In the Beginning...Prologue/Ashes are Burning。新生ルネサンス1stと2ndのカップリングアルバムです。
In the Beginning... Prologue
1.Prologue
2.Kiev
3.Sounds Of The Sea
4.Spare Some Love
5.Bound For Infinity
6.Rajah Khan
In the Beginning... Ashes are Burning
1.Can You Understand (Dunford/Thatcher)
2.Let It Grow
3.On The Frontier
4.Carpet Of The Sun
5.At The Harbour
6.Ashes Are Burning
実は、数あるプログレバンドの中で、しかも有名どころで、ウルフとこのルネサンスは苦手でした。
どちらもクラシックへの傾倒が強いバンドです。どうも聞いていて、いかにもクラシック出身というのがわかってしまうのが、ちょつと気になっていました。
そんなことで、実はこのIn the Beginningもいままであまり聞いた事がありませんでしたが、
樹里さんのブログに「Ashes are Burning / 燃ゆる灰」の書き込みがあったので、あらためてルネサンスのどこが嫌いだったのかを検証(!?)して、この際食わず嫌いを直しておこうかと思います。
そもそも、ルネサンスにたいする思い込み的なイメージというのがありました。
1)昔々NHK-FMで聞いたBBCのライブ。オーシャンジプシーのファンタジックなサウンド。
2)アルバム「お伽話」のジャケットのようなファンタジックなサウンド。
どちらかというと、中世の物語を語るフォーク的なサウンド(ペンタングルのプログレ版の様な?)を勝手にイメージしていたというところがあります。
ところが、Prologueの1曲目「Prologue」がクラシックかと思うほどのピアノではじまります。
たしかに、ルネサンスの特徴として、クラシックをベースとしたロックというのがあるのですが、これは前述した「ファンタジック」なイメージとは違います。そして、アニー・ハズラムのボーカルが、ちょっとばかりキンキンして、これもマイナス要素です。Prologueのラストの曲「Rajah Khan」のエキゾチックなメロディーと、アニーのキンキンボーカルで、ちょっと参ってしまいました。
ということで、いつもはこのあたりで力尽きていました。(ということは「燃ゆる灰」までたどり着けていなかったことになります。
今回、あらためて聞いてみると、Prologueの2曲目「Kiev」のコーラス
He was a man just a simple man
Died at the place of his birth
His tombstone shared by the family
A silent place on the earth
という部分が、ちょっと物悲しい雰囲気で、しかも覚えやすいメルディーで気に入りました。
個人的には、ロックというものは、なにかちょっとでも「そこまでやるのか」という過剰な部分があっていいのではないかと思います。というか、その過剰な部分がバンドしての個性。「こいつらがそこまでやるのであれば、それは許そう」というところがロックバンドとしての所以ではないかと考えています。
ところが、ルネサンスの1stアルバムの場合、とてもそつなくまとまったでき、という感じがします。つまり、ルネサンスとして過剰な部分が無いため、ちょっとクラシックかがったポップミュージックバンド、という印象をもってしまった、故に、プログレバンドとして個人的に評価しなかったのではないかと思います。
ところで、ルネサンス。仲間内では、非常に評価の高いバンドです。そのバンドを、個人的に評価できない(評価のしどころが見つけられない)というのもくやしいので、意を決して2ndアルバム「Ashes are burning」を聞き進めて行くことにします。
1曲目「Can You Understand?」を聞いて「おや?」と思いました。Prologueに比べて、サウンドにまとまりがあります。ピアノはピアノを主張し、ギターはギターを主張していた1stアルバムと比較して、バンドとしてのまとまりが感じられます。
特に、アニーのボーカルは、1stに比べて、抑制が聴いて高音域でもキンキンしていません。
全体的にブリティッシュロックらしい、湿度と凝縮感があります。
先に述べた1曲目の「Can You Understand?」とアルバム最後を締める「Ashes are Burning」が9分を超える大作となっています。これらの大作では、1stでも見せた演奏の技術の高さを十分に発揮しています。他の曲は3-4分の短い曲が並んでいますが、これらの曲では、豊かな表情で語り部としての魅力を十分に発揮しています。このあたり名作と言われる「Novella/お伽話」にむけた準備ができたような気がします。
それで、今回の命題、食わず嫌いは解消されたか?
結論から言うと、「Novella」かカーネギーホールでのライブ版を聴いてみたいなぁ、いまそう思っています。
(音楽的な共通点がどれほどあるのかわかりませんが、オリジナルの方のルネサンスも興味があります。だって、あのヤードバーズのキース・レルフのバンドですから。。。)
The Renaissance Web Site: ファンサイト・・・だと思います
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ところで、樹里さんは、Ashes are Burningを「11分を超える」と書いてました。
In the Beginningでは9分30秒。フェイドアウトしていますが、これ、やはりCD1枚に詰め込むためにカットされているのでしょうか。