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おいみず亭 Family & Friends

美味しい食べ物と知的好奇心、そして楽しい仲間!!

成毛滋

2006-07-02 00:06:22 | 最近聞いた音楽
時間のあるうちに、もう一つ。

グレコのCMで有名な(過去形か?)成毛滋の音源満載のページを発見しました。
Dr.Sigel's Archives

いくつかリンク張っておきます。
(再生にはQuickTimeが必要だそうです)
Nobody Know You
竹田和夫、金子マリらとのセッションです。

南軍北軍
昔々「ジミヘン」とかいう番組で観たことあります。

Grecoのおまけ
Grecoギターのおまけのソノシート。

Lone Axe Blues
ちゃんとした演奏もしています。

この人ギター専門家と思ったら、キーボードも演奏するんですね。
ROLANDのシンセサイザーを改良してライブで使えるようにしたとか、知りませんでした。


おまけ
棟梁
芸人ではありません。

夏が来た・・・

2006-06-30 02:40:33 | 最近聞いた音楽
梅雨明けもしていないというのに、今朝起きたら夏が来ていました。夏の奴は、窓から家に入ろうとするので、それは丁重にお断りしました。

こう暑いと、イヤフォンで耳を塞ぐのもイヤになりますが、気を取り直して(だったらやめてもいいのに・・・)iPodでオールマンブラザーズを聴きながら駅に向かいました。ホイールをぐりぐりして、スタジオ盤・ライブ盤からホット・ランタ、エリザベスリードの追想など数曲を聴きながら電車の中へ。

日ごろ、ぬるめの冷房だった電車も今日は冷房が良くきいていました。車掌室にも夏が乗り込んでいたのかもしれません。混んでいてよく見えませんでしたが・・・。おかげで、早めに汗がひいてきたので、6月9日以来の「イパネマの娘」。
淡々としたジョアン・ジルベルトの歌声、それを引き継いだ素朴なアストラット・ジルベルトの歌声に、柔らかくスタン・ゲッツのサックスが絡んでいきます。そのまま「イパネマ」のアルバムから何曲か聴きつつ会社へ到着。

帰り道は、「イパネマ」の続き。少しずつ涼しい夜風が吹き始めた中、クールなジョアンの歌声と、ため息のようなスタン・ゲッツのサックスが心地よく響きます。

明日はアントニオ・カルロス・ジョビンかな。朝目覚めたときに、また夏がやってきていたらね。

Weld / Neil Young & Crazy Horse

2006-06-24 12:46:32 | 最近聞いた音楽
もうじき2ヶ月まえの出来事になってしまいますが、家族とカラオケに行きました。子どもたちは、劇団四季のキャッツのうたやら、オレンジレンジを歌っていましたが、さてなにを歌おうかと思っていたらニールヤングの「ヘルプレス」を発見しました。もう何年も聴いてないけど、そんなに難しい曲じゃないのできっと覚えているだろう、と歌ってみました。これで、ニールヤングに嵌まりましたね。

ニールヤング入門は、CSNYでした。4人が揃った「Deja vu」(1970)では、個性が溶け合わず他の3人とちょっと違うな、という感じがあったのですが、4人のライブ盤「4 Way Street」(1971)では、ニールヤングだけ別の世界。ニールヤングの曲になると、CSNYではなくてニールヤングのライブになってしまいました。
バッファロー・スプリングフィールドを解散したり、再結成したり。ソロらにってからもクレイジー・ホースを解散したり、再結成したり。南部に対する発言で、レイナードスキナードとの確執があったり・・・と、ちょっとばかり他人と妥協できない孤高の天才肌の人なのかな、という感じがしていて、あまり聴いていませんでした。
たしか、高校生の頃「Tonight's the night」(1975)や「Zuma」(1975)を出したのですが、CSNYそして「After the Goldrush」(1970)「Harvest」(1971)という名作が既に出ていたので、もう過去の人という感じがしていました。
だから1979にNeil Young & Crazy Horseとして「Rust Never Sleeps」を出したときは、驚きました。「さびついても、まだまだ死なないよ」。このアルバムの一曲目の「My My, Hey Hey (Out Of The Blue)」は、なんとパンク界の大物ジョニーロットンのことを歌った曲でした。もっともジョニーロットンは「そんなみすぼらしい姿さらして生きていたくないね」と迷惑だったようですが・・・

ニールヤングというとジーンズにアコースティックギター抱えて、ハモニカ吹きながら歌うというフォークッぽい姿を思い浮かべてしまいます。こんな感じ・・・

ところがこの1991年の2枚組ライブ「Weld」では、ひずみに歪んだエレキギターとベースの音から始まります。これは何かの間違いかと思っていると、ニールヤングのハイトーンなボーカルが「Hey Hey My My」と始まります。そして、ここから2時間のロックンローラーとしてのニールヤングそしてクレイジーホースのライブが始まります。


1.Hey Hey, My My (Into The Black)
2.Crime In The City
3.Blowin' In The Wind
4.Welfare Mothers
5.Love To Burn
6.Cinnamon Girl
7.Mansion On The Hill
8.F*!#in' Up
9.Cortez The Killer
10.Powderfinger
11.Love And Only Love
12.Rockin' In The Free World
13.Like A Hurricane
14.Farmer John
15.Tonight's The Night
16.Roll Another Number

ニールヤング、それほど聴いてるわけじゃないのですが、「Cinnamon Girl」なんて聴くとなんだか懐かしいですね。昔のウエストコーストサウンドといったものを思い出します。
「Cortez The Killer」から始まるdisk2は聞き物です。なんかい繰り返してきいても飽きません。それにしても「Cortez The Killer」こんなに美しい曲でしたっけ?
「Love To Burn」「Mansion On The Hill」「Love And Only Love」「Rockin' In The Free World」こんな曲を聴いていると、ニールヤングという人Love&Peaceの時代そのままという感じがして、ちょっとばかり気恥ずかしくなってしまいます。でも、このアルバム全体、91年に発表されたにも関わらずLove&Peaceの時代を感じることができます。ニールヤングの歌声って、なんだか人の心をLove&Peaceにしてくれる力があるようです。実はこれって、単に歌のテクニックではなくて、ニールヤングの人柄から来るものなのではないでしょうか。
先にニールヤングのことを「孤高の天才肌」と書きましたが、実際のところはいろんな人におせっかいなくらい、気を使う人なのではないでしょうか。なんだか、このアルバムでニールヤングの人柄の良さに触れたような気がします。ロックアルバムなのに、なんだか不思議な感じです。

ニールヤング、昨年もハーベスト3部作ということで「Prairie Wind」を発表していましたが、まだまだこれからもLove&Peaceを守り続けていってくれるのでしょうか。まだまだ錆びつきそうもないですね、この人は。


公式ホーページ: Neil's Garage

Don't Believe The Truth / Oasis

2006-06-21 23:59:38 | 最近聞いた音楽
老水亭を始めたときに「温故知新」が一つのテーマでした。高校や大学のころに、知らないバンドの知らない曲をどんどん聴いていったように、新しいバンドを発見できたら良いなぁ、と 考えていたのですが・・・。結局「温故」だけで止まってしまい「知新」まで至らずにいました。

やはりどうも自分の守備範囲で手堅くまとめようというか、新しいところまで手が回らないというか、 これまでは自分の知っている範囲内で「いままであまり聴かなかったもの」を探していましたが、ようやくGreenDayあたりから「知新」に進むことができたかな、という感じがあります。とは言え、Greendayも今回のOasisも既にベテランの域に達しつつありますね。。。。

先週に引き続き、今週もTsutayaさんのアルバム5枚1000円シリーズで5タイトル借りてきました。子どものが1枚、おくさんと子ども用が2枚、そして自分用が2枚。そのうちの1枚がOasisの「Don't Believe The Truth」。Oasisには興味があったのですが、なかなか聴く機会がありませんでした。というか、みんなが聴いている「Morning Glory?」は、今更・・・という感じがしていました。

そして昨年、このアルバムが発表されました。ジャケ買いですね(買ってないけど)。白黒のジャケットに惹かれて聴いてみたいと思っていました。が、自分の中で聴く順番が「でもCold Playの次ね」という思い込みがありました。今回もColdPlayとどちらにしようか迷って、Oasisを借りてみました。

しかし、これは・・・なんとノスタルジックな音なんでしょう。初めて聞くのに懐かしいですね。きっと、綿密な計算に基づいた音作りをしているのでしょう。戦略として正しいと思います。いくつかの曲は「ビートルズのあの曲?」という感じがしないでもありません。これも・・・ノスタルジックな雰囲気を醸し出すにはいいのかもしれません。

個人的にはジョン・レノンが書きそうな「Let There Be Love」が気に入っています。大仰なメロトロン(?)が懐かしさを呼び起こします。

CDの解説によると、Oasisのデビューアルバが発表されたのが1994年。もう10年以上も活動しているOasis。「Don't Believe the Truth」自体、良いアルバムだと思います。ただし、やはりOasis程活動歴が長いと、Oasisの中でも「温故知新」が必要なのかな、と思います。やはり「Morning Glory?」聴かないといけないみたいです。



1. Turn Up The Sun
2. Mucky Fingers
3. Lyla
4. Love Like a Bomb
5. The Importance Of Being Idle
6. The Meaning Of Soul
7. Guess God Things I m Abel
8. Part Of The Queue
9. Keep The Dream Alive
10. A Bell Will Ring
11. Let There Be Love

Low / David Bowie

2006-06-19 05:30:16 | 最近聞いた音楽
その5>


あれは、いつだったか、NHKだと思うのですが、大きな画面に映し出されたデビッド・ボウイの映像の前でデビッド・ボウイがライブを行うというのを見た記憶があります。映像になったボウイは、時にライブで歌うボウイの姿だったり、あるときはパフォーマンスを行っている姿だったりで、演奏と映像がシンクロして進行するようになっていました。ナムジュンパイクとかがビデオを使った作品で話題になっていた頃じゃなかったかと思います。いまでこそ、ライブで大型スクリーンを使うのは当たり前のようになっていますが、当時はデビッド・ボウイが言っていた「Sound & Vision」がやっと現実のものになったんだなぁ、これからさきボウイはどんなパフォーマンスをしてくれるのだろう、と期待していたような気がします。

アルバム「Low」が発売されたのが1976年。「ワルシャワ」を聴いたときには、その重苦しさにすごいショックを受けました。「Low」というタイトルが示す通り、このアルバムはボウイが最低の状態から抜け出して作ったアルバムだそうですが、それにしてもここまで重たく沈んだ曲というのは凄いです。録音はまだ東ドイツだったころのベルリン。自身の精神状態と、東ヨーロッパの状況が重なっていたのでしょうか。社会とのシンクロした状況によって、ボウイの精神面が少しずつ癒されていたのかもしれません。

この「Low」というアルバムは、個人的にかなり気に入っている作品です。多分、最初に買ったボウイのアルバムがこのアルバムです。(カットアウト盤だったような気がしますが・・・)
LP時代のA面にあたる7曲は、軽めの短い曲で、ポップ調の曲もあります。でも、それがどれも自分の苦しさを隠すためわざと明るく振る舞っているような、とってつけたような軽さになっています。
そして「ワルシャワ」から始まるB面の4曲は全体的に重く沈んだものになっています。精神的などん底状態にいたボウイは、イギー・ポップやブライアン・イーノなどの助けをかりて、立ち直りこのアルバムを発表します。「ワルシャワ」からの4曲、確かにA面の7曲より重いのですが、なんだか暗闇の中にぼんやりとした明かりを見いだしたような気持ちになります。絶望の淵に立って見いだしたかすかな光を、声高に説いて回るのではなくて、かすかな光のまま聞き手の中に届けてくれる。普遍的なメッセージとして聞き手がそこに共感を持つことができること。そのことが、このアルバムが傑作である所以だと思います。



1.Speed Of Life
2.Breaking Glass
3.What In The World
4.Sound And Vision
5.Always Crashing In The Same Car
6.Be My Wife
7.A New Career In A New Town
8.Warszawa
9.Art Decade
10.Weeping Wall
11.Subterraneans

Electric LadyLand / The Jimi Hendrix Experience

2006-06-18 07:37:38 | 最近聞いた音楽


その4>

ジミヘンです。
ジミヘンというと、ギターを燃やしたり、歯でギター弾いたり、背中でギター弾いたりと、そういう話題が先行していたような気がします。
亡くなった後に、続々と未発表テープを編集したアルバムが発売されて、いったいどれを聴いていいものやら、訳わかりませんでした。そんな訳があってかどうか、ジミヘンはLPでちゃんと聴いたことありませんでした。かといってエアチェックしていたわけでも無いので、家にあるジミヘンものというのがほとんどありません。唯一、ウッドストックのライブのレーザーディスクがあるぐらいです。でも、このときはエクスペリエンスを解散して、バンド・オブ・ジプシーとしてのライブでした。
そんなわけで、死後36年目にして、ようやくオリジナルアルバムを聴いてみた、というわけです。

Electric LadyLandはジミヘンドリクスエクスペリエンスの3枚目。オリジナルアルバムとはいえ、多彩なゲストを招いてのジャムセッション。シンプルなトリオとしてのエクスペリエンスをベースに、音楽的な拡張をしてみせたアルバムだと思います。このアルバムの後、エクスペリエンスを解散して、バンド・オブ・ジプシーを結成しています。ジミの考える音楽が、エクスペリエンとしいうトリオとしての表現手段では追いつかなくなってしまったのでしょう。

アルバム中の白眉といえば、Voodoo Childeのジャムセッションでしょう。ジミヘンというと「パープルヘイズ」のように、ド派手なギターをぎゅっと詰め込んだような曲をイメージしがちですが、このセッションでは控えめでブルージーなギターを聴かせています。これを聴くと、ジミヘンはただのエレクトリックギター小僧ではなくて、しっかりとブルースというルーツを持った人だったんだなぁ、と改めて感心します。クラプトンが「ジミヘンは全て聴いた」というのも納得できます、

一方、アルバムの最後に控えるVoodoo Childe(Slight Return)では、ド派手なギターを聴かせています。マイルスデイビスが、電化マイルスバンドのギタリストに「ジミヘンのように弾いてくれ」といったのはこちらのイメージでしょう。マイルスが望んでいたように、この二人がうまいこと出会えていたら、どんな演奏を残してくれたでしょうか。二人の共演が実現しなかったのが残念です。

Electric LadyLandは時代を超えた名盤であることに間違いはありませんが、やはり時代を感じる作品です。「Have You Ever Been (To Electric Ladyland)」なんて聴いていると、まだニューロックなんていう言葉が残っていた頃のことを思い出してしまいます。本質的にこの時代のロックがすきなんでしょうか、気持ちの中で一気に時代を遡ってしまいました。なんだか今年の夏はこの時代のロックに嵌まりそうです。そういえばマウンテンも気になっていたのにあまり聴いていませんでした。機会があったら聴いてみたいものです。


[Electric Ladyland]
1. ... And The Gods Made Love
2.Have You Ever Been (To Electric Ladyland)
3.Crosstown Traffic
4.Voodoo Chile
5.Little Miss Strange
6.Long Hot Summer Night
7.Come On (Part One)
8.Gypsy Eyes
9.Burning Of The Midnight Lamp
10.Rainy Day, Dream Away
11.1983 ... (A Merman I Should Turn To Be)
12.Moon, Turn The Tides ... Gently, Gently Away
13.Still Raining, Still Dreaming
14.House Burning Down
15.All Along The Watchtower
16.Voodoo Child (Slight Return)


その5へ>

Live in Italy / Lou Reed

2006-06-16 02:33:12 | 最近聞いた音楽
その3>

Velvet Undergroundとくればルー・リード。Tsutayaさんには、思ったより沢山のルー・リードものがあって迷いました。有名どころは何枚か知ってはいるのですが、決定打がありません。それでiPodではちょっと辛いライブものにしました。有名どこの曲が並んでいて、ちょっとお得感があるのと、ヴィム・ヴェンダースの「時の翼にのって」のライブハウス(クラブか?)で歌っている姿が印象的だったからです。
ルー・リードというと比較的小さなステージで少数の客相手にしているような印象があったのですが、このアルバムのジャケットは凄いです。何万人かというくらい大勢のはいったスタジアム。こんなに沢山の観客に歌いかけるルー・リードってどんなだろう、とちょっと興味を持ちました。
それにイタリア。ルー・リードってニューヨークとかベルリンというちょっと尖った街がにあいそうなのに、太陽の国イタリアというのもちょっとミスマッチで気になりました。

ライナーノウツによると、最強のサポートメンバーだそうです。うねるようなギターと安定したリズムに支えられて、ルー・リードは淡々と歌います。といっても何万もの観衆の目がルー・リードに注がれていて、その力を反射して、何万人の心に届くような力強い歌声です。
バンドの出す音は、湿った感じは無くて軽い感じ。録音が1983年。パンク/ニューウェーブの時代を通り越した、シンプルで乾燥したギターサウンド。それでいてシスター・ジェーンやヘロインを演ってしまう。うかつに近づくと、痛い目に遭いそうです。
往年の名曲シスター・レイ。ルー・リードのギターとロバート・クインのギターが絡んで、ちょっとした眩暈感があります。VUの「White Light/White Heat」では、ルー・リードとジョン・ケージが身を削るほどの白熱した掛け合いを見せて眩暈の世界を作り出していましたが、このアルバムではもう少し余裕をもって聴くことができます。VU時代の曲を、こんなにも素晴らしい演奏できかせてもらうと、ちょっとばかりVU時代は何だったのだろう、と考えてしまいます。Velvet Underground、実はそれほど幸せな活動ではなかったのかもしれませんね・・・

ルー・リードって、時代とともに歩いていくタイプの人だと思います。そういう意味で、今更過去を懐かしむために聴くのもどうかなと思います。が、このアルバム一枚だけではルー・リードがどういう人か、わからないので、もう少し他のアルバムも聴いてみようかなと思います。
でも、なんだかこの人凄いパワーありそうなので、聴く方もその力を受け止めるための、それなりの準備が必要な気がするんですよね。

公式サイト



1. Sweet Jane
2. I'm Waiting For The Man
3. Martial Law
4. Satellite Of Love
5. Kill Your Sons
6. Betrayed
7. Sally Can't Dance
8. Waves Of Fear
9. Average Guy
10. Wight Light/White Heat
11. Medley: (A) Some Kinda Love (B) Sister Ray
12. Walk On The Wild Side
13. Heroin
14. Rock And Roll


その4へ>

White Light/White Heat / The Velvet Underground

2006-06-15 02:33:27 | 最近聞いた音楽


1.White Light/White Heat
2.The Gift
3.Lady Godiva's Operation
4.Here She Comes Now
5.I Heard Her Call My Name
6.Sister Ray


その2>
Velvet Undergroundもちゃんと聴いたことがなかったので借りてみました。
順当にThe Velvet Underground & Nico
から聴きたかったのですが、すでに貸し出していたので「White Light / White Heat」を借りてみました。アンディ・ウォーホール+ニコが離れていったVU自身の2作目にあたります。VUというとルー・リードとジョン・ケールが思いだされますが、ジョン・ケールはこのアルバムを最後に脱退したそうなので、二大看板スターそろい踏みの最後ということになります。(後に、アンディ・ウォーホールの追悼作品をデュオ造っていますが)

さて、内容はというと比較的短い曲が5曲、そして17分という大作が1曲という作り。凶暴なまでの、引掻くようなギターとリズム。いまにして思えば、パンクの元祖ですね。やはり、VU初心者が驚いたのは17分の大作Sister Ray。
当時このアルバムが世に出たときはさぞや驚かれたことでしょう。17分間のノイズ。歪んだギターと繰り返されるリズム、そしてトランス。ちょうど、ピンクフロイドの「星空のドライブ」やCANの「You Do Right」や「Mother Sky」のような、混沌の中で光を見いだそうとしているような感じ。アメリカのロックで、こういう感じは、初めて出会いました。それにしても、フロイドのデビューアルバムが67年、このアルバムが68年、「You Do Right」を含むCANのモンスター・ムービーが69年。この時期のロック界は、カンブリア紀の海のようにいろいろな音がありましたね。ただの音楽ではなくて、表現手段を広げようといろんな模索をしていたのでしょうね。

全体的に、ノイジーで攻撃的。おしゃれじゃないし、都会的な洗練も無い。ただただ、音を介した強烈な個性のぶつかり合いが、とても潔いアルバムを作ったのだと思います。最初に聴いたVUが、このアルバムで良かったと思っています。お勧めです。ただし、万人向けではありません。

その3へ>

American Idiot / Green Day

2006-06-13 03:46:40 | 最近聞いた音楽
ロック成分分析によると「老水」の90%はグリーンデイでできているとのこと。「Oimizu」だと59%がグリーンデイ。「老水亭」だと62%が明太子。なんだこりゃ?

ということでTsutayaさんからGreenDayを借りてきました。
GreenDayというと、目をグワッとひんむいて、唾飛ばしながら、体中の汗腺開きっ放し、テンションあがりっばなし的な非常に品のないパンクバンドとして売っていますが、今や押しも押されもせぬ、グラミー賞受賞者です。パンクロッカーとして、あってはならない貫録のようなものも感じられます。

ということで、グラミー賞受賞作品。自らパンクを名乗りながら、9分、8分、7分、9分なんていう長い曲、しかもそのうち2曲は組曲、を録音しています。どの曲も、聴いていて気持ちの良いギターサウンドなのですが、いろいろなメッセージ性を含んでいるようです。「ようです」というのは、歌詞までじっくり読んでいる余裕がないので、憶測です。歌詞は、そのうち時間ができたらじっくり読んでみようかと思っています。

パンクといっても、力任せにゴリゴリとのしかかってくるような曲ばかリではなくて、スローなバラードやアコースティックな響きの曲(といってもやはりギターがゴリゴリと出てくるのですけどね)表現は豊かです。
こういう例えがよいのかどうかわかりませんが、WHOにちょっと似た感じのハードロックです。でもWHOよりちょっとウェットな感じが日本人好みかもしれないですね。
と、書いてから、あらためてバイオグラフィを調べてみました。確かにアメリカのバンドですね。そのわりにはウェットな感じがイギリス的です。そういえば、パンクも本場はロンドンだし・・・。ひょっとして、イギリスかぶれしてる?

イギリスのバンドの様に、知的な屈折はしていないけど、知的で元気なハードロック、でもちょっとウェットなパンク。老水の90%がグリーンデイというのは、いいとこついてるかもしれない。


公式ページ


1. American Idiot
2. Jesus of Suburbia
3. City Of The Damned
4. I Don't Care
5. Dearly Beloved
6. Tales Of Another Broken Home
7. Holiday Listen Listen
8. Boulevard Of Broken Dreams
9. Are We The Waiting
10. St. Jimmy
11. Give Me Novacaine
12. She's a Rebel
13. Extraordinary Girl
14. Letterbomb
15. Wake Me Up When September Ends
16. The Death Of St. Jimmy
17. East 12th St.
18. Nobody Likes You
19. Rock and Roll Girlfriend
20. We're Coming Home Again
21. Favorite Son

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Tsutayaさん「アルバム5枚で1000円」キャンペーン中だったので他に4枚借りてきました。追々紹介していくつもりです。

その2へ>

イパネマの娘

2006-06-10 07:59:03 | 最近聞いた音楽
昨夜11時過ぎ。会社帰りにワールドカップの放送が始まることを気にしながら、近所のスーパーのレジで支払いをしていました。
店を出て、家まで5分程度の道のり。iPodで聴いていたアルバムがちょうど終わり、なにかBGMがほしいなぁと思ったので、あまり聴いていないジャズの曲を集めたプレイリストからランダムに選曲しました。すると、iPodが選んだのはゲッツ/ジルベルトの「イパネマの娘」。雨上がりの涼しい夜にぴったりでした。こういうときに電化マイルスとか選ばないところは、iPod偉い!!



それにしても、またしても「イパネマの娘」。今年は随分この曲と縁があるみたい。

In the Beginning / Renaissance

2006-05-16 02:51:57 | 最近聞いた音楽
In the Beginning...Prologue/Ashes are Burning。新生ルネサンス1stと2ndのカップリングアルバムです。



In the Beginning... Prologue
1.Prologue
2.Kiev
3.Sounds Of The Sea
4.Spare Some Love
5.Bound For Infinity
6.Rajah Khan

In the Beginning... Ashes are Burning
1.Can You Understand (Dunford/Thatcher)
2.Let It Grow
3.On The Frontier
4.Carpet Of The Sun
5.At The Harbour
6.Ashes Are Burning


実は、数あるプログレバンドの中で、しかも有名どころで、ウルフとこのルネサンスは苦手でした。
どちらもクラシックへの傾倒が強いバンドです。どうも聞いていて、いかにもクラシック出身というのがわかってしまうのが、ちょつと気になっていました。
そんなことで、実はこのIn the Beginningもいままであまり聞いた事がありませんでしたが、樹里さんのブログに「Ashes are Burning / 燃ゆる灰」の書き込みがあったので、あらためてルネサンスのどこが嫌いだったのかを検証(!?)して、この際食わず嫌いを直しておこうかと思います。

そもそも、ルネサンスにたいする思い込み的なイメージというのがありました。
 1)昔々NHK-FMで聞いたBBCのライブ。オーシャンジプシーのファンタジックなサウンド。
 2)アルバム「お伽話」のジャケットのようなファンタジックなサウンド。
どちらかというと、中世の物語を語るフォーク的なサウンド(ペンタングルのプログレ版の様な?)を勝手にイメージしていたというところがあります。

ところが、Prologueの1曲目「Prologue」がクラシックかと思うほどのピアノではじまります。
たしかに、ルネサンスの特徴として、クラシックをベースとしたロックというのがあるのですが、これは前述した「ファンタジック」なイメージとは違います。そして、アニー・ハズラムのボーカルが、ちょっとばかりキンキンして、これもマイナス要素です。Prologueのラストの曲「Rajah Khan」のエキゾチックなメロディーと、アニーのキンキンボーカルで、ちょっと参ってしまいました。

ということで、いつもはこのあたりで力尽きていました。(ということは「燃ゆる灰」までたどり着けていなかったことになります。

今回、あらためて聞いてみると、Prologueの2曲目「Kiev」のコーラス
 He was a man just a simple man
 Died at the place of his birth
 His tombstone shared by the family
 A silent place on the earth
という部分が、ちょっと物悲しい雰囲気で、しかも覚えやすいメルディーで気に入りました。

個人的には、ロックというものは、なにかちょっとでも「そこまでやるのか」という過剰な部分があっていいのではないかと思います。というか、その過剰な部分がバンドしての個性。「こいつらがそこまでやるのであれば、それは許そう」というところがロックバンドとしての所以ではないかと考えています。
ところが、ルネサンスの1stアルバムの場合、とてもそつなくまとまったでき、という感じがします。つまり、ルネサンスとして過剰な部分が無いため、ちょっとクラシックかがったポップミュージックバンド、という印象をもってしまった、故に、プログレバンドとして個人的に評価しなかったのではないかと思います。


ところで、ルネサンス。仲間内では、非常に評価の高いバンドです。そのバンドを、個人的に評価できない(評価のしどころが見つけられない)というのもくやしいので、意を決して2ndアルバム「Ashes are burning」を聞き進めて行くことにします。



1曲目「Can You Understand?」を聞いて「おや?」と思いました。Prologueに比べて、サウンドにまとまりがあります。ピアノはピアノを主張し、ギターはギターを主張していた1stアルバムと比較して、バンドとしてのまとまりが感じられます。
特に、アニーのボーカルは、1stに比べて、抑制が聴いて高音域でもキンキンしていません。
全体的にブリティッシュロックらしい、湿度と凝縮感があります。

先に述べた1曲目の「Can You Understand?」とアルバム最後を締める「Ashes are Burning」が9分を超える大作となっています。これらの大作では、1stでも見せた演奏の技術の高さを十分に発揮しています。他の曲は3-4分の短い曲が並んでいますが、これらの曲では、豊かな表情で語り部としての魅力を十分に発揮しています。このあたり名作と言われる「Novella/お伽話」にむけた準備ができたような気がします。

それで、今回の命題、食わず嫌いは解消されたか?
結論から言うと、「Novella」かカーネギーホールでのライブ版を聴いてみたいなぁ、いまそう思っています。
(音楽的な共通点がどれほどあるのかわかりませんが、オリジナルの方のルネサンスも興味があります。だって、あのヤードバーズのキース・レルフのバンドですから。。。)

The Renaissance Web Site: ファンサイト・・・だと思います

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ところで、樹里さんは、Ashes are Burningを「11分を超える」と書いてました。
In the Beginningでは9分30秒。フェイドアウトしていますが、これ、やはりCD1枚に詰め込むためにカットされているのでしょうか。


美亜へ贈る真珠 / 梶尾真治

2006-04-27 03:46:02 | 最近聞いた音楽
なんだろう、突然「美亜へ贈る真珠」を思い出しました。
ストーリーはだいたい覚えていたのですが、実はこれが梶尾真治のデビュー作という事はすっかり忘れていました。何かのSFアンソロジーで読んだのだとばかり思っていたのです。ところが、どうやら実際は梶尾真治の「地球はプレーンヨーグルト」に収められていたと知り、びっくりしました。もう25年以上前の事とはいえ、記憶なんて、あやふやなものですね。

「地球はプレーンヨーグルト」は、食べ物の味をつかって異星人とコミュニケートするという、ちと変わったファースとコンタクトもの。このイメージが強かったので「美亜・・・」が、すっかりかすんでいました。

「美亜へ贈る真珠」は、カプセルの中では時間がゆっくりとすすむ「航時機」の中に乗り込んで、未来へとタイムトラベルしているアキ。彼を思いをよせ続ける美亜。「航時機」の外での1日が、アキにとっては1秒にしかならない。「美亜へ贈る真珠」は異る時間の流れの中で、愛し合いながらも決してコミュニケートできないアキと美亜の物語です。真珠が二人の愛の象徴として描かれています。

デビュー作ということで、文体は硬い感じがしますがとても美しいSFです。まるで、過去からタイムトラへルして突然姿を現したかのように、突然この作品を思い出しました。そうしたら、居ても立ってもいられなくなり、早速文庫を買い求めました。


美亜へ贈る真珠/梶尾真治
早川文庫

追記
久しぶりにSF文庫売り場を見ていたら、スタージョンの「夢見る宝石」がありました。スタージョン最近いろいろ出版されていますね。ブームなんでしょうか。久しぶりに読んでみたいですね。
その他、最近亡くなったレムの「ソラリス」も読み返したいし、オールディスの「地球の長い午後」ももう一度読んでみたい(後半のほうほとんど覚えていない)。
P.K.デックも良く読んでたので、再度読んでみたいし・・・
電車の中では、iPod聴いているのいで、本読む時間が減って来ています。

さらに追記
タイトルを「美亜に贈る真珠」から「美亜へ贈る真珠」に変えました。
文庫のたいとるが「へ」になっていたからなんですが、記憶の中では「に」だったんですけど。

A Bigger Ban World Tour

2006-03-26 06:17:45 | 最近聞いた音楽
3月24日 20時10分。東京ドーム。
オープニングアクトが終わって、30分以上が過ぎているというのに、ストーンズはまだ現れません。17時の開場から3時間以上も経っているので観客の期待も盛り上がるばかり。
そんな訳もあってか、会場の照明が落ちたその瞬間、みんな一斉に立ち上がり、オープニングのStart Me Upから会場中前ノリの拍手と地響き。

ストーンズは、2002年のLicksツアー以来の2度目。前回も今回も新作アルバムをチェックをしないままライブを見に行きました。しかし、そこはストーンズ40年のキャリアの凄いところ。例によって過去の名曲中心の選曲なので、十分楽しむ事ができます。

ミックの日本語のMCはどうかなぁ・・・と思いつつも、曲が進み、スタジアムは相変わらず前のリノの拍手と地響き。
Tumblin' Dice が終わり、ミックがキーボードを弾きながらWorried About Youを歌い始めると、観客もようやく落ち着いてミックのファルセットにそれぞれの思いを募らせているようでした。落ち着いた雰囲気のまま曲が進み、Midnight Rambler。さすがにスタジアムでのライブでは昔のライブ盤で聴いたようなミックと観客とのやり取りはありませんでしたが、この曲を聴けたのは嬉しく思います。ひょっしてこのままLove You Liveの様にブルースを演奏してくれないかなとおもいましたが、曲はGimmie Shelterへ。
Gimmie Shelterというと、中学の頃に見たストーンズの映画「ギミー・シェルター」を思い出してしまってちょっと複雑なのですが、今のストーンズのGimmie Shelterは「貫録」というしか無いですね。

キースがアコースティックギターで歌うThis Place Is Emptyを経て、落ち着いたムードを吹き飛ばしたのがHappy。
 I need a love to keep me happy
そして、ここからアンコールのSatisfactionまで全開で走り抜けました。
(還暦過ぎたミックもキースも、巨大ステージ端から端まで、下から上まで、ほんとうに元気に走り回っていました)
 
今、あらためてストーンズのディスコグラフィを見直していたのですが、1964年に「The Rolling Stones」を発表。ミック・テーラーが抜けて、ロン・ウッドが新メンバーとして参加した「Black and Blue」の発表が1976年。高校生の頃でした・・・。このときに既にキャリアの長いバンドだと思っていたのですが、そこからさらに30年。いやぁ、しかし、ロックバンドに人生を重ねて見る事ができるなんて、高校生の頃は考えても見ませんでした。ましてや、それが不良の代名詞だった、あのストーンズだなんて。


[Set List]
Start Me Up
It's Only Rock'n Roll
Oh No Not You Again
Bitch
Tumblin' Dice
Worried About You
Ain't Too Proud To Beg
Midnight Rambler
Gimmie Shelter
This Place Is Empty
Happy
Miss You
Rough Justice
You Got Me Rocking
Honky Tonk Woman
Sympathy for The Devil
Jumping Jack Flash
Brown Sugar
-encore-
You Can't Always Get What You Want
Satisfaction

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セットリストについては、さとなおさんのページとTalkin' about Stonesを参考にさせていただきました。

さなメモ
「中年たちの咆哮」 3月24日セットリスト
「すげーな、人類」 3月22日セットリスト

Talkin' about Stones
「凄かった!!!」 3月24日セットリスト
「3月22日!!!」 3月22日セットリスト

ハタハタ/ミジンコジャズライブ

2006-03-06 04:30:54 | 最近聞いた音楽
ミジンコ研究家として有名なジャズプレーヤー坂田明の「ミジンコ 静かなる宇宙(MIJINKO, A Silent Microcosm)」の特典映像として収録されているものです。
新宿ピットインでのライブでメンバーは
 坂田 明(as)
 黒田京子(p)
 バカボン鈴木(b)
坂田明miiとして活動しているユニットだそうです。

坂田明といえば、山下洋輔トリオ(古いなぁ)のフリースタイルなサックスを思い浮かべてしまうのですが、この曲はアルトサックスが静かにしみ込んでくるような叙情的な演奏です。叙情的とはいえ、はやりの「癒し系」ではなくて、太古のシャーマンが静かに唱える祈りのように聞こえます。

本編の中で、坂田明は、ミジンコから2つの事を学んだと話しています。
一つは、ある生命Aの死が、別の生命Bを生かすという事。
坂田明によると、アイヌ語で「ウレシパモシリ」という言葉があるそうですが、その意味は「互いに育て合う世界」だそうです。以前、梅原猛の著書で「オミアゲ」というのは、神様から遣わされたクマが自分の命と引き換えに、人間に「身」をもたらしてくれる事だ、ということを読んだ記憶があります。DVDの中で坂田明も話していますが、科学の言葉では「食物連鎖」とか「生態系」という言い方をしますが、そういう言葉を使うときに「いのち」とか「からだ」というものが忘れられてしまっているような気がします。ご飯を食べるときに言う「いただきます」。これは生命Aを生命Bとしての自分の命のもととして奪い取る事。生命Aによって自分が生かされるという事、簡単な事ですが忘れないようにしないといけないと思います。

そして、もう一つ、ミジンコには人間の愛が通じない。
ミジンコはミジンコの都合で生きている。あらゆる生き物が、自分たちの都合で生きている。それで何故かうまい具合に世界が成り立っている。そこに、人間が勝手に「愛」なんて持ち出しても、受け入れられる余地は無い。
坂田明のこの考えは、「愛」に対する諦めというよりは、坂田明流の「愛」の解釈。世界は誰かの「愛」で作られているのではなく、命のやりとりをしながら育てあっていく。高みに立って一方的に注ぎ込むような「愛」なんてあり得ないという事ですね。

しかし、そうは言っても、坂田明のミジンコジャズライブには、慈愛の響きを感じる事ができます。人間の目にやっと見えるか見えないか程度のミジンコ。この小さきものと、さらに小さきものの命。そして、ミジンコを食べて育つ、より大きなものの命。そして、身勝手な「愛」を注ぐ事しかできない人間。これら全てのものを慈しむかのように、坂田明のサックスは語りかけてきます。そこに、坂田明の哲学を感じる事ができます。

坂田明オフィシャルサイト

A Day In The Life / Wes Montgomery

2006-03-04 05:30:43 | 最近聞いた音楽
高校~予備校時代・・・もう四半世紀も前、テレビの主役は今のようなバラエティではなくて、ドラマでした。しかも、いまのような録画装置がご家庭に1台という時代ではなかったので、一度見逃してしまった番組はなかなか見る機会がありませんでした。
そんな昔の話ですが、午後の3時頃TBSでは、ちょっとバロックっぽくもありポップスっぽくもある「タララタリラりタ~ン」という曲に合わせて始まる、人気ドラマの再放送の時間がありました。この曲こそが、クリード・テイラープロデュース、ドン・セベスキー編曲による、ウェス・モンゴメリーの「Fly Me To The Moon」でした。

ウェス・モンゴメリーとの出会いは、7つ年上の兄がもっていた「A Day In The life」のアルバムでした。

ウェスモンゴメリーの柔らかなギターに、ドン・セベスキーのアレンジした軽やかなストリングがかぶさる、ちょっとお洒落なサウンドが新鮮でした。(当時、タバコはまだ「おしゃれ」な小道具だったんですね)

今回、CDを引っ張り出して聴いたのはこのアルバムではなくて、後にA&Mゴールドシリーズとして発売されたベスト盤。こんな曲が入っています。
1.A Day In The Life
2.When A Man Loves A Woman
3.Eleanor Rigby
4.Windy
5.Road Song
6.Greensleeves
7.Yesterday
8.Fly Me To The Moon
9.Down Here On The Ground
10.Georgia On The Mind
11.Watch What Happens
12.The Joker
1,3,8は言わずもがなのビートルズの名曲です。3,8はありがちですが1はビートルズの「サージェントペパー」の中でも実験的な(というか、ジョンらしいお遊び的な)曲。ロン・カーターのゆったりしたベースに導かれ、ハービー・ハンコック、グラディ・ナイト、レイ・パレットのリズム隊が主役の登場を待ちます。
やがてゆっくりと「I read the news today oh boy」とウェス・モンゴメリーの柔らかなギターが聞こえてきます。「He blew his mind out in a car」のあたりで、もう一人の主役であるストリングスが「ウヨウヨウヨウヨ」と見え隠れしてきます。
曲が転調し、ポールのパート「Woke up, fell out of bed」あたりから、ストリングが活躍し始めて、やがて曲全体をウワァ~と包み込み、夢の中の世界へと運び去ってしまいます。

今聴くと、どの曲も懐かしく、美しく、そして今でも輝きを失っていません。もっとも、このCDを買った時点でウェス・モンゴメリーが他界してから20年近くが過ぎていたと思います。「懐かしい」というに十分な時間が過ぎていたわけですが、それからさらに20年過ぎてもあいかわらず、懐かしく、美しく、生き生きとしています。

そして、このCD購入を期に、一気にCTIものに嵌まっていたような記憶があります。