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お着物Enjoy生活からバレエ・オペラ・宝塚etcの観劇日記に...

宝塚雪組「ルパン三世」東京新人公演

2015-03-06 07:33:21 | TAKARAZUKA
実は、すでに3回本公演を観ています。
宙組の完成されたエレガンスに、もう、他の組のちょっと未完成な感じのショーとか、観られないかも・・・。
これだけスラリとした長身を揃えた麗しい宙組を観た後に他の組とかムリかも・・・。

と思っていた自分が嘘のよう。今、絶賛雪組「ルパン三世」「Fancy Guy!」を楽しんでおります。
本公演も色々と語りたいところですが、昨夜観た新人公演が素晴らしすぎて・・・。
とりあえずの覚書を走り書きで・・・。

画像はリニューアルなった宝塚公式HPのスターファイルより拝借。このプロフィールのお写真が新公パンフにも使われていました^^ 主演のひとこちゃんこと永久輝せあさんです。

2015年3月5日(木)18:30~

「ルパン三世―王妃の首飾りを追え!―」

主な配役 (本役) 新人公演

ルパン三世   (早霧 せいな) 永久輝 せあ
マリー・アントワネット  (咲妃 みゆ) 星南 のぞみ
カリオストロ伯爵 (望海 風斗) 月城 かなと

銭形警部 (夢乃 聖夏)   久城 あす
峰不二子 (大湖 せしる)  妃華 ゆきの
石川五エ門 ( 彩凪 翔) 煌羽 レオ
次元大介 (彩風 咲奈 ) 真地 佑果
*~*~*

ルイ16世/オーギュスト(ルーブル美術館館長) (鳳翔 大 ) 叶 ゆうり
マリー・テレーズ( 星南 のぞみ) 月華 雪乃
ルイ・シャルル (彩 みちる) 野々花ひまり

ロアン枢機卿(ストラスブールの大司教) (蓮城 まこと) 桜路 薫
ノアイユ伯爵夫人(マリー・アントワネットの教育係) ( 梨花 ますみ) 杏野 このみ
ポリニャック公爵夫人(マリー・アントワネットの取り巻き) (早花 まこ) 星乃 あんり
マリー・ルイーズ(ランバル公妃) ( 星乃 あんり) 有沙 瞳
メルシー伯爵(オーストリー大使) (奏乃 はると) 水月 牧
オランド長官(フランス国家警察本部の長官)( 朝風 れい) 叶海 世奈
貴族女 (千風 カレン) 蒼井 美樹
貴族女 ( 此花 いの莉) 彩月 つくし
貴族男 (桜路 薫) 瀬南海 はや

ジョルジュ(近衛兵) ( 真那 春人) 天月 翼
アンリ(近衛兵) (帆風 成海) 陽向 春輝

マクシミリアン・ロベスピエール(フランス革命の指導者) (香綾 しずる) 悠斗 イリヤ
ミラボー(革命家) (煌羽 レオ) 橘 幸
バルナーヴ(政治家) (永久輝 せあ) 諏訪 さき

セラフィーナ(カリオストロ伯爵の助手) (有沙 瞳) 彩 みちる
ジャンヌ・ド・ラ・モット伯爵夫人(首飾り事件の首謀者) (透水 さらさ) 花瑛 ちほ
レト―・ド・ラ・ヴィレット(ジャンヌの愛人) (月城 かなと) 真條 まから
シャルル・ベーマー(宝石商) (透真 かずき) 和城 るな
ポール・パッサンジュ(宝石商) ( 久城 あす) 鳳華 はるな
ド・ラ・モット伯爵(ジャンヌの夫) ( 央雅 光希 ) 彩波 けいと

マリー・ルゲイ(一座の主演女優) (舞咲 りん) 愛 すみれ
座長(一座の座長) (悠斗 イリヤ) 璃央じゅん
座員(フェルゼン) (真地 佑果) 瀬南海 はや

雪組の新人公演といえば、前回の「前田慶次」で月城かなと主演の脇役者に至るまでのレベルの高さに震撼しムラ東京両方観てしまった・・という記憶がまだ鮮烈に残っていますが、今回も男役センター2人のスター力の高さとまわりの上手さにわくわく感の止まらない素晴らしい舞台、でした。

まだ本公演の感想を書いていないので、まずはざっくりあらすじから・・・。
宝塚のHPより拝借。

 [世代を超えて、今や世界中で圧倒的な人気を誇る大傑作。モンキー・パンチ氏原作による「ルパン三世」が宝塚歌劇の舞台に初めて登場します。
 時は、現代のフランス。ベルサイユ宮殿で行われている“マリー・アントワネットの首飾り”の展覧会にルパン一行が出没。首飾りを盗もうとした瞬間、革命前夜のフランスへとタイムスリップ!そこで出会ったのはマリー・アントワネット。ルパンは現代へ戻れるのか…。お宝はどうなってしまうのか…。]

というわけで、フランス革命前後のパリを舞台にルパンファミリーが舞い降りて意外とちゃっかり溶け込んでの大活躍。もとの世界に戻りたい・・というわけで、錬金術師カリオストロのもとを訪れ、彼の助けを借りてタイムスリップ!
ルパンとマリ―・アントワネットの出会いから彼女をこっそり救おうというプロジェクトも・・・。
ロアン大司教と悪女ジャンヌが絡んでの首飾り事件やおしのびでパリの街を楽しむマリーとか、ヅカの十八番とルパンファミリーが自然に溶け込む小柳先生の傑作。本公演のスターたちが技術と超絶スタイルでアニメ通りのルパンファミリーを作り上げている分、新人の分際で(笑)どうそこをクリアするか、新たな役作りで本役を震撼させるところまでいくのか・・・。
男役TOP、2番手どころに華と実力を兼ね備えたひとこれいここと、満を持しての97期の先陣を切っての初新公主役の永久輝せあ、そして、2度の新公主演で若手スターの座を確立し、今歌ウマ2番手望海風斗の役で、2番手としてどこまで舞台を支え輝かせるか目が離せない月城かなとの共演!
期待高まりますね

で、観てきた結果…本公演とはまた違ってとても楽しく華のある新人公演でした。
新公演出の担当は樫畑亜依子先生。まだバウデビュー前の方ですが、少ない人数を感じさせない舞台づくりで、本公演と比べての物足りなさのない、たっぷりとした舞台を作って好印象。力のある演出家かとこちらにも期待が高まります。

個別に一言ずつ感想を。

■永久輝せあ(ルパン三世): 初主演なんですよね・・・。彼女はスタイルのよいダンサーで、お芝居の本公演では目立たないけれどショーではあの大ちゃん(鳳翔大)とシンメの位置にいたり、ダンサー口の少人数枠にピックアップされていたり目立つ位置にいるヒト認定。前回の新公では静かなる2番手役で、美しく丁寧な芝居ではありましたが本役早霧さんがいかに、鋭い存在感を放つスターであるかと再認識させられるという新公らしい感想しかなかったのですが。
いやいや、永久輝さんは真ん中向きだったのですね。明るく爽やか、下級生ならではの女の子っぽさはほのかにありつつも下級生にありがちなぽっちゃり感の微塵もないスラリとしたスタイルにあっさりとした細面にきれいなお化粧顔は新公学年離れしています。この学年でここまで都会的な雰囲気の宝塚スターとして出来あがっているなんて。見た目がきれいなルパンそのもので、敢えて早霧さんが作り込んでいるルパンとしてのアクをつけずに素直に若々しく存在している。でも、こんなピーターパンみたいなルパンもアリかな・・・と想わせるフェアリータイプのスターです。
研4という割には歌も伸びやか芝居も出来て身のこなしもきれい。敢えて言うなら線が細くて押し出しが弱いかな?でも今回の役どころには必要充分な存在感とキラキラオ―ラを発散させていて魅力たっぷり。あと、美しいけれど色々とスキルの足りないアントワネット星南のぞみちゃんを包み込んでカバーするようなデュエットに永久輝さんの包容力まで感じ初主演とは思えぬ余裕か!?と思ったほど。
でも、宮廷に迷い込んで、どさくさにまぎれてロアン大司教の薔薇を盗み、アントワネットに献上する場面、服に隠した薔薇を立ち回りの最中に落としていざという時にない!となり、どうするのかな?と見ていたら、エア―お花渡しで乗り切った。度胸もありますね。
最後の御挨拶は、まんべんなく感謝も述べ、上級生の多い新公メンバーへの配慮もあり過不足なく 頭の良い人だなと。そういうタイプはともすれば鼻もちならない印象を与えがちですが、彼女は誠実さと真摯な感情がきちんと伝わり、細身の可憐さも相まって人に敵愾心を起こさせないタイプかと。
雪組の明日は明るいわと確信致しました。
若き日のずんこさん(姿月あさと)、おささん(春野寿美礼)、そしてあさこさん(瀬名じゅん)に似ているというご意見もあり大物が並んだあたり、ヅカファンの期待値の高さがうかがえます^^

■星南のぞみ(マリー・アントワネット): アントワネットの舞台姿が予想外にお似合い。普段はかわい子ちゃんだけれどちょっと地味?舞台だとさほど映えない?と思っていたのが嘘のような美女ぶりでした。その分、本役のみゆちゃんが醸し出していたCUTEで笑い上戸のかわいいマリーの素顔にルパンが庇護欲を刺激された、という流れではなく、ルパンがプラトニックにせよ、マリ―に本気で惚れちまった的な流れに見えました。お歌を始め色々とスキルは頑張って!でも、宙の伶美うららちゃんを普段温かく見守るスタンスのわたくしとしては許容範囲です(笑)

■月城かなと(カリオストロ伯爵): すでに95期スター軍団の3番手?として本公演でも大きな役をもらうポジションで、今回は主役を譲っての2番手どころ。濃いルパンファミリーを向こうに、「カリオストロの物語」がタカラヅカルパンの物語の流れの2本の大きな柱の一つなのだとわかる演技。新公主演でも学年でも先輩として大きな存在感を発揮して手堅く舞台を支えました。
ムラの新公では苦戦していたと聞く冒頭の難しいナンバーも滑舌良くしっかりと歌いこなして、表情豊かに歌い切り、一気にカリオストロワールド(笑)に引き込みました。カリオストロとしての見せ場は1)登場場面 2)錬金術師になれない自分との葛藤・苦悩 3)最後に場をさらっていく意外な登場とどんでん返しのケレン の3つだと思うのですが、「心中恋の大和路」の与平でも見せた”月城かなとの困り眉”でみせた苦悩は得意分野、そして前田慶次の新公で見せたパ―ンとした華やかさをそれを支える眼力を3)で発揮。あとは1)だなと思っていたところがこの安定の力技で、すっかりダブル主演かと思う存在感。
VISUALは望海さんの黒ソバ―ジュの鬘は使わず、本役レト―の時とほぼ同じ前髪ありの縦ロール系の濃い金髪ロングヘアーで、帽子を取る時にさりげなく固まった前髪をほぐしたりのVISUALへの心配りも出来ていてOK!と思ったことでした(笑)
エキゾチックな美貌と屈折した持ち味の望海風斗ならではの濃い役を正統派美形の月城かなとがどう演じるか、楽しみだったのですが、ペテン師としての自分に甘んじていたのが、ルパンの登場で初心を思い出し励まされ魔術に成功し・・と、色々と小芝居もしつつ、軸になるカリオストロの成長物語が浮き上がる演技にわくわくさせられました。
彼女はチャ―リ―(匠ひびき)に似ているとよく言われますね。眼力とえくぼゆえ?

■久城あす(銭形警部): アニメの銭形警部リスペクトの役作りできましたね。久城さんは本当に歌が上手くて芝居も出来る。持ち味はいぶし銀ですが、華もあり技術もあり目を惹く人なので一度は主演もしてもよいかもよ?と思っていたのですが、れいこひとこを有する雪組だからなぁ・・・。とはいえ、本役のともみんがともみんの銭形で押しているので、あすくんもあすくんの銭形で来るかな?と思っていたら、まさかの銭形なあすくんで。
あの大ナンバー「銭形マーチ」を滑舌良く(この新公、ルパン・カリオストロ・銭形の大曲歌手3人がこぞって歌ウマかつ滑舌よしなので、この歌詞ってそういうことを歌っていたのか!と目から鱗がボロボロと・・・)歌いこなすのですが、声を作り込んでいて。本当はきれいに通る美声なのに敢えてとっつぁん声にしている久城さんの役者魂にブラボーと思うと同時にファンの人は複雑だろうなとちょっと思ってしまったりして^^;

■妃華ゆきの(峰不二子): 色っぽい綺麗な不二子ちゃん。本役のせしるちゃんの研ぎ澄まされた役作りとシャープな輪郭をかなり研究してきたなと。娘役スキルでやった方が色気が出て本役と違ったムードを楽しめたかも・・(そういう香りも出せるヒトだと思うので)とちょっと残念にも思いますが、清く正しくのタカラヅカだとこういうシャープ系の方が良いのかな?

■煌羽レオ(石川五エ門)…ダンサーで中高のお顔立ち、美形のレオくんなので、殺陣とか鋭くてきれいだろうなと期待。確かに思った通り、この役とてもお似合いでしたが、意外にも本役翔くんは五衛門として役を練り上げて存在しているのだなと見直すきっかけも与えてくれました。

■真地佑果(次元大介)…本役の咲奈ちゃんが神がかった次元っぷりなので、真地くんはハードル高いぞ!と思っていたのですが、彼女もなかなか芝居心のあるヒトで、かつ長身スタイル良しゆえ、これはこれで素晴らしく出来あがった「次元大介」でした。アニメの次元が大好きな次元オタクなわたくしとしてはお二人に感謝!ですよ~
宝塚の次元は素晴らしい!

■真條まから(レトー・ド・ラ・ヴィレット)…あの「心中」の蜆売りで名を馳せた”上手すぎる下級生”まからくん。
本役美形の月城氏だからこそ、いや、それでもややもったりする(宙組比です。悪しからず)ゴールドの宮廷服に金髪縦ロール鬘。これを装着して美形のレト―本役新公カリオストロ月城氏から「そのイケメンさんと」と振られるまからくん・・・。ガンバレ・・・。
なぜこの役なんだ・・・^^;出来る子なので課題を与えてみました、というところでしょうか^^;

■桜路薫(ロアン枢機卿): 本役の蓮城氏が日に日にキャラを濃くコミカルかつ色っぽく演じていらっしゃるこの役をねっとりイヤらしく、でもそこはかとなくイヤンロアンさまったら・・といいつつウットリの貴婦人の気持ちわかる・・的な色気を発揮されていて驚きです。いや、本公演、とりわけショーの大人な場面でご活躍中の姿を思い出すと不思議はない新公ロアン様、ではありますが。桜路くんってこういう方向の人だったのね、と。貴重です^^。

■花瑛ちほ(ジャンヌ・ド・ラ・モット伯爵夫人): 似合う!彼女のクールな雰囲気にピッタリですね。本役さらさちゃんもアドリブ女王で場を盛り上げていますが、えーちゃん(花瑛)の鋭い視線がジャンヌの黒さの味付けにピッタリで。美しくもあり、ステキなジャンヌでした。

■天月翼(ジョルジュ)と陽向春輝(アンリ): ブルネットが天月くん。金髪が陽向くん。舞台に落ちていた薔薇をひろったり大活躍。ロベスピエールに寝返った(ふりをしていた)銭形を2人で責め立ててましたね。可愛くて立ち位置がハッキリしているお二人でした^^

■彩みちる(セラフィーナ): とても可愛いお顔と芝居心あふれる娘役さん。まだ研2?スゴイですね。でも本役有沙瞳ちゃんの上手さもわかりました^^

■愛すみれ(マリー・ルゲイ): 彼女も役者なんですよね。ヒメさまとはまた違った言い回し、演技を自分なりに作り上げてきましたね。ちょっと大きいけれど(笑)上手い役者さんです。

■悠斗イリヤ(ロベスピエール): アドリブの達人香稜しずる氏が昼公演で新公にエールを送った場面、追われるルパンが立場逆転でロベスピエールを追いつめて銃を向け、撃った!と思ったら銃口から花が咲くというところ、悠「花と掛けて新人公演と説く」永「そのこころは」悠「どちらも花開くでしょう・・・ロベスピエールでした(パタリ)」
ロベスピエールでした、が面白い^^ 雪組は若手に至るまでアドリブキング、アドリブクイーンでいっぱい!

■叶海世奈(オランド長官): 本役が大人の色気の朝風れい先輩。冒頭から登場した叶海さんも朝風氏かと思うほどの美形で、しょっぱなからVISUALもレベル高い!と期待を盛り上げてくれた一人です^^

観て良かった!芝居の雪組ここにあり!のハイレベルな新人公演でした