告知の日からのガン日記(上咽頭がんー丸山ワクチン日記)

08年7月の告知。5年生存率60%の標準治療を断わる。丸山ワクチンを決断。団塊世代、男性。試行錯誤の過程をリアルタイムで

ガンには免疫力で対抗する

2010年05月23日 | Weblog
ビジネスとしての医療を考えた時、ある種のパラドックスを感じるときがある。体の免疫力を高めることでガンに対抗するという治療法を薦める医師は、きっと儲けが少ないと思う時だ。抗がん剤や放射線治療でのガン治療は免疫力を低下させる。余病を併発しやすくさせる。感染症を引き寄せる。抗がん剤には副作用というのもある。制嘔剤、副腎皮質ホルモン、痛み止め、便秘の薬、多様な薬が必要になる。それらの全てがガンの医療のビジネス部分を支えている。 一方、免疫力を高めることによってガンに対処しようとする医師の生活基盤はあまりにも脆弱である。どちらがガン患者にとって有益かは問題ではない。ビジネスとして成り立たなければ、その主張がいくら正しくとも衰退していくことになる。


さらに、破綻しかけているといわれる健康保険財政についても考えがいく。どちらの治療をガン患者さんが選ぶほうが保険財政の負担にならないのか明白である。保険財政の赤字は、年金と同様、子供たちの世代の負担が増すことに繋がる。


ガン患者団体の主張が理解できない時がある。主張のなかに、抗がん剤のタイムラグをなくしてほしいというのがある。海外では使われている抗がん剤が日本では使えない。それは厚生省の認可手続きが遅いから。自己負担による個人輸入ではなく、すぐ使えるように、保健医療の3割負担で使えるようにして欲しいという主張である。(個人輸入していたときより、認可された後の価格がかなり高く設定され、認可されても患者の支払う費用は軽減されないというおかしな現実もある。) そのほか、早期がん発見のための検診を無料にすることやワクチン代に公的補助を出すべしとの主張も見られる。大多数のガン患者が望んでいることなのだろうか。ガン患者は自分のことを考えるだけで精一杯なのだろうか。たとえそうであるとしても、これらの主張が認められて利益を得るのはだれになるのだろうか。こんなことを考えながらガンと闘う。時折、むなしい気持ちになる。