経済(学)あれこれ

経済現象および政策に関する意見・断想・批判。

歴史は繰り返すのか?

2013-10-14 02:38:42 | Weblog
   歴史は繰り返すのか?

 歴史は繰り返すといわれる。命題の当否はともかくとして、現在気になる問題が三つある。中国および韓国の動向と、米国の財政問題だ。
 まず米国の財政問題から論じてみよう。米国はリ-マンショック以来恒常的な不況にある。オバマ民主党政権は米国の政治経済のアキレス腱ともいえる医療等の社会福祉問題を解決しようとして通貨供給量を増やそうとしている。基本的にはこの対応は正しい。それに対して野党の共和党は財政均衡の立場からオバマ氏のやり方に反対している。米国では法律で貨幣の総供給量が制限されている。いわゆる財政の崖という問題だ。ところでこの問題は1929年の大恐慌の状況と似ていないか?当時の日本の井上財政は米国の不況を無視して金解禁に踏み切った。米国の不況は日本の輸出を阻害し日本の経済を不況という困難に追い込んだ。台風に向けて窓を開いたと揶揄された事態だった。現在日本は消費増税に踏み切った。財政均衡という錦の御旗のもとに。米国の不況にも関わらず。事態は似ていないか?中国経済も不安定だ。むしろ崩壊寸前とも言われている。そういう外需があまり期待できない状況で、つまり内需喚起が要請される状況で、消費増税という金解禁に似た緊縮財政に舵をとる。80年前と事態は似ていないか?
 第二。アメリカが財政問題で関心を内政にとられ、その分アジアへの関与は後退する可能性がある。中国の東および南シナ海への進出は脅威だ。アメリカが後退した分、日本がその責をとらねばなるまい。ところでこの状況は日清戦争前後の状況と似ている。1990年代、アメリカはまだアジアに進出していなかった(米西戦争1898年)。フランスは仏印三国を植民地化したばかりでかの地の統治に専念せざるを得なかった(仏領インドシナ連邦成立1887年)。イギリスもビルマとマレ-の植民地化に忙しい。加えてアフリカでは英仏の対立があった(ファショダ事件1898年)。ロシアは東清鉄道をまだ造っておらず満州への進出までにはなお時間があった。東亜の地域はこの時期西欧列強の勢力の真空地帯になっていた。そういう情勢下において日本と清国は東亜の覇権をかけて戦争を行なった。これも現在進行しつつある状況と似ている。
 第三。現在韓国が迷走している。反日(その背後には反米)の感情に煽られて、対北融和、対中接近の動きを見せ、東亜の軍事外交の根幹である日米韓の対中戦線は動揺している。加えて韓国の経済は危ない。これもいわゆる朝鮮併合にいたる状況に似ている。当時、つまり日清戦争から朝鮮併合にいたるまでの李氏朝鮮の右往左往ぶりは甚だしかった。日本、清国、ロシア三国の間を動き回り、朝にA国夕べにB国を頼るような有様で、確固とした外交方針はなく、事大主義による妙なプライドだけ高く、内政改革はほぼなく、国論は統一せず、軍事力は脆弱で、周辺諸国をいたずらに奔命に疲れさせるのみだった。いわば東亜のコックピット(闘鶏場)であり不安定要因であった。どこかの国が朝鮮半島を保有しないと何が起こるか解らない情勢であった。日本は列強に乞われて朝鮮を合邦した次第だ。日本にもこの問題に関しては賛否両論があった。初代韓国統監伊藤博文は反対だった。理由の一つは財政的にお荷物になるということだ。
 以上感じるままを述べた。状況は100年前と似ている。歴史は繰り返すのか?
(注)日本は朝鮮半島を30年間統治下したが、朝鮮総督下の財政は赤字続きで毎年予算の10%以上を日本の予算から補強していた。1965年米国の要請下に結ばされた日韓基本条約で日本は朝鮮半島に投資したものすべてを放棄ささられたが、その総額は当時に金で50億ドルに上る。現在の金額に換算すれば30兆円になる。併合期間中日本は毎年1兆円の資本を朝鮮半島に投下している。その上基本条約では総額6億ドルの補償をさせられている。散々面倒をみさされて、感謝されるどころか憎まれ、ありもしない嘘をまき散らされる。今度合邦してくれと言ってきてもお断りだ。歴史を繰り返さないためには、韓国とはなるべくお付き合いしない事だ。ちなみに私は朝鮮半島の南北両断は周辺諸国つまり日中米ロにとって好もしい状況だと思っている。38度線は自国を統治するに相応しい知性を備えていない朝鮮民族の迷走をとめる閂(かんぬき)になっている。

コメントを投稿