せないでいます。AEOCといえば、名盤と言われている(でも聞いていないんですが)ブリジット・フォンテーヌの「ラジオのように」のバックで演奏しているとか、ちょっと変わったフリージャズコンボ、ということしか知りませんでした。
ちょうどその頃(多分、来日公演の前ぐらいですが)AEOCの活動30年目(!!)のアルバムとして「サード・ディケイド」が発売されて、これをFMで聞いて興味を持ったような気がします。先にも書いたようにロックばかり聞いていた私ですが、この「サード・ディケイド」にも、かなりびっくりしました。じゃあ、そのアルバムを買えばいいものを「やっぱりフリージャズはライブだよな」と思ったのかどうか、なぜかLP時代に聞いた事も無かったAEOCを買っていました。(あれ、「サード・ディケイド」が出て、来日して、ライブ盤が出るまでに時間差があるはずだけど、記憶の中ではほぼ同時になっています)

フリージャズというと、山下洋輔のような火花の飛び散るアドリブの応酬という感じがありますが、AEOCはおおらかに、伸びやかに、そして時にユーモラスに演奏しています。山下とAEOC、どっちが良いと比較するようなものではありませんが、こういうジャズもありなんだな、と思います。

このブログを書くために、あらためてAEOCのことを調べてCDを聞き返しましたが、このバンドの事、もっとよく知りたくなりました。でも5人のメンバーのうち、レスター・ボウイ、マラカイ・フェイバースが亡くなり、もう二度と聞けない演奏となってしまいました。

エリザベスタウン

2005-11-28 04:41:18 | 最近聞いた音楽
イサム・ノグチ展に続いて、またまたギリギリで飛び込みました。
チケットを買って、飲み物を買い、ホールに入るとちょうど最後のCMが終わるところ。指定された席をみつけて座ると同時に本編が始まりました。

靴のデザイナーのドリューは、仕事で大失敗をしてしまい、生きる力も失せて自殺しようとしたまさにその時、父の死の連絡を受けて、故郷のケンタッキーへと向かいます。父親の葬儀を終えたら、また自宅に戻って死のうと考えていたドリューは、旅の飛行機の中で出会ったフライト・アテンダントのクレアや、父を愛してくれていた故郷エリザベスタウンの人々に支えられながら、次第に生きる力を快復していく。そんな感じの映画です。

この映画、いわゆるロードムービーなのですが、その中で音楽が重要な意味を持っているようです。旅の途中の風景や心象に音楽をうまく重ね合わせています。エリザベスタウンのサイトでサントラの曲を見たところ、トム・ペティやエルトン・ジョンの名前が出ていました。その他にもU2やアメリカ南部のロックやブルースが次々と聞く事ができます。以前、朝日新聞のインタビューでキャメロン・クロウ監督がこの映画は自分自身の事も重ねてあるというような事を言っていました。場面事に使われている音楽にも、監督の気持ちが込められているのでしょう。原曲を調べながら、今度は音楽を聴きながらもう一度じっくりと見てみたいと思いました。

さて、オーランド・ブルームですが、我が家ではちょっとしたマイブームになっています。「カリブの海賊」「キングダム・オブ・ヘブン」では(両方とも鍛冶屋だったのが笑えましたが)父親との縁が需要なカギになっていました(「ロード・オブ・ザ・リング」のレゴラスも父親の縁で旅の仲間に加わったのですけど)。やっと現代人を演じたかと思ったら、また父親の話。よほど親子関係に悩まされる星の下に生れたのでしょうか・・・
ところで、オーランド・ブルーム見ていると、どうしてもSMAPの稲垣吾郎とイメージが重なってしまうのですが、みなさんいかがですか?

世界をギュッと抱きしめて

2005-11-14 05:23:55 | 最近聞いた音楽
このブログで、初めての新譜の紹介です。シンディ・ローパーのThe Body Acoustic。



昔、シンディ・ローパーが飛ぶ鳥を落とす勢いでヒットチャートに登場していた頃、多分ベストヒットUSAでだと思うのですが、ライブのビデオをちょっとだけみた事があります。客席からステージに上がってきてしまった女の子をシンディがギュッと抱きしめてあげていました。(演出かも知れませんが・・・)。たしかジャニス・ジョップリンでも同じような映像を見た記憶があるので「同じじゃん」と思った事がありました。ただのアーティストとファンという関係以上に、信頼できる姉貴分みたいな存在。シンディ・ローパーってそんなミュージシャンだと思っていました。(今風にいうとカリスマかな)

そんなシンディですが、しばらく(こちらが聞かなかっただけなのかもしれませんが)名前を聞かなかったので、どうしているのかと思ったところにこの新譜が発売されました。今回のアルバムはセルフカバー。50代に入ったシンディが若い頃の曲をどう料理しているのか楽しみにして聞いてみました。アルバムタイトルにもあるように、基本はアコースティック。レイ・チャールズの「ジーニアス・ラブ」のようにジェフ・ベックなどのミュージシャンが1曲事にフューチャーされています。豪華なゲストを迎えて、嘗ての名曲をシンディ節で歌い上げています。

・・・と、ここまでは一応評価します。
が、どうなんでしょう? ゲストとのデュエットといっても、なんだかアイデアが練り込まれていないで、ただの話題作りのようにも思えてしまいます。セルフカバーにしても、結局昔の曲を使って当時のファンに買ってもらおうというような気がしてしまいます。アルバム自体、悪くは無い。悪くは無いんだけど、意気込みのわりに「ああ、シンディ・ローバーまだやっていたんだなぁ」というのが第一印象でした。

聞き手の勝手な思い込みなのかもしれませんが、もっとシンディにとっての大転換アルバムを期待していました。母親になったシンディが子どもをギュッと抱きしめるように、世界をギュッと抱きしめるような、そういうスケール感のあるアルバムを期待していました。今の時代、そういう母親の存在が求められていると思います。そして、シンディ・ローパーって、そういう力のある人だと信じています。

秋の晴れ間にライ・クーダー

2005-11-02 04:53:21 | 最近聞いた音楽
ライ・クーダー、ずっと気になっていたのですが、まともに聞いた事はありませんでした。
だれに聞いても「どれを聞いても良いから、どれから聞いてもいいよ」というような事を言われます。そういわれると、本当に何から聞いて良いのやらわからぬまま、今に至ってしまいました。
iPodの音楽コレクションとして「大人聞き」ができるようになったので、ライ・クーダーも一枚録音してみました。悩んだ末に、順当に1stアルバムから。

11/1。東京は素晴らしい秋晴れでした。出勤途中の電車の中で「秋晴れにはライクーダー」と思いついて聞いてみました。カラッとしたギターサウンドが、今日の天気によく似合いました。アメリカの土のにおい、というか、のんびりした平和な世界を感じます。
ライ・クーダーというと「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」が有名です。でも、キューバに至るまでには、メキシコ音楽やハワイ音楽、はてはジャズにまで音楽を求めた旅を続けていました。ライ・クーダーから届けられるアルバムがひとところにとどまらず、ロードムービーのようあちこち動き続けている(でも、どれも紛う方なきライ・クーダーの道を旅している)のも、きっかけを掴み損ねていた一因です。今回、1stを聞いて、一つ入り口を見いだしたような気がします。
それにしても、このジャケットに映っているのは、キャンピングカーですよね? その後のライ・クーダーの音楽の旅を暗示しているようで面白いですね。