経済(学)あれこれ

経済現象および政策に関する意見・断想・批判。

戦後七十年首相談話に対しての意見

2015-02-24 15:30:19 | Weblog
 戦後70年首相談話に対しての意見

 2015年8月15日の時点で我々は戦後70年を迎える。それに際して安倍首相は談話を発表する予定である。この談話の内容に対して私は安倍首相に意見、いや注文をつけたい。前大戦大東亜戦争に関して一切の反省や謝罪は無用である。この点を精確に言えば、戦争に負けた事を国民に謝罪するのはいいが、戦争そのものへの反省は無用であるということだ。従って20年前に出された村山談話、そこでは痛烈な反省云々が述べられているが、この村山談話の内容を踏襲する必要は全くない。
 反省云々は日本が一方的に侵略戦争を起こしたという倒錯した意見を基盤にしている。これは完全な事実誤認だ、あるいは欺瞞だ。戦争とは当事者の利害が衝突した時に解決するための最終手段である。戦争はあくまでも利害の対立解消の手段でしかない。従って正義の戦争もなければ邪悪な戦争もありえない。戦争は利害衝突の最終的解決手段であるという冷厳な事実を承認しよう。負ければ領土割譲か賠償金支払いでけりがつく。ただそれだけだ。もっとも利用価値が無ければタスマニア人やアメリカインディアンのように絶滅されてしまう。
 大東亜戦争の淵源は満州問題に遡る。満州(シナでは東北地区とか言っている)で日本はロシアと衝突し、日露戦争が起こった。結果として日本は満州に膨大な投資をすることになり、利権が生じた。この満州における特殊権益を保持しようとする日本と、それを奪おうとするシナ(当時は蒋介石政権)との間に衝突が起こり、満州事変日華事変へと発展し、戦線がずるずるとシナ大陸に及ぶに到り、日本の進出に不安を抱いていた米国との対立が激化し、ABCD包囲陣や石油禁輸、ハルノ-トによる挑発を介して日米戦争が起こったというのが、荒筋の経緯だ。ここで留意すべきは満州は決してシナ人の領土ではない、むしろ無主の地であるということだ。満州は女真族の清王朝の領有する土地だった。日露戦争時清国は満州の地で日露両軍が戦闘を行なうのを傍観していた。これは清国が満州の地での主権を放棄したことを意味する。当時満州における権益(投下資本)は日露ともに自力で護らなければならない状況だった。辛亥革命で清王朝は倒れる。後にできた諸々のシナ人の国家(現在の中共政権も含む)には女親族固有の土地である満州を漢民族シナ人の地と主張する権利はない。中共政権、台湾政権ともにそんな事を言っているが、それは歴史の事実に反する。大東亜戦争は満州における日本の権益を護る行為が米国の利害と衝突して起こったということは銘記しておこう。あくまで利害の対立が原点であり、この結果起こった戦争を侵略戦争だというのなら、あらゆる戦争は侵略戦争になる。前大戦への反省謝罪云々の過誤はこのような侵略戦争史観からきている。
 戦争で日本は負けた。戦勝国特にアメリカは日本に懲罰を加えた。この戦争において日本は決して許されない事をした。端的に言えば植民地解放だ。東南アジアは事実上植民地ではなくなった。余波はインド、イスラム諸国、アフリカに及び戦後10年にして世界から植民地はなくなった。アメリカの植民地であり過酷な支配を受けていたフィリピンも解放された。このような事実と結果はそれまで支配民族であった欧米の白色人種には悪夢であり許されざる行為だった。だから戦後日本の思想的自由と誇りと能力を貶める試みがいろいろ行なわれた。その典型が平和憲法なるものだ。自国を護ってはいけない、敵の侵入に反攻してはいけない、日本以外の国はすべて善意に満ちた平和的存在だという唖然として考えられないような教条が押しつけられた。
 戦争裁判が行なわれ勝者の一方的主導のもとに何千人もの日本人が処刑された。戦争犯罪の名で。また多くの指導者は追放された。戦争を行なう以上戦争遂行に協力するのは当然だが、彼らは追放された。一例だけ挙げておこう、松下幸之助だ。戦争は日本の一方的な侵略戦争だとされた。民主主義特にアメリカ流の民主主義が押し付けられ、民主主義国家の戦争は常に正義であるという欺瞞がまかり通った。南京事件での30万人虐殺(物的証拠を一切欠く)とか慰安婦の強制連行(アサヒがゲロを吐いた)とかという虚偽がまことしやかに流され、日本人悪玉論がはびこった。米国が行なった蛮行民族抹殺の企て、広島長崎への原爆投下、東京大阪名古屋への無差別爆撃の事実は覆い隠されまともな報道はできなかった。このような蛮行で殺された日本人の数は100万人を超える。ちなみに戦死傷者数は略300万人。
 前の戦争、大東亜戦争の背景はこのようなものだ。戦争遂行そのものに対して一切反省や謝罪をする必要はない。安倍首相はそこのところを十分に自覚して談話を発表して頂きたい。
 日本に反省や謝罪を一番執拗に要求しているのはシナと韓国だ。事情がある。前大戦でほとんどの国は戦ったか解放されたかだ。蒋介石政権は重慶に逃げ込み最初の一年を除いてほとんど戦闘はしていない。中共政権は日本降伏後の国共内戦で国民党を台湾に追いやっただけだ。韓国に到ってはただアメリカから国家を与えられただけ。つまり自助努力なきままにたなぼた式に国家を獲得したのだから、政権の正当性に著しくかける。そこで侵略戦争史観を吹聴し日本を非難しているだけだ。そうしないと国が保てないのだ。ここのところも銘記しておこう。
(注一)米国による日本弱体化政策の一環として日本の脱工業化の試みがある。戦後日本は農業国家になるべしとして、日本の工業設備一切を東南アジアに持って行こうとした。仮に日本を純農業国家にすれば養える人口はせいぜい3000万人、残り5000万人は餓死するしかなくなる。航空機の開発生産は禁止され、それまで世界一の水準に達していたTV開発は禁止された。核関係の技術も同様だ。
(注二)戦後日本陸軍は白兵突撃主義で技術無視だと盛んに言われた。トヨタの歴史を読んでいて気づいたことだが、陸軍は軍を機動化するために必死になって国産自動車産業を育てた。自動車産業育成に熱心だったのは当のトヨタやニッサンより、陸軍そのものだった。軍民とわず日本の産業技術は開戦当時相当なものだったらしい。でなければ4年間も総力戦なぞできるわけがない。日本の技術力は不当に貶められて教えられている。この事は特攻攻撃にも言える。米国は特攻はほとんど効果がなかったと宣伝しているが、米兵が特攻を恐怖していたことは事実だ。戦後「戦場にかける橋」という映画が上映された。ビルマ戦線で日本軍には鉄橋を懸ける技術がなく、捕虜の英米人が智恵をさずけるとかいう荒筋だが、馬鹿馬鹿しい。山河渓谷に富む国土に鉄道を敷きまくった日本にその程度の技術がないとは、よくこんな映画を作ったなとあほくさくて仕方がない。
(注三)日本の思想統制の例を二つ挙げる。歌舞伎と時代劇は講和後までは禁止された。封建主義を教えるからという理由で。義務教育から歴史という科目はなくなり代って社会科という科目になった。日本人は自国の歴史を学んではいけないらしい。歴史教育の意義について悲劇的例を一つ。フィリピンはスペインに征服された時、それまであったらしい文字を一切抹殺された。そして支配者の宗教であるキリスト教を押しつけられた。支配者がアメリカに変わっても同様。結果として英語が公用語になり、母国語の教育はおろそかにされた。識字率は低く国民意識は育たない。フィリピンという国名自体が征服したときのスペイン国王の名前フェリペから来ている。惨めなものだなあ。
(注四)私は米国流の民主主義はどうしても好きになれない。それは彼らの思考には国家共同体解体の傾向があるからだ。ところで民主主義なるものには日本にも先鞭はある。戦前の政党政治はむろんのこと、明治維新以前にも日本にはその手のものはあった。共同体成員の合意形成方法を民主主義というのなら、日本は多分その伝統では英米よりも早い。詳細は省くが。維新の時点で日本の識字率は世界一だった。共同体成員の円滑な合意形成システムなくしてこんな事はありえない。
(注五)アメリカは戦後、土地改革、独占禁止法など戦後改革なるものを押し付けた。それではアメリカ本国はどうなのか。農業資本家という地主は圧倒的であり、資本は少数の家族に独占されている。
(注六)戦後平和平和と騒いだのは共産党と旧社会党だ。彼らはシナやソ連は決して戦争をしない平和勢力だと宣伝していた。社会党は一般大衆の支持を得られず衰退してなくなった。共産党は低迷を続けている。ところで社会党解体時の衆院議員は約70名だった。3年間政権を担当し日本を危機のがけっぷちに追いやった背信政権の民主党も現在約70余名の議員を抱えている。つまり旧社会党がそのまま民主党になったのだ。村山談話の主村山富市氏は旧社会党に属していた。左翼に政権を取らせるとろくな事がおこらない。政策遂行の方法論を持たず、国防意識は皆無で、理想論のみ述べ立てる。民主党の岡田氏は70年談話で村山談話を踏襲するように安倍首相に要請しているが、この態度は旧社会党のそれそのものだ。
(注七)ハルノ-トという言葉を知っている人は少ないと思う。開戦当時の米国国務長官ハルは最後通牒として、日本は満州はおろか台湾朝鮮からも引き上げろと明言している。戦争に負けて結果としてそうなったが。
(注八)中韓両国の執拗な謝罪要求の裏側は既に述べた。肝心な事はこのような要求の背後にあるのはアメリカの意志だということだ。アメリカの反日政策に乗って中韓は自己の正統性を喧伝している。台湾に関して一言。蒋介石が台湾にやってきてまずしたことは知識人3万人の虐殺だ。(2-28事件)ちなみに当時の台湾人口は600万人。日本統治下の台湾知識人はほとんど抹殺された。そして日本が台湾に残した資産はすべて国民党の所有となった。国家国民ではない国民党の所有に。だから台湾の国民党は世界で一番リッチな政党と言われる。そして30年間の長きにわたる戒厳令。台湾では米国は台湾に蒋介石という原爆を落したといわれている。
(注九)インドネシアは日本軍に訓練された独立義勇軍を率いてオランダと3年間戦い独立を勝ち取った。ただしオランダに60億ドルの金を支払っている。韓国は日本から50億ドル相当の資産を与えられている。日本が終戦時所有していた資産を放棄したからだ。満州に関しても同様。中共が国共内戦で勝てたのは、満州に残した日本の資産を利用できたからだ。
(注十)忘れてはいけないのは日本の地理学上の位置だ。日本は清国とロシアに勝って台湾朝鮮南樺太を手に入れ満洲にも強い影響力を行使するようになった。第一次世界大戦でドイツから南洋諸島を供与された。地球儀を見れば解るが千島列島、日本列島、琉球列島、そして南洋諸島は完全にアメリカを大陸から遮断している。そして満州。満州の面積は独仏両国をあわせたより大きい。満州が日本の主権下に置かれたら、潜在的国力はアメリカを上回る。アメリカが日本を恐れあらゆる意味で日本を潰そうとした動機は理解できる。