経済(学)あれこれ

経済現象および政策に関する意見・断想・批判。

平成不況に関して(11)

2020-06-02 17:45:36 | Weblog
 平成不況に関して(11)

ではどうすれば良かったのでしょうか?バブルの時点に帰って考えてみましょう。まず資本輸出があります。余った円を外国特に後進国などに投資してそこで産業を興し、人件費と租税を納め、それ以外つまり利益を国内に持ってくる事です。もう少し相手の国にサ-ヴィスしないといけないかも知れません。ただしこのやり方は相手の国の発達程度や民度さらに文化の質の差により障害も生じます。この方向も日本は取りました。最初アセアン中心でしたが途中から中国に切り替えました。中国は人口が多く、独裁でまとまりやすいからです。人口の大きさによる需要の大きさと安い賃金が魅力でしょう。この時点では政府のいいなりになる独裁国家の民衆はある意味で御しやすいとも言えます。しかし資本輸出は競争相手を育てます。
 もう一つの選択は米国の圧力を徹底的に排除することです。この方向を執ると必ず戦争になります。日本には充分な戦力はありませんから、話になりません。包括的経済協議とかス-パ-301条やミニマムアクセスなどは前大戦のハルノ-トに当たるものです。
 次なる処置は余った円で金を買い、金をそのまま日銀の金庫に保存しておくことです。経済の不胎化です。資本の機能の一部を停止してしまいます。こうすれば経済は安泰ですがその代り世界経済は縮小停滞します。
 さらなる選択は日本が金融業に徹する事です。余った金を他国に貸して利子で食う。このような例は世界史に多々あります。ヴィザンツ帝国、ヴェネチア、オランダなどなどです。長期的にはこれらの国はすべて衰亡するか第一線から撤退しています。

「君民令和、美しい国日本の歴史」文芸社刊行


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