「ちょっ……なんなのよ!?」
「ジェドマロースよ」
「はぁ?」
「だからジェドマロースだって。 ロシアのサンタクロースみたいな人ね。 本当はロシアのクリスマスって新年なんだけどここは日本だからそこは折衷したわ」
「は……はぁ……?(エリーがクォーターネタを出すときってろくなものじゃないのよね。 大体あんな適当なコスプレじゃサンタさんとジェドマロース?さんとの違いだってわからないじゃない。 それに本物のサンタさんはもっと気品と威厳がありつつも慈愛に満ちた優しい瞳で……)」
「なによ真姫。 クリスマスなのに入院している子どもたちを喜ばせて欲しいって言っていたじゃないの」
「いや……確かにそうだけどだからって…… 大体その物騒なヘリはどうしたのよ?」
「トロイカよ」
「は?」
「トロイカやで」
だから何ふたりして。 バカにしてるの?
「ああ、ごめんなさい。 ジェドマロースさんはソリではなくトロイカに乗ってやってくるのよ。 サンクトペテルブルクのお祖母様にトロイカじゃ東京の街は走れないって相談したら”幼馴染の泣き虫ウラジミールに頼んでみる”だって」
「誰よ? そのウラジミールって…………ってまさか!? プー……」
「しっ! 詮索は無用やで真姫ちゃん」
「……あ、そうなのね。 確かにあまり深く突っ込んじゃヤバい気もするわ」
「真姫ちゃんはお利口さんやね」
「バカにした言い方シナイデ! ……ってか希、あなたはなんなのよ」
「雪ん娘ちゃんやで」
「ナニソレイミワカンナイ」
「だから雪ん娘ちゃんやて」
「希、スネグーラチカよ。 何度言ったらおぼえるのよ。 スネグーラチカはジェドマロースさんとの孫娘で子どもたちにプレゼントを渡すお手伝いをする子なのよ」
「でも雪ん娘ちゃんのほうがカワイイやない? ロシア語って巻き舌でヘンだしw」
「ロ・シ・ア・を・ディ・ス・る・な!」
「あの…… 夫婦漫才してるとこ悪いんだけど、そこドクターヘリが降りてくるところだからとりあえず空けてもらえるかしら?」
「ああ、そうね。 それは配慮が足りなかったわ。 パイロットさんもういいわ、ありがとう。 ウラジミールさんによろしくね」
バリバリバリバリ…………
「はぁ……やっと静かになったわ。(あのヘリの費用ロシア政府がもってくれるのよね? まさかうちに請求がくるってこと無いわよね?)」
「どう真姫? びっくりした?」
「そうね。 びっくりしすぎて気が変になりそうよ」
「私たちのサプライズは何点かしら?」
「なに?」
「そろそろ穂乃果と凛の出し物もくるんじゃないかしら? みんなでだれの演出が一番かを競い合っているのよ。」
「えーっ!! こんな騒ぎがまだ続くのー?」
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