告知の日からのガン日記(上咽頭がんー丸山ワクチン日記)

08年7月の告知。5年生存率60%の標準治療を断わる。丸山ワクチンを決断。団塊世代、男性。試行錯誤の過程をリアルタイムで

告知から1年10ヶ月目の夜

2010年05月11日 | Weblog
夜中の2時に目が覚めた。口をあけて寝ていたようだ。口の中が乾燥している事に気づいた。鼻が詰まったからではと考えるとまどろむ気持ちが飛んでいった。鼻がつまっている様子はなかったがそれから先は眠りにつけなかった。上咽頭部にあるガンが鼻をふさげば口で呼吸することになる。睡眠の質が悪くなる。このちょっとしたQOLの低下が気になってくる。ガンは大きくならなくとも転移というのもある。肺に転移した時は、骨転移したときは、脳に浸潤したときは・・・。などと個人的な対応マニュアルを考えたりしながら一夜をすごす。寝付けない夜もたまにある。


いつの間にかガンの告知から1年10ヶ月目の記念日が過ぎていた。診察の間がひらいた。検査よりも自分の感覚の方が正しいだろう。喉のところに違和感がある。左耳がかゆい。左手の先にしびれを感じるときがある。肩が凝る。耳鳴りを感じるときも時もある。痰がよくでる。血が混じっている。食欲はある。体は軽い。力は出る。頭はちょっとぼけている。多分、ガンは大きくなっていない、けれど小さくもなっていない。診察よりも緩和ケアには出かけたい気分になった。精神的なケアを受けたい気分になった。丸山ワクチンは頼る存在ではなく、すっかり生活の一部になっている。


言いたいことを書く、がん患者だからこそ

2010年05月09日 | Weblog
全国から注目の的になっている名古屋市の河村市長。議会が全員野党に回る状況であっても自らのマニフェストの実行を図る。そのなかで唯一、撤回したのが陽子線ガン治療施設の建設凍結だった。約234億円の費用がかかる施設建設を容認した。これは、世論や医学者、ガン患者組織からの要望を考慮したものでもある。その直後に新聞に掲載されたのは次のようなニュースだった。


愛知県が同県大府市に誘致を目指す重粒子線がん治療施設で、建設を計画している民間業者が、資金難から予定していた2009年度の着工を断念したことが分かった。着工の延期は07年度に続き2回目。業者は事業継続に意欲を見せるが、県は民間だけの計画では開業のめどが立たないと判断、資金面などで国の協力を求める代替策の検討に入った。

民間業者は、名古屋大名誉教授らが役員を務める「名古屋先進量子医療研究所(アイナック)」。計画では、190億円を投じて大府市の「あいち健康の森」西側に隣接する2万平方メートルの土地に施設を造る。当初は07年度に着工、10年度に開業予定だった。しかし、患者1人当たり治療費が約300万円と高額になることや、名古屋市が別に建設を進める陽子線施設と類似することから、出資を予定していた大手銀行や企業が慎重姿勢に。着工を09年度中に延期したものの、資金は目標額である190億円の半分にも満たないという。愛知県は先端医療の中核拠点になるとして、土地の確保や国との交渉を手伝ってきた。医師の研修制度や患者への無利子貸し付けなど、開業後の支援策も検討していた。  (22年3月14日 中日新聞)


夢のガン治療と考える一般の市民、利益を受ける医学会が治療施設計画の凍結に反対するのは当然のことだが、陽子線治療の対称になるには条件が限られており、多くのガン患者は対象にならないということを理解しているガン患者団体が凍結解除を求めていた理由が解らない。しかも、そのガン患者団体の意思が大きく世論を左右するのである。それでも、無いより有ったほうがよい。民間ベースで建設されることは大いに歓迎すべきこと。その民間施設が計画を断念した理由に名古屋市が建設を進めている陽子線施設がある。さらに重粒子線治療は陽子線治療よりも治療効果が高いとされている。治療を受けるには約300万円の自己負担がかかるということも考慮されたい。私は金持ち優遇の医療と断定する。費用を負担するは均等である。




寝たきり専用賃貸住宅

2010年05月07日 | Weblog
口から食事をとれない「経管栄養」の要介護者だけを対象に入居者を募り、アパート形式で自治体の監督を免れる自称「寝たきり専用賃貸住宅」が愛知、岐阜県内で急増している。入居者1人の費用は月約100万円。その8割以上が介護保険と医療保険で賄われ、訪問看護の医療保険が不正請求されている疑いのあることが、本紙の調べで分かった。関係自治体も状況を把握し、今年に入って複数回、協議の場を持つなど、調査を始めた。

「賃貸住宅」は、名古屋市内の医療系コンサルタント会社が運営。ホームページなどによると5月現在、愛知、岐阜両県の計12カ所に高齢者ら約200人が入っているとみられる。この2年だけで、新たに7カ所建設された。 岐阜県内の「賃貸住宅」に入居していたお年寄りの利用明細などによると、1カ月の費用は99万2000円で、うち15万円が本人負担、残りの84万2000円が公費(介護保険34万円、医療保険50万2000円)だった。

関係する県市町と後期高齢者医療広域連合に本紙が情報公開請求して入手した資料では、岐阜県多治見市と同県土岐市の3施設に入居している約40人について、同様の請求が確認できた。 入居者には1日3回の訪問看護が毎日行われ、介護保険の限度額(自己負担を含め月額約36万円)をいずれも24万円超過。本来なら自己負担となるが「賃貸住宅」に訪問診療する医師が特別指示書を定期的に発行するという「想定外の手法」(厚生労働省)で、超過分を医療保険で請求していた。特別指示書は「容体の急変など緊急、例外的なケース」(同省)だけに認められるが、看護記録などから容体の急変はなかった。医師はどの入居者にも毎月機械的に指示書を発行していた。厚労省は、有料老人ホームなど施設に訪問診療する医師の報酬額は、戸別の訪問診療の4分の1以下にするよう指導しているが、「賃貸住宅=アパート」であることを理由に戸別扱いで報酬を請求していた。

取材に応じた医師の1人は「入居者はいずれも寝たきりで容体が急変するおそれがある。行政から指導があれば改める」と話し、恒常的な特別指示書の発行を認めた。コンサルタント会社の責任者は「入居者は病院を追い出された人たちで、家族も同意しクレームもない。(自己負担額を抑えるのは)経営ノウハウだ」と主張している。 早い時期に施設ができた多治見市と土岐市は、県や厚労省東海北陸厚生局と協議機関を立ち上げ、対策を急いでいる。(中日新聞 5月2日) 


ひどいニュースだ。要介護の人のために作られた善意の仕組みを悪用して利益を得ようとする人間がいる。法律の趣旨にはふれず、盲点をつく。これだから頭のいい人間にはかなわない。しかし、患者やその家族にとっては悪いことではない。1ヶ月99万2000円の費用が15万円で利用できる。ありがたいことだと思っているであろう。この患者のなかには大勢のガン患者も含まれると思われる。06年度の診療報酬改正で、介護保険を利用できるのは原則65歳以上だったが、末期がん患者は40歳以上で利用できるようになった。在宅療法支援診療所という制度が新設され、週4回以上の医師もしくは訪問看護との条件で15万円の患者負担で利用できるようになった。しかし、ガン患者にとっては月15万円の負担も厳しいと感じるところである。それまでのガン治療に多額の出費を強いられている人がほとんどだから。現在のガン治療には多額の出費が強いられる。患者にとっても、保険料を負担する側にとっても不幸な状況はこれからも増すことになる。



ゴールデンウィーク

2010年05月05日 | Weblog
ガン患者は常に迷う。不安定な精神状態にある。気持ちはあっちへいったりこっちへきたり。気分が良いときも悪い時もある。毎日がジェットコースターに乗っているような気分である。前回のブログでは、心の中で思っていることを率直に書いてしまった。そして読まれているガン患者さんを不愉快な気分にさせたのではとも考えてしまった。これはゴールデンウィークのせいだからでもある。好天気でテンションが高くなっているから。

先日、朝日新聞社から出版の「がん患者を生きる」という本を読んだ。大勢のがん患者さんの気持ちが書かれてある。最初に紹介されているのがフィギィアスケート選手の井上怜奈さんだ。21歳の時にアメリカで肺ガンとの宣告を受けた。咳か続いていた。いつも体がだるかった。治療は放射線化学療法。シスプラチンと5-FUと放射線を併用する治療法。もっとも抗がん剤は2回目で耐えられなくなりシスプラチンはやめ、5-FUも極度に減らしたという。治療の効果が認められ、29歳の現在、がんは消え、幸せに暮らしているという。

1年半まえにガンの告知をうけた時のことを思い出す。標準治療を受けないという結論に至るまでには、この部位のガンについて調べ、十分に検討を加え、その後の人生にも思いをはせる。多分これは、どのガン患者であっても同様のことである。医師から示された治療法が放射線化学療法だけだった。耐えることが出来ないと確信し、スッパリ断わった。そして、丸山ワクチンの奇跡が起きることを願う日々は現在も続く。


早期発見、そして早期治療

2010年05月03日 | Weblog
早期発見、早期治療が最善であるというのは間違っていると思う。治療をおこなうことによって、逆にガンの進行が早まることもある。それは、ガン治療によって体の免疫力が低下するからでもある。いままで、免疫力でガンの進行が抑えられていたのが体の免疫システムも傷ついたことでガンの勢いが増すと思われる。

発ガン物質を体の中に取り入れないようにするには難しい。上咽頭ガンの場合では、ヘルペス(に近いエプスタインバーウィルス)による感染が原因だといわれている。生まれたときから既に体のどこかに潜んでいたのかもしれない。ヘルペスは帯状疱疹を引き起こすウィルスで体の免疫力が低下した時に増殖し症状が現れる。

ガンはだれの体の中でも発生しているという説がある。常に免疫という体の仕組みがこの異常なガン細胞を排除してくれているという。この説によるとガン死にならないための最善は、免疫力を低下させないことにつきる。年をとれば、免疫力は低下するので高める必要も生じてくる。

ガンが発見されたときには手遅れというケースも、ガンは自覚症状が伴わないことが多いようだ。早期発見のためには、定期的に検査を受ける必要があるということになる。見つかったガンに対しての現在の標準的な治療が生体の免疫力を低下させる治療であること。これでは一旦は消滅したとしても、免疫力が低下したことで、新たなガンがすぐに発生することになる。原因となったウィルスは潜んでいるからだ。

ガンの宣告を受けたときに感じたこと、将来のガンの克服に繋がるであろう治療法を選択したいということ。免疫力を低める治療法には明日はない。この先、苦痛や不便が大きくなり病状が悪化したと感じた場合は考え方を改めることになるかもしれない、現時点での考えである。生まれたときから人にはそれぞれ違った役割が課せられている。人それぞれに選択も違ってくる。


ピシバニール軟膏

2010年05月01日 | Weblog
OK-432(ピシバニール)は免疫療法やBRM剤として高く評価されているが、皮下注射による皮膚の発赤、疼痛が患者に負担になるため治療を中断しなければならない場合もある。また、外来治療を行う際に、投与間隔が長くなる傾向があり、治療効果で難点がある。


OK-432はA群溶血性レンサ球菌を処理した生物学製剤であり、抗腫瘍効果が認められている。樹状細胞(DC)を成熟させガン細胞傷害性T細胞(CTL)を誘導することが報告されている。


OK-432の粉末を親水性の軟膏基材(ラノリン)と混合し、軟膏にしてマウスの腹部皮膚に塗布した実験がある。腹腔内好中球数、サイトカイン量(IL-6、IFN-γ、IL-2、TNF-α)、血中のサイトカイン量を測定した。この実験の結果からは塗布した場合でもOK-432注射投与によって増加するサイトカインは上昇することが認められた。腹腔内投与や皮下注射に比べると低効率であるが持続的治療が可能な投与方法であると考察されている。


ひとの末期進行消化器ガン症例に対して試された。症例はすい臓がんを含む4例。この場合の血清中サイトカインは増加する例も認められたが、低下する例もみられた。治療に対する満足度に関しては、満足が2例、不変が2例と反応があった例もみられたという。ラノリン4.52gにOK-432 15KEを混合した軟膏を7日間毎日患者さんに塗ってもらっていたという。