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おいみず亭 Family & Friends

美味しい食べ物と知的好奇心、そして楽しい仲間!!

ウェザーリポートへの道 (その1)

2007-01-13 16:42:36 | 最近聞いた音楽

ある日、電車の中の吊り広告に目が張り付いてしまいました。
この写真は、ジョー・ザビヌル?
龍宮社というところから出ているZという雑誌
曰く「青二才禁止! 55歳以上限定!!」
団塊の世代の退職後のライフスタイル間が新といったところでしょうか。
その創刊号の車内吊り広告にジョー・ザビヌルが登場していました。
驚いたことに、2号の吊り広告もまたジョー・ザビヌルでした。

その広告を見ている間に、ウェザーリポート(以下WR)を聞いてみようかな、という気持ちになりました。
WRって、兄が何枚かアルバム持っていたので、それを横から聞いていただけでした。そのころは、ソフトマシーンやGONGなどカンタベリー系のロックを聞いていたので、WRはちゃんと聞いたことありませんでした。
そこでTSUTAYAから何枚かまとめて借りてきて聞いてみました。

まず最初は1stアルバム「Weather Report」。
でも、その前に予習として、WRの歴史を振り返ってみました。
マイルスデイビス暦にWRのdiscographyを記してみました。


1969
 M: In a Silent Way
 M: Bitches Brew
1970
 M: Live/Evil
 M: Black Beauty
 M: Get Up with It
 M: at Fillmore
1971
 W: Weather Report
1972
 M: On the Corner
 M: in Concert
 W: I sing the body electric
1973
 W: Sweetnighter
1974
 M: Dark Magus
 W: Mysterious Traveller
1975
 M: Agharta
 M: Pangaea
 W: Tale Spinnin'
1976
 W: Black Market
1977
 W: Heavy Weather
1978
 W: Mr. Gone
1979
 W: 8:30
1980
 M: The Man with the Horn
 W: Night Passage
1981
 M: We Want Miles
 W: Weather Report
1982
 M: Star People
1983
 M: Decoy
 W: Procession
1984
 M: You're Under Arrest
 W: Domino Theory
1985
 M: Aura
 W: Sportin' Life
1986
 M: Tutu
 W: This is This
1987
 M: Siesta
1988
 M: Amandla
1990
 M: Dingo
1991
 M: Doo-Bop

確かIn a Silent Wayにショーターとザビヌルが参加しているので、WRとしての1stアルバムはそれから2年後のリリースとなります。
電化マイルスがアガ・パンに向かってより混とんとしたもの/渾然一体としたもの向かっていくなかで、WRはTale Spinnin'に向けて、フュージョン化していきます。
そしてジャコ・パスのいた絶頂期を経て、80年のマイルスの復活とともにラストアルバムThis is Thisに向けて最終コーナーを曲がった。
・・・そんなイメージがあります。

それはさておき、1stアルバム。

1曲目「Milky Way」。
銀河の中を飛び交っている、ビッグバンの名残の電波のような、グガーンと響くキーボード。フッと一音だけ吹かれるサックス。WRの「スペイシー」と評される音が、その後のWRワールドへの導入部になります。
この曲、iPodで聞くとその他の意図した、あるいは意図しないノイズが混ざり合って、ますます宇宙的です。

1stアルバムなので当然なのかもしれませんが、WRらしさが十分発揮されたアルバムだと思います。スペーシーにしてダウン・トゥ・アース。マイルスジャズ学校を卒業した、電化ジャズコンボとしてのWR。
このアルバム、とても気に入りました。

今回、このアルバムを聞いて気がついたのですが、ショーターのサックスの、甘く、ビブラートのかからないストレートな音。荒井由美(当時)の声と良く似ているような気がしました。





1. Milky Way
2. Umbrellas
3. Seventh Arrow
4. Orange Lady
5. Morning Lake
6. Waterfall
7. Tears
8. Eruydice

Personnel
Wayne Shorter: Tenor and soprano saxophones
Joe Zawinul: Electric and acoustic piano
Miroslav Vitous: Electric and acoustic bass
Alphonse Mouzon: Drums, voice
Airto Moirera: Percussion
Barbara Burton: Percussion (uncredited)
Don Alias: Percussion (uncredited)


ところで、このジャケット、いったい何を表しているのでしょう?
なんだか、昔東京都で使っていた黒いゴミ袋。見るたびにそれをイメージして、困ってしまうのですが・・・

Miles Davis Official site
The Annotated Disography


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Solstice / Ralph Towner

2006-12-22 04:19:41 | 最近聞いた音楽

もうすぐクリスマス。そして今日は冬至。冬至カボチャの日。
確かめたわけではないのですが、冬至の時期って食べ物と結びついたお祭りが、実は世界各地にあるのではないでしょうか? お日様の出ている時間がどんどん短くなっていき、暗い夜が長くなる。暗く寒い冬。その時期に、みんなで集って、わいわい騒いで、おいしいもの食べて、栄養付けて、そしてみんなの力を一つにまとめて、辛く長い冬を乗り越えて、みんな一緒に春を迎えようよ。。。なんか、そういうお祭りが開かれているような気がします。
寒さの厳しくなる季節、彼岸と此岸が近づいているのでしょうか。
そんな季節を此岸で過ごすためには、栄養とよい仲間が必要なのでしょう。


ラルフ・タウナーのこの一枚、実は彼岸に渡ってしまった人たちの追悼のために買ったものでした。
何か静かなジャズがいいなと思ったときに見つけたのがこの一枚。Solstice。
何がSolsticeかというと、5曲目のタイトルがWinter Solstice、つまり冬至。

ラルフ・タウナーというと、オレゴンのギタリストという印象があります。
とはいっても、オレゴンのアルバムは持っていません。FMで流れているのを聞いたことはあると思いますが、アルバムを買って聞くということはありませんでした。ジャズコンボというより、ニューエイジの走りでしょうか。心情的に嫌いじゃない部類なので、いつか機会があったら聞いてみたいと思います(といいつつも、はや10数年)

オレゴンは聞いたことないけど、ラルフ・タウナーこれが2枚目です。
1枚目はレコード屋でたまたま聞いて、ジャケ買いしました。タイトルは忘れてしまいましたが。。。
そしてこのアルバム。メンバーを見て、これは絶対に買いだなと思いました。
ヤン・ガルバレイクとヨン・クリステンセン。ECMは北欧系のミュージシャンに強いです。

内容は、だいたい予想通りのものでした。
ラルフ・タウナーのクラシックギターと12弦のアコースティックギター。静の部分に、ガルバレイクの力強いサックスが割り込みます。
二人を支えるクリステンセンとウェバーのリズム隊。派手ではないけど、個性的。
なんといえば良いのでしょうか、もちのような(?)モチモチしていて、柔らかなリズム。
これぞECMのジャズ。
冬の日だまりの中で、じっとしているような、そんな印象のアルバムです。


Ralph Towner: 12-string and classical guitars, piano
Jan Garbarek: tenor and soprano saxophones, flute
Eberhard Weber: bass, cello
Jon Christensen: drums, percussion


1.Oceanus
2.Visitation
3.Drifting Petals
4.Nimbus
5.Winter Solstice
6.Piscean Dance
7.Red And Black
8.Sand





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クレオパトラの夢 / バド・パウェル

2006-12-16 01:27:15 | 最近聞いた音楽

その本屋は、夜の9時を過ぎると、BGMがジャズに変ります。
いつもはiPodで音楽を聴きながら本を探しているのですが、今日はイヤフォンを外してBGMを聞いてみました。
「クレオパトラの夢」
なんだか、ひさしぶにこの曲を聞きました。
ちょっとマイナーで、日本人好み。良い曲です。

この曲を初めて聞いたのは、村上龍がホストを勤めていたトーク番組「Ryu's Bar」でした。
タララタララララタラーララン
というピアノのイントロが魅力的なこの曲、Ryu's Barでは日本人のピアノトリオが演奏していたと思います。

「いいなぁ、この曲」と思いつつも、Ryu's Barバージョンではなく、オリジナルを聞きたかったので、バド・パウェルを聞いてみました。
バド・パウェルって、バップのイメージがあって、ちょっと苦手だなぁ、という印象を持っていました。だからCD買うまで随分迷いました。ジャズファンにいわせると、バド・パウェルはもっと前の時代のものが本流でしょう、という人もいることでしょう。バド・パウェルを聞くなら、「ジャズ・ジャイアント」とか「ジーニアス」からにしたほうが良いかな、とも考えました。

が、やはり「クレオパトラ」が聞きたかったので、「ザ・シーン・チェンジズ」を聞いてみました。

これが、びっくり。キース・ジャレットかと思うほどの軽やかなピアノ。うなり声も入っています。聞いているうちに、キース・ジャレットがバド・パウェルのパクりかな、とも思えました。
さらに聞いていくうちに、これは天才的な軽さだな、と感じました。なんていうか、モーツアルトの曲が一点の迷いや曇りがないように、バド・パウェルのビアのが迷いの無い軽やかなものに聞こえてきました。

もうすこし他のバド・パウェルも聞いてみたいなぁ、と思いながらも、いまだにこの1枚しか聞いていません。しかも、このアルバムも、もう随分ながいこと聞いていません。
はっきり言って、「クレオパトラの夢」とか覚えていませんが・・・それでも、あのピアノは、今でも心に残っています。

一度聞いたら、ずっと心に残っている名盤ですね。
必聴!!





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Confessions On A Dance Floor / Madonna

2006-11-30 04:42:56 | 最近聞いた音楽
アメリカのビジネスモデルの成功例、マドンナを見ているとそんなことを考えてしまいます。マドンナも歳を重ねて、普通なって来たのかなと思ったら、最近の養子問題。いやいや、いろいろ話題を提供してくれる人です。

そんなお騒がせマドンナですが、我家では「エビータ」のマドンナとして認知されています。それでいながら未だにマドンナの「エビータ」を見ていなかったのでTSUTAYAからDVDを借りてきました。
マドンナは、15才から亡くなった33才までのエビータを演じています。さすがに15才というのはどうかな・・・ですが、美しく、強く、そして人々から愛されたエビータを見事に演じています。

お話の狂言回し役チェはアントニオ・バンデラス。これがまたかっこいい。渋くて、ニヒルで、それでいてエビータのことを優しく見守ります。この映画、マドンナとアントニオ・バンデラスのための映画みたいに、ぴったり役にはまっています。

ベースとなっているのは、ロイド・ウェーバーの「エビータ」。ストーリーも使っている曲も舞台とほぼ同じですが、若干異なる部分もありました。
たとえば「スーツケースを抱えて」は、映画では田舎町からブエノスアイレスに出てきたばかりのエビータが歌っていました。
実は、舞台で見たとき、唐突に現れた感のあるホアン・ペロンの愛人が、エビータに家を追い出されたときに歌っていました。この唐突感はなに? と思っていたのですが、映画を見て納得しました。一歩間違えばエビータがこの少女のようにブエノスアイレスの上流社会から追い出されていたのかもしれません。
それにしても、マドンナがエビータ役を選んだのか、エビータがマドンナを呼んだのか、聖母としての一面と野心家としての一面この二人とても良く似ていると思います。貧民を解放した聖母としてのエビータ。その一方で、ファーストレディーとしての地位を利用した公私混同した政治を行い、アルゼンチンの政治的混を引き起こす。なんとなくお騒がせなマドンナとエビータが重なって見えてしまいます。

さて、このアルバムですが、レオタード姿で踊るマドンナのPVと共に懐かしのディスコサウンドに乗って「マドンナ復活」を印象づけたいた一枚でした。アルバムを聞くと1曲目からラストまで、ノンストップのダンスミュージック。マドンナにもディスコサウンドにも興味の無かった私でもついつい繰り返し聞いてしまいました。懐かしい70~80年代に引きずりもどされたような感じがしました。
全編ノリノリの曲構成ですが、「アイザック」ちょっと中近東風のミディアムテンポの曲、この曲が気に入りました。歌詞は読んでないのですが、マドンナらしくさりげなく社会的なメッセージを織り交ぜているのではないか・・・そんなふうに思っています(はずれているかもしれませんが・・・)

大成功を収めたマドンナですが、なんか、ちょっと弱いもののみかたみたいな顔をのぞかせる、そんなところもエビータと重なって見えてしまいます。


The Return of the Space Cowboy / Jamiroquai

2006-11-25 15:44:54 | 最近聞いた音楽
Jamiroquai、あの不思議なリズム感がどうもつかみきれなくて、いまひとつ「苦手」意識ありました。CMのPVとかみていると、とても楽しそうで聞いてみたいとは思っていたのですが・・・

樹里さんのブログで「The Return of the Space Cowboy」が紹介されていたので、聞いてみました。2ndアルバム。大ブレークの前になるのでしょうか。以外に「スッ」と入っていける音でした。

アシッドジャズというのは、もっとグランビートに近いものかと思っていたのですが、なかなか軽くて(軽い!?)良いものです。もともとジャズロックのような、ジャズでも無いロックでも無いものが好きだったので、ジャズでも無いファンクでも無いこういう「すき間」にあるような音は好きなのかも知れません。

家人が寝静まったあとに、小さな小さなおとで聞いていました。普段使わない一体型のステレオで聴いていたのですが、これがリピート演奏になっていて、何度も繰り返し聞いていました。
意外なことに、夜中に小さな音で聞いていても、雰囲気がピッタリとあっています。ロックは大音量で聞くものと思っていましたが、このアルバム以外と夜の静けさとマッチします。寂しすぎず、やかましすぎない、ちょっと静かに過ごしたいとき流しておくと良いのではないでしょぅか。





The Last Waltz / The Band

2006-11-14 05:37:56 | 最近聞いた音楽
土日、夕食の準備をしながら、GBVとしてザ・バンドのLast Waltzを流していました。

学生時代、ほとんどイギリス・ヨーロッパのロックしか聞いていなかったので、ザ・バンドはほとんど聴いたことがありませんでした。ボブ・ディランのバックバンドとして知ってはいましたが、アルバムは持っていませんでした。
大学に入った頃だったか、「南十字星」を買ったのですが、今一つピンときませんでした。そしてCDの時代になって、バンドをもう一度聞いてみようと思い「Music From Big Pink」を購入。ザ・バンドで買ったのは、この2枚。あとは、ディランの復活ライブ。これもCDになってから買ったものでした。

The Last Waltzは、高校時代の友人のY君に貸してもらって聞いたことがありました。ザ・バンドのラストコンサートに、バンド縁のある様々なゲストミュージシャンが集います。
ザ・バンドというのは不思議なバンドで、ザ・バンドとしてオリジナルな音を出しているのですが、バックに回ると徹底的にサポートに徹します。クラプトン、ドクター・ジョン、マディー・ウォータース、そして同郷のニール・ヤングいろいろなタイプのゲストがザ・バンドと共に演奏します。

The Last Waltz、映像は以前テレビで一度観ただけでした。LPで音との出会いが先にあったため、映像についてはそのまま気にせずにいました。
それで、うかつなことに、この映画、マーティン・スコセッシが監督していることについ最近気がつきました。そうなると、是非映像も見てみたいと思うようになりました。そして会社の帰りにHMVに立ち寄ると・・・なんとDVDが1枚980円で売られていました。なんと良い時代になったことでしょう。見たい映像が、そこにある。しかも980円。あまりの安さに、泣いてしまいました。ザ・バンドが、こんなに安売りされるとは・・・

映画は、最初に字幕で
 できるだけ大きな音で上映すること
という但し書きが出ます。そしてロビー・ロバートソン等バンドのメンバーへのインタビューを挟みながら、The Last Waltzコンサートの様子を映し出します。バンドの演奏、そしてゲストとのからみを食い入るように見るのもよいし、今回のようにGBVとして流すのも良し・・・。

DVDには特典映像が付いています。
ガース・ハドソンのキーボードに、リンゴ・スターがリズムを刻み、ニール・ヤング、クラプトン、バンド、ポール・バターフィールド、スティーブン・スティルスなどなど豪華なミュージシャンがジャムセッションを繰り広げます。でも、演奏が次第に盛り上がってきたところで、フィルムが無くなってしまい、まず映像が途切れます。真っ黒な画面からは、ジャムセッションの音だけが流れてきます。そしてそのおともとうとう途切れてしまい、The Last Waltzは幕を閉じます。

ロビー・ロバートソンは、インタビューの中で、ザ・バンドとしての活動は16年にもなるということを話しています。そして、今後長すぎる活動の結果、ジャニスやジミヘンのような最期を迎えるのが怖い、ということも話していました。The Last Waltzの演奏をきいていると、まだまだザ・バンドとして活動していけそうなのですが、メンバー達は少しずつバンドとしての求心力を失っていってしまったのでしょうか。。。

ザ・バンド、このThe Last Waltzで終えたのですが、先にも書いたように活動歴16年間。当時、随分長いこと活動していたものだと思ったのです。様々なミュージシャンと共演したザ・バンド、The Last Waltzはザ・バンドの解散コンサートであるとともに、ロックの歴史の中の一区切りという感じがありました。
このコンサートが行われたのが1976年の感謝祭の日。今年の感謝祭まであと一週間。日本では勤労感謝の日と重なります。あと少しでThe Last Waltzから30年。ザ・バンドの解散から、さらに長い長い時間が過ぎてしまったものです。





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Hot Rats / Frank Zappa

2006-10-13 01:54:26 | 最近聞いた音楽
フランク・ザッパ名義の2作目がこの「Hot Rats」。マザーズと離れて、超絶技巧バンドへと向かい始めたFZ。クリムゾンの「宮殿」、「マクドナルド & ジャイルス」に続く不気味系赤ジャケットシリーズ、ということで。


ある伝説によると、ずっとヒットチャート1位を走り続けていたビートルズの「アビーロード」それを引きずり下ろしたのがクリムゾンの宮殿。さらに「宮殿」を引きずり下ろしたのがこの「Hot Rats」といわれています。

ジャケットはちよつと不気味ですが、中身は良いです。思いっきりジャズロックしています。ジャズロックというより、クロスオーバーとかフュージョンといっても良いような、斬新な音です。それでいながらフランク・ザッパ。どこから見てもフランク・ザッパなのですが、血中フランク・ザッパ度はかなり低いです。初めての人でも聞きやすい一枚だと思います。

1曲目「Peaches en Regalia」。名曲。
イントロからしてフランク・ザッパです。
フランク・ザッパの音というと、マリンバ。しっかり入っています。ブラス楽器のユニゾン。もちろんあります。いろいろな楽器が、テーマを追いかけるように現れては、消え、次の楽器が引き継ぎ、そしてまた次の楽器が現れて、その次に引き継ぐ・・・、アルバム全体の序曲のように、そしてその後のフランク・ザッパの大活躍を約束するかのように唄いあげます。
音を一つ一つ解きほぐしていくと、緻密にして、大胆。濃密にしておおらか。ポップにしてアバンギャルド。ロックだのジャズだのプログレだの、さらには時代さえも軽々と飛び越えてしまう。名作たる所以だと思います。

しかし、やはり恐るべきフランク・ザッパ。この名作アルバムでさえ、フランク・ザッパの入り口のほんの一角にしか過ぎません。FZにのめり込みたい人には、格好の入門盤だと思います。


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Yellow Shark / Frank Zappa,Ensemble Modern

2006-10-06 03:43:16 | 最近聞いた音楽
どうやら、フランク・ザッパが好きみたいです。

高校のころ、友人のY君から、何枚か借りて聞いてたのですが、最近なんだか無性に聞きたくなります。
ということで、家にあったフランク・ザッパのCDをiPodに取り込んで聞いていました。
このあたりのアルバムについては、追々紹介したいと思います。

なんども繰り返して聞いているうちに、やはりあれを聞かなくてはいけないかな。聞いてみたいな、という気分が高まって、衝動買してしまいました。最もかなり前から一度聞いてみたいと思っていたので、衝動買というわけでは無いと思いますが・・・

「Yellow Shark」は、Ensemble Modernという現代音楽専門の室内合奏団との共演です。そして、フランク・ザッパ自身の最後の作品となってしまいました。

フランク・ザッパというと、どうしてもシニカルで、下品で、卑猥なイメージがつきまといます。意識的にそういうイメージの作品を作って、常識に凝り固まった物の見方を覆そうとしていたのでしょう。そして、ザッパ自身が超絶技巧なギタリストであり、なおかつバンドのメンバーも絶技巧なつわものばかり、ブルースからロック、ポップはもちろんジャズや現代音楽の領域まで、境界を越えた演奏をライブで瞬時に切り替えるという離れ業をやってのけます。それも、軽々と。しかも、それが音楽的にも優れている、という名指揮者であり名コンポーザーでもあります。
ほとんど何でもこなす、しかも完璧にこなす天才といていいでしょう。20世紀最後の偉大なミュージシャンだと思います。

そんなザッパが最後に選んだパートナーが、Ensemble Modernでした。内容は、当然現代音楽です。通して聞くと、ちょっときついなぁと思うこともあります。が、会社の帰り道、ちょっと疲れたなぁ、というときに聞いてみたら、これがなかなか沁みてきました。
ザッパの弾くあのギターは聞こえませんが、ザッパらしいアルバムだと思います。

でも、ジャケットがちょっと悲しいです。そんな悲しそうな目で見つめないで欲しいです。ザッパはグラミー賞を取った86年のJazz From Hellから、93年のYellow Shark間での間、矢継ぎ早にライブアルバムを発表していました。そのおかげで、素晴らしいライブを聞くことができます。でも、ガンに冒されていた自分の運命を知っていたのでしょうか。まるで、自分のしてきた活動を振り返って整理していたかのように思えます。



Intro
Dog Breath Variations
Uncle Meat
Outrage At Valdez
Times Beach 2
3 Revised
The Girl In The Magnesium Dress
Be-Bop Tango
Ruth Is Sleeping
None Of The Above
Pentagon Afternoon
Questi Cazzi Di Piccione
Times Beach 3
Food Gathering In Post-Industrial America
Welcome To The United States
Pound For A Brown
Exercise # 4
Get Whitey
G-Spot Tornado

ゲド戦記歌集 / 手嶌葵 (その2)

2006-09-15 02:47:33 | 最近聞いた音楽
1曲目の「数え唄」。手嶌葵が伴奏無しで静かに歌います。ちょうどアルバムの導入部のようです。

1曲目から9曲目までが、宮崎吾朗作詞・谷山浩子作曲となっています。谷山浩子、最近聞いていないなぁ、と思ったら、このアルバムで久しぶりに出会いました。谷山浩子といえば、ヒバリが太陽に金かえせと歌う、なんていうなんだか昔話的ファンタジー世界が結構好きでした。あのスコーンて抜けたような声に対して、手嶌葵の声はちょっとハスキーでつぶやきのような感じです。谷山浩子とは正反対の声で、谷山浩子ワールドが新しく生まれ変わったような気がしました。

2曲目「竜」
 昔々の その昔
 歴史が始まる 前のこと
 二つのものは 一つだった
 二つは同じ 一つだった
この曲と続く「黄昏」。崩れ去っていく世界を描いたこの曲、「竜」と共にゲド戦記の世界をよく表しています。

ゲド戦記の歌集なのだから、当然ですが、アルバム全体がゲドの映画の世界を描いています。その全ての詩を宮崎吾朗が書いているのですから、宮崎監督の中には確固たるゲドの世界が描かれていたのだと思います。
と、考えると、映画の方の取り散らかした感がとても残念に思えます。あれもこれもと取り入れないで、このアルバムのようにテルーの目から見たアースシーの世界、ゲドの世界観を描いていたら、きっと素晴らしい映画になったと思います。このアルバムが素晴らしいだけに、本当に映画の方が残念でたまりません。やはり「ジブリ映画」という看板を掲げているので、こういう地味な世界を描けなかったのでしょうか。それとも初監督で、お父さんに遠慮したのでしょうか。「となりの山田君」なんていう映画も作っているジブリですから、もっと監督らしさを押し出しても良かったのではないかと思います。と、言うのは簡単ですが、難しいんでしょうね。是非もう一度ゲドの世界に挑んでもらいたいと思います。
(ゲドの世界としてみると、「春の夜」はちょっと余計な曲かな、という気がします。いい曲ではあるのですが・・・)

手嶌葵の歌声も、このアルバムとよくあいます。手嶌葵というよりも、本当にテルーが歌っているのではないいかと思ってしまうほどです。ただ、あまりにもはまりすぎているので、この先手嶌葵はどうするんだろう、と思うこともあります。強烈すぎるほど印象的な「テルー」という役を脱ぎ捨てて、手嶌葵としてどのように成長していくのか。うまいことテルーから手嶌葵に戻れるといいのですが・・・。アルバムを後2,3枚、このままテルーとして谷山浩子ワールドで過ごして、そこから旅立っていってくのもいいかもしれません。このままテルーとして埋もれてしまうのは残念ですが、困ったことにテルーのイメージしか浮かびません。テルーが龍になったように、手嶌葵もテルーの枠から大きく旅立っていって欲しいと思います。

ゲド戦記歌集 / 手嶌葵 (その1)

2006-09-12 03:44:31 | 最近聞いた音楽

1. 数え唄
2. 竜
3. 黄昏
4. 別の人
5. 旅人
6. ナナカマド
7. 空の終点
8. 春の夜に
9. テルーの唄(歌集バージョン)
10. 時の歌(歌集バージョン)


「ゲド戦記」は外伝も含めて、6巻のシリーズです。

第1巻「影との戦い」A Wizard of Earthsea(1968)
 ゲドの少年時代からローク魔法学院での修行時代の話です。ライバル達よりも優れた魔法使いであるところを見せようとしたゲドは、禁じられた魔法を使って、死を呼び出してしまいます。ローク学院の学院長=大賢人は、自らの命を投げ打って、ゲドが崩した死後の世界と現実の世界のバランスを修復するします。ですが、このときからゲドは死と一緒に呼び出してしまった「影」に脅えながら過ごすことになります。やがて、ゲドはいたずらに脅えるのをやめ、影を追いかけるようになり、そして最後に影の正体に気がつきます。
 このシリーズはゲド「戦記」というタイトルでくくられていますが、ゲドの戦いとはこの影の恐怖を克服しようとする自分自身との戦いです。そこには、軍隊も無ければ、勇猛な戦士の英雄伝もありません。

第2巻「こわれた腕環」The Tombs of Atuan (1971)
 テルーの物語です。アチュアンの墓所の巫女であるテナー(アルハ)。世界の平和をもたらす「エレス・アクベの腕輪」の失われた半分を求めて、アチュアンの地下の迷宮忍び込んだ青年ゲドは、アルハよって地下の迷宮に閉じこめられてしまいます。迷宮の力によって、次第に弱められていくゲドの魔法と、飲み物も食べ物もなく次第に弱っていくゲド。アルハは、そんなゲドの姿をみて、この魔法使いが何を考えているのか、次第に考えるようになっていきます。

第3巻「さいはての島へ」The Farthest Shore(1972)
 世界の均衡が崩れていく中、エンラッドの若き王子レバンネン(アレン)とともに大賢人=ゲドが龍の住む西の果てを越えて、死後の世界まで旅をして世界の秩序を回復します。大賢人ゲドとして、ハイタカの最後の旅であり、ゲド戦記最後の書となるはずでした。
映画の冒頭に出てくる、龍どうしの戦いや、クモの話は、この「さいはての島へ」に出てくるエピソードです。

第4巻「帰還 -ゲド戦記最後の書-」Tehanu, The Last Book of Earthsea(1990)
 第3巻までで一度閉じた「ゲド戦記」ですが18年後に「最後の書」が発表されます。
ここではテナーは農夫の未亡人として暮らしています。そして、父親に焼き殺されそうになっていたテルーを助け、引き取って、育てます。アチュアンの巫女と、火傷を負った女の子の暮らしは、世間からは疎まれて、冷たい視線に晒されます。
 テルーが登場するのは、この4巻からです。テルーは、龍のカレシンによって、本当の名前=テハヌーを告げられます。4巻のタイトルがTehanu, The Last Book of Earthseaとなっていますが、1~3巻までのゲドが活躍したアースシー3部作の締めくくり、というかその後の物語として、ゲドに替わる主人公として、テルーの登場が語られます。

「トンボ」
 ゲド戦記外伝に収められている短編です。ゲドが大賢人の座を降りて以来、ローク魔法学院は、表面はどうにか取り繕っていましたが、内部では大混乱が生じようとしていました。トンボという名の少女が、魔法を習うために学院を訪れます。学院の長達は、あらゆる試験を試みますが、トンボはそれをクリアします。学院で学ぶだけの資格を持ちながら、女性であるというだけの理由で、これを拒むことができるのか。長達は、トンボの出現に狼狽えます。
 ゲド戦記のサイドストーリーとしての短編ではありますが、「帰還」と「アースシーの風」を結ぶ、重要な作品です。

第5巻「アースシーの風」The Other Wind(2001)
 「帰還 -ゲド戦記最後の書-」で幕を閉じたかと思われたゲド戦記ですが、そのさらに11年後。21世紀になってから新しい物語が発表されました。
 エンラッドの国王となったレバンネン。レバンネンの良き友人としてのテナー、テルー親子。そして老人となって、何も活躍しないゲド。「帰還」を引き継いだこの物語は、全体的に整理がついていないような雰囲気でした。ゲド=男性を中心に描き上げていたアースシーの物語を、テナー、テルーそれにレバンネンの婚約者となったセセクラによって女性原理の世界に再構築しようという意図が見えます。思慮と思索の人ゲドが作り上げた世界。戦も戦闘もない、調和のとれた世界ですが、それでもそこは男性原理による世界。暗黙の了解として、権威や権勢によって形作られたヒエラルキーが存在します。それを女性原理に基づいた社会に作りかえようとしたとき、今まで対立していた異国との調和(=レバンネンとセセクラの婚約)、人と龍の新しい関係が必要になったのではないでしょうか。現実の世界情勢が、アースシーの世界をも飲み込んでしまったのかもしれません。
「ゲド戦記」映画の中で、テルーが龍になるエピソードは、「アースシーの風」の中でも最も重要な場面です。だから、映画でも、もっと大切に、丁寧に描いて欲しかったと思います。

(以上、Wikipedia「ゲド戦記」を参考にしました)

Demons and Wizards / Uriah Heep

2006-08-09 18:23:56 | 最近聞いた音楽
Wizard繋がり・・・

ついこの前のこと、家のCDを漁っていたら、このアルバムを見つけました。久しぶりに聞こうかな、と思っていたら、時々メールをくれる友人から「ヒープ聞きたくて、アルバムを注文しようとした」というメールが届きました。
紙ジャケットで再発されたんですね。
ある種のシンクロニシティ?

このアルバムは、ジャケットに惹かれて買いました。

Yesのアルバムで知られるロジャー・ディーンの作らしく、アルバムの内容とジャケットのイメージがぴったり一致しています。


実は、ハードロック系はあまり積極的に聞いていませんでした。特にZep、パープル、サバス、ヒープというところは、誰かが聴いているので「いまさらノコノコ参加してもしょうがないでしょう」という気持ちもありました。(基本的に、人と同じことしたくないな、という気持ちもありました)
ということで、ユーライヤヒープデビューはとても遅くなってしまいました。

今、改めて聞き返すと、ハードロックというより、アコースティックで、ファンタスティックな作品になっています。そして、口ずさむことができそうな、親しみやすいメロディー。アルバムの発売が72年。この時代はロックの地平線が遥か彼方にあって、各バンドがそれぞれ自分たちの音を発見するために、いろいろ実験していた時代です。このアルバムを聞いていても、音作りをどうしようとか、アルバム全体をどうやってきかせたいいかとか、いろいろと知恵を出して試行錯誤していたにちがいない、と感じることができます。
それから30年。ロックが開拓され尽くされた感のある現在、こういう知的な実験精神を持ったバンドって、出にくくなってしまったのでしょうか。

A Wizard, a True Star / Todd Rundgren

2006-08-09 17:54:35 | 最近聞いた音楽
ジャケットのせいでLP時代は買わなかったアルバムです。


トッド・ラングレンというとプロデューサーとしても有名ですし、とにかくいろいろな方面で活動する多才なミュージシャンというイメージがあります。自身のアルバムはというと、アバンギャルドでいながらポップ。ポップでいながら、知的。知的でいながら、子供っぽいところあって、とにかく一筋縄ではいかないミュージシャンというイメージがあります。
コンピュータ屋のジャーゴン(符丁・・・)でWizardというと、コンピュータのことをなんでも良く知っていて、凄いプログラムもあっという間に作ってしまうような一のことをさします。このアルバムタイトルのA Wizardも、まさにトッドのことを指しているように思います。

1. International Feel
2. Never Never Land
3. Tic Tic Tic, It Wears Off
4. You Need Your Head
5. Rock & Roll Pussy
6. Dogfight Giggle
7. You Don't Have to Camp Around
8. Flamingo
9. Zen Archer
10. Just Another Onionhead; da da Dali
11. When the Shit Hits the Fan/Sunset Blvd.
12. Feel Internacionale
13. Sometimes I Don't Know What to Feel
14. Does Anybody Love You?
15. I'm So Proud: Ooh Baby Baby/La la Means I Love You/Cool Jerk [Medley]
16. Hungry for Love
17. I Don't Want to Tie You Down
18. Is It My Name?
19. Just One Victory

1曲目のInternational Feelから12曲目のFeel Internacionaleまでは、どちらかというとアバンギャルドなポップ。正直いって、ちょっとこんなにまとめて聞かされるのは辛いな、というところもありますが・・・でも、この「アバンギャルドにしてポップ」というのは、何者でもないトッド・ラングレンそのものであり、なんとなくそこに惹かれて、嵌まってしまうんです。
13曲目以降は、一点普通のポップ。15曲目のメドレーのように、ソウルミュージックをカバーしているのですが、単にカバーしているというより、心の底からリスペクトしているのが伝わってきて、トッド・ラングレンの原点を見るような気がします。

ということは、トッドラングレンを一言(?)で表すと「アバンギャルドで、ポップで、ソウルフル」ということでしょうか。この「ソウルフル」である所以か、「まとめて聞かされるのは辛いな」と思いつつも、他の作品も聞いてみたくなります。

シド・バレット

2006-07-13 05:40:37 | 最近聞いた音楽
昨夜は、世界中でピンクフロイドやシドバレットが最もたくさん聴かれた夜だったことでしょう。
最近は、隠遁生活していたということで、直接影響力を持っていたわけではありませんが、なんかすごく大きな区切りがついてしまったような気がします。


夏の夜の夢

2006-07-05 03:34:53 | 最近聞いた音楽
昔の杉並公会堂が取り壊されたときには、ちょっと悲しい気分になりました。小学校の頃から、いろいろなイベントで訪れていた場所でした。

それが今年6月、ガラス張りのきれいな建物になって新装オープンしました。7月2日の日曜日に、八雲オーケストラの定期演奏会を、オープン間も無い杉並公会堂に聴きに行く機会がありました。

生のオーケストラを聴くのは久しぶりです。数年前、バレエの公演で聴きいたことがありましたが、広い会場で音響はいまいちでした。杉並公会堂の大ホールは、音響が良いのか、オーケストラの楽器が振動して音を出すのが感じられるようでした。

曲目は
 ワーグナー マイスタージンガー第一幕への前奏曲
 メンデルスゾーン 夏の夜の夢(抜粋)
 ブラームス 交響曲第1番 ハ短調
夏の夜の夢の軽やかさが、とても印象的でした。