監督/脚本:マーク・ローレンス
製作:マーティン・シェイファー、リズ・グロッツァー
製作総指揮:ナンシー・ジュボーネン、ハル・ギャバ、ブルース・バーマン
共同製作:スコット・イライアス、メリッサ・ウェルズ
撮影:ハビエル・ペレス・グロベット
美術:ジェーン・マスキー
編集:スーザン・E・モース、A.C.E.
音楽:アダム・シュレシンジャー
出演:
ヒュー・グラント (アレックス・フレッチャー)
1980年代に一世を風靡したバンド、PoPの元ボーカル。バンドが解散してからは、PoPのもう一人のボーカル・コリンが成功する一方で"PoPの元ボーカル"という肩書きから変化が無く、ナッツベリーなどの遊園地や同窓会のイベントで巡業をしている。
ドリュー・バリモア (ソフィー・フィッシャー)
姉と痩身ビジネスをしている。アレックスの雇っている植木の世話係の代理で部屋に来た時に作詞の才能をアレックスに見出され、一緒に曲を作ることになる。
ヘイリー・ベネット (コーラ・コーマン)
人気歌手でアレックスに新曲の作成を依頼する。ブリトニー以上のスター。
ブラッド・ギャレット (クリス・ライリー)
アレックスのマネージャー。
クリステン・ジョンストン (ローンダ)
ソフィーの姉。アレックスの大ファン。
キャンベル・スコット (スローアン・ケイツ)
ソフィーが行っていた大学の文芸講座の講師。ソフィーと交際していたが、婚約者が帰国したため修羅場となり別れる。1年後ソフィーとの交際を書いた本『サリー・マイケルズ』がベストセラーとなる。
2006/米/104min. ☆☆☆☆☆
80年代に人気絶頂だった元ポップスターと失恋で書くことをやめてしまった作家志望の女性が、ラブソングを作ることになる王道的ラブコメディ。『ブリジット・ジョーンズの日記』『ラブ・アクチュアリー』のヒュー・グラントがワム!のアンドリュー・リッジリーを彷佛させる元ポップスター役を、『チャーリーズ・エンジェル』のドリュー・バリモアが作家志望の女性を演じ、初共演しています。家族や周囲の人々を含めた日常の描写を含め、二人の魅力を活かしきった監督は『デンジャラス・ビューティー』の脚本を手がけ、ヒュー・グラント主演の長編『トゥー・ウィークス・ノーティス』でデビューし、監督兼脚本を務めたマーク・ローレンス。冒頭からノリノリで、あの頃に流行ったミュージックビデオそのものに、歌い踊りまくるヒュー・グラントの姿(何と言ってもいちばんの見どころ!)に喝采を浴びせずにはいられません。歌もダンスも初挑戦という彼が、衣装も髪型も微妙な80年代の装いで歌って踊り、“愉快な腰の振り方”も完全にマスター。弾けなかったピアノにも果敢に挑み、「自分でも惚れ惚れするような」弾き語りを披露してます。そこで十分に見る側のテンションを上げておき、落ちぶれたしがない中年男とちょっとエキセントリックな女の子の、恋の芽生えを展開させます。ふたりの恋とラブソングができていく過程がシンクロして最後まで観客のテンションを下げず、ラストのホロリ感動にまで引っ張ってくれます。デビー・ギブソン、ティファニー、スモーキー・ロビンソン、フランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッドなんて懐かしい名前であの頃に引き戻されます。冒頭にその80年代バンド“POP”のプロモーションビデオが流れますが、これがワム! とデュラン・デュランを足して2で割ったようなチープで陳腐なポップバンドで、しかもリック・アストリーの"Never Gonna Give You Up"みたいな歌を歌っていて笑えます。でも観終わった後に口ずさんでしまいそう♪是非是非お薦めの1篇です。
ところで、アレックスのマネージャーがコーラ・コーマンを紹介する時に「この世界でブリトニーや、クリスティーナ・アギレラよりもビッグなスター…。」と言いますが、この台詞の字幕は「この世界でブリトニーよりもビッグなスター…。」とクリスティーナ・アギレラを省略していて不満に感じました。比較するスケールが全然変わってしまうので残念です。因みにクリスティーナだけセカンド・ネームを言ったのは、同時期に活躍したクリスティーナ・ミリアンを意識しての事と思われます。
82年、M.ジャクソン「スリラー」をリリース。83年、マドンナ鮮烈デビュー。84年、人気絶頂の5人組バンドPoP、熱狂のワールドツアーを敢行。ダブルボーカルのひとり、コリンは、その後ソロ・アーティストとして活躍し、グラミー賞、アカデミー賞を受賞したばかりか、ハリウッドの殿堂入りも果たし、おまけに“サー”の称号まで手に入れた。では、もうひとりのボーカル、アレックス・フレッチャー(ヒュー・グラント)はどうなったのか?彼もコリンに続いてソロ・デビューをしたのだが、解散後に発売したソロアルバムが泣かず飛ばず、今やすっかり「あの人は今」グループの仲間入り。80年代を懐かしむ元“ギャル”たちが集まる小さなイベントに時折お呼びがかかるものの、その手の仕事も減る一方のジリ貧状態。そんなアレックスのもとに、返り咲きのチャンスが訪れた。当代きってのインドかぶれエロエロカリスマ歌姫、コーラ・コーマン(ヘイリー・ベネット)から、新曲を提供してほしいというオファーが入る。最近カレと別れたばかりだというコーラは、新曲のタイトルを 「Way Back IntoLove(愛を取り戻す方法)」と指定。コンサートが2週後に迫っているため、曲作りにかけられる時間はほんのわずかしかない。さらに、他にも7 人のアーティストに同じオファーが出されており、彼女が曲を気に入らなければそれでボツ。とはいえ、彼の作曲の才能は長いあいだ放ったらかしにされたまま。しかも、作詞は大の苦手。マネージャーに背中を押され、一流という触れ込みの作詞家とコンビを組んでみたものの、彼とはどうしてもフィーリングが合わない。そんな時、アレックスのアパートに鉢植えの世話に来ていたアルバイトの女性ソフィー・フィッシャー(ドリュー・バリモア)が口ずさんだフレーズが、アレックスのハートにジャストミート。ふだんは姉の経営するダイエット専門店を手伝っているというソフィーは、もともとは有望な作家の卵だったにもかかわらず、失恋の痛手から今は書くことをいっさいやめてしまっていた。彼女をふった元カレは、創作の師でもあった有名作家。実は彼に は婚約者がいたことが発覚したうえ、彼が書いた小説の内容がさらに彼女を傷つけた。主人公は、有名作家を利用してのし上がろうとする才能のない性悪女。その外見や癖がソフィーそっくりに描かれていたのだ。それ以来、何も書けなくなってしまったソフィーは、一緒にラブソングを作ってほしいというアレックスの頼みを断固拒否。それでも彼女の才能を確信するアレックスは、PoPの追っかけだったソフィーの姉も巻き込んでしぶとく説得を続け、ついに彼女の心を動かした。
期限まではあと3日。波乱だらけのラブソング作りはまだ始まったばかり……。
☆80年代ミュージックをテーマにした映画「ラブソングができるまで」。そのサウンドトラックは、まさに80sミュージックの美味しいところが詰め込まれたものに仕上がりました。とはいっても当時流行ったヒット曲を集めたわけではないのです。80sテイストの楽曲をすべてオリジナルで作ったのです。主演のヒュー・グラントが演じるのは80年代に絶大なる人気のあったスーパー・グループ、POPのボーカリスト。そのPOPのかつてのヒット曲という設定の「恋は突然」を聴くだけで、その80sサウンドの秀逸な散りばめ具合には舌を巻いてしまいます。ほかにもワム!、スパンダー・バレエ、ディペッシュ・モードやブロンディなどのテイストを、実に絶妙のパロディ具合で織り交ぜているのはまさに職人技と言えます。このサウンドトラックをプロデュースするのは、グラミー賞にもノミネートされたこともあるファウンテンズ・オブ・ウェインのアダム・シュレシンジャー。ヒュー・グラントのボーカルも素晴らしいので、このアルバムだけでも十分に聴くに値する一枚に仕上がっています。
「愛に戻る道」(Way Back Into Love):ヒュー・グラント、ヘイリー・ベネット
映画はアレックスとソフィーがこの曲を作り上げていく過程を軸としている。またこの曲には、ヒュー・グラントとドリュー・バリモアが歌ったバージョンもあり、そちらは、劇中でアレックスがコーラに渡したデモ音源という扱いです。
「恋は突然」(Pop! Goes My Heart):ヒュー・グラント
1984年のPoPのヒット曲という設定で、曲だけでなく1980年代風の安っぽく、下手な芝居のドラマが混ざったPVも製作されました。これについてヒュー・グラントはデュラン・デュランを参考にしたとメイキングで語っています。
原題のMusic and lyricsは直訳すると「楽曲と歌詞」という意味である。
■本サントラでは、ヒュー・グラントのヴォーカルが大フィーチャー!ヒューが演じるのは、80年代のスーパー・ポップ・グループ:POPのヴォーカル:アレックス・フレッチャー。そしてそのPOPが大ヒットさせたという設定のポップ・ソング「恋は突然」に始まり、ワム/ジョージ・マイケルやスパンダー・バレエ、ディペッシュ・モードやブロンディ等のビッグ・ヒット曲の、極めて良心的なパロディ的要素が、見事に各収録曲に反映されています。また、この映画のハイライトともいえるバラード「愛に戻る道」は、2007年のベスト・ソングという声も高い、シンプルながら心に響く名曲です。この曲のソングライティングを始め、サントラのBAND-3,9はアダム・シュレシンジャー(ファウンテンズ・オブ・ウェイン)が書き下ろしています。かつ、彼はサントラのアルバム・プロデューサーも勤めており、アダムの卓越したポップ・センスが全編を貫き、心温まるサントラに仕上がっています。
ちなみにこのサントラは、アメリカのiTunesでは、映画公開直後から大反響で、iTunesの総合アルバム・チャートでナンバーワンを記録する大ヒットとなりました。
01. 恋は突然/POP! GOES MY HEART/ヒュー・グラント
02. ブッダの悦び/BUDDHA'S DELIGHT/ハーレイ・ベネット
03. ミーニングレス・キッス/MEANINGLESS KISS/ヒュー・グラント
04. エンターリング・ブーツィータウン/ENTERING BOOTYTOWN/ハーレイ・ベネット
05. 愛に戻る道(デモ・ヴァージョン)/WAY BACK INTO LOVE(DEMO VERSION)/ヒュー・グラント&ドリュー・バリモア
06. トニー・ザ・ビート/TONY THE BEAT/ザ・サウンズ
07. 僕と踊って/DANCE WITH ME TONIGHT/ヒュー・グラント
08. スラム/SLAM/ヒュー・グラント
09. ドント・ライト・ミー・オフ/DON'T WRITE ME OFF/ヒュー・グラント
10. 愛に戻る道/WAY BACK INTO LOVE/ヒュー・グラント&ハーレイ・ベネット
11. ディファレント・サウンド/DIFFERENT SOUND/テディベアーズ・フィーチャーリング・マルテ
12. ラヴ・オートプシー/LOVE AUTOPSY/ヒュー・グラント
製作:マーティン・シェイファー、リズ・グロッツァー
製作総指揮:ナンシー・ジュボーネン、ハル・ギャバ、ブルース・バーマン
共同製作:スコット・イライアス、メリッサ・ウェルズ
撮影:ハビエル・ペレス・グロベット
美術:ジェーン・マスキー
編集:スーザン・E・モース、A.C.E.
音楽:アダム・シュレシンジャー
出演:
ヒュー・グラント (アレックス・フレッチャー)
1980年代に一世を風靡したバンド、PoPの元ボーカル。バンドが解散してからは、PoPのもう一人のボーカル・コリンが成功する一方で"PoPの元ボーカル"という肩書きから変化が無く、ナッツベリーなどの遊園地や同窓会のイベントで巡業をしている。
ドリュー・バリモア (ソフィー・フィッシャー)
姉と痩身ビジネスをしている。アレックスの雇っている植木の世話係の代理で部屋に来た時に作詞の才能をアレックスに見出され、一緒に曲を作ることになる。
ヘイリー・ベネット (コーラ・コーマン)
人気歌手でアレックスに新曲の作成を依頼する。ブリトニー以上のスター。
ブラッド・ギャレット (クリス・ライリー)
アレックスのマネージャー。
クリステン・ジョンストン (ローンダ)
ソフィーの姉。アレックスの大ファン。
キャンベル・スコット (スローアン・ケイツ)
ソフィーが行っていた大学の文芸講座の講師。ソフィーと交際していたが、婚約者が帰国したため修羅場となり別れる。1年後ソフィーとの交際を書いた本『サリー・マイケルズ』がベストセラーとなる。
2006/米/104min. ☆☆☆☆☆
80年代に人気絶頂だった元ポップスターと失恋で書くことをやめてしまった作家志望の女性が、ラブソングを作ることになる王道的ラブコメディ。『ブリジット・ジョーンズの日記』『ラブ・アクチュアリー』のヒュー・グラントがワム!のアンドリュー・リッジリーを彷佛させる元ポップスター役を、『チャーリーズ・エンジェル』のドリュー・バリモアが作家志望の女性を演じ、初共演しています。家族や周囲の人々を含めた日常の描写を含め、二人の魅力を活かしきった監督は『デンジャラス・ビューティー』の脚本を手がけ、ヒュー・グラント主演の長編『トゥー・ウィークス・ノーティス』でデビューし、監督兼脚本を務めたマーク・ローレンス。冒頭からノリノリで、あの頃に流行ったミュージックビデオそのものに、歌い踊りまくるヒュー・グラントの姿(何と言ってもいちばんの見どころ!)に喝采を浴びせずにはいられません。歌もダンスも初挑戦という彼が、衣装も髪型も微妙な80年代の装いで歌って踊り、“愉快な腰の振り方”も完全にマスター。弾けなかったピアノにも果敢に挑み、「自分でも惚れ惚れするような」弾き語りを披露してます。そこで十分に見る側のテンションを上げておき、落ちぶれたしがない中年男とちょっとエキセントリックな女の子の、恋の芽生えを展開させます。ふたりの恋とラブソングができていく過程がシンクロして最後まで観客のテンションを下げず、ラストのホロリ感動にまで引っ張ってくれます。デビー・ギブソン、ティファニー、スモーキー・ロビンソン、フランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッドなんて懐かしい名前であの頃に引き戻されます。冒頭にその80年代バンド“POP”のプロモーションビデオが流れますが、これがワム! とデュラン・デュランを足して2で割ったようなチープで陳腐なポップバンドで、しかもリック・アストリーの"Never Gonna Give You Up"みたいな歌を歌っていて笑えます。でも観終わった後に口ずさんでしまいそう♪是非是非お薦めの1篇です。
ところで、アレックスのマネージャーがコーラ・コーマンを紹介する時に「この世界でブリトニーや、クリスティーナ・アギレラよりもビッグなスター…。」と言いますが、この台詞の字幕は「この世界でブリトニーよりもビッグなスター…。」とクリスティーナ・アギレラを省略していて不満に感じました。比較するスケールが全然変わってしまうので残念です。因みにクリスティーナだけセカンド・ネームを言ったのは、同時期に活躍したクリスティーナ・ミリアンを意識しての事と思われます。
82年、M.ジャクソン「スリラー」をリリース。83年、マドンナ鮮烈デビュー。84年、人気絶頂の5人組バンドPoP、熱狂のワールドツアーを敢行。ダブルボーカルのひとり、コリンは、その後ソロ・アーティストとして活躍し、グラミー賞、アカデミー賞を受賞したばかりか、ハリウッドの殿堂入りも果たし、おまけに“サー”の称号まで手に入れた。では、もうひとりのボーカル、アレックス・フレッチャー(ヒュー・グラント)はどうなったのか?彼もコリンに続いてソロ・デビューをしたのだが、解散後に発売したソロアルバムが泣かず飛ばず、今やすっかり「あの人は今」グループの仲間入り。80年代を懐かしむ元“ギャル”たちが集まる小さなイベントに時折お呼びがかかるものの、その手の仕事も減る一方のジリ貧状態。そんなアレックスのもとに、返り咲きのチャンスが訪れた。当代きってのインドかぶれエロエロカリスマ歌姫、コーラ・コーマン(ヘイリー・ベネット)から、新曲を提供してほしいというオファーが入る。最近カレと別れたばかりだというコーラは、新曲のタイトルを 「Way Back IntoLove(愛を取り戻す方法)」と指定。コンサートが2週後に迫っているため、曲作りにかけられる時間はほんのわずかしかない。さらに、他にも7 人のアーティストに同じオファーが出されており、彼女が曲を気に入らなければそれでボツ。とはいえ、彼の作曲の才能は長いあいだ放ったらかしにされたまま。しかも、作詞は大の苦手。マネージャーに背中を押され、一流という触れ込みの作詞家とコンビを組んでみたものの、彼とはどうしてもフィーリングが合わない。そんな時、アレックスのアパートに鉢植えの世話に来ていたアルバイトの女性ソフィー・フィッシャー(ドリュー・バリモア)が口ずさんだフレーズが、アレックスのハートにジャストミート。ふだんは姉の経営するダイエット専門店を手伝っているというソフィーは、もともとは有望な作家の卵だったにもかかわらず、失恋の痛手から今は書くことをいっさいやめてしまっていた。彼女をふった元カレは、創作の師でもあった有名作家。実は彼に は婚約者がいたことが発覚したうえ、彼が書いた小説の内容がさらに彼女を傷つけた。主人公は、有名作家を利用してのし上がろうとする才能のない性悪女。その外見や癖がソフィーそっくりに描かれていたのだ。それ以来、何も書けなくなってしまったソフィーは、一緒にラブソングを作ってほしいというアレックスの頼みを断固拒否。それでも彼女の才能を確信するアレックスは、PoPの追っかけだったソフィーの姉も巻き込んでしぶとく説得を続け、ついに彼女の心を動かした。
期限まではあと3日。波乱だらけのラブソング作りはまだ始まったばかり……。
☆80年代ミュージックをテーマにした映画「ラブソングができるまで」。そのサウンドトラックは、まさに80sミュージックの美味しいところが詰め込まれたものに仕上がりました。とはいっても当時流行ったヒット曲を集めたわけではないのです。80sテイストの楽曲をすべてオリジナルで作ったのです。主演のヒュー・グラントが演じるのは80年代に絶大なる人気のあったスーパー・グループ、POPのボーカリスト。そのPOPのかつてのヒット曲という設定の「恋は突然」を聴くだけで、その80sサウンドの秀逸な散りばめ具合には舌を巻いてしまいます。ほかにもワム!、スパンダー・バレエ、ディペッシュ・モードやブロンディなどのテイストを、実に絶妙のパロディ具合で織り交ぜているのはまさに職人技と言えます。このサウンドトラックをプロデュースするのは、グラミー賞にもノミネートされたこともあるファウンテンズ・オブ・ウェインのアダム・シュレシンジャー。ヒュー・グラントのボーカルも素晴らしいので、このアルバムだけでも十分に聴くに値する一枚に仕上がっています。
「愛に戻る道」(Way Back Into Love):ヒュー・グラント、ヘイリー・ベネット
映画はアレックスとソフィーがこの曲を作り上げていく過程を軸としている。またこの曲には、ヒュー・グラントとドリュー・バリモアが歌ったバージョンもあり、そちらは、劇中でアレックスがコーラに渡したデモ音源という扱いです。
「恋は突然」(Pop! Goes My Heart):ヒュー・グラント
1984年のPoPのヒット曲という設定で、曲だけでなく1980年代風の安っぽく、下手な芝居のドラマが混ざったPVも製作されました。これについてヒュー・グラントはデュラン・デュランを参考にしたとメイキングで語っています。
原題のMusic and lyricsは直訳すると「楽曲と歌詞」という意味である。
■本サントラでは、ヒュー・グラントのヴォーカルが大フィーチャー!ヒューが演じるのは、80年代のスーパー・ポップ・グループ:POPのヴォーカル:アレックス・フレッチャー。そしてそのPOPが大ヒットさせたという設定のポップ・ソング「恋は突然」に始まり、ワム/ジョージ・マイケルやスパンダー・バレエ、ディペッシュ・モードやブロンディ等のビッグ・ヒット曲の、極めて良心的なパロディ的要素が、見事に各収録曲に反映されています。また、この映画のハイライトともいえるバラード「愛に戻る道」は、2007年のベスト・ソングという声も高い、シンプルながら心に響く名曲です。この曲のソングライティングを始め、サントラのBAND-3,9はアダム・シュレシンジャー(ファウンテンズ・オブ・ウェイン)が書き下ろしています。かつ、彼はサントラのアルバム・プロデューサーも勤めており、アダムの卓越したポップ・センスが全編を貫き、心温まるサントラに仕上がっています。
ちなみにこのサントラは、アメリカのiTunesでは、映画公開直後から大反響で、iTunesの総合アルバム・チャートでナンバーワンを記録する大ヒットとなりました。
01. 恋は突然/POP! GOES MY HEART/ヒュー・グラント
02. ブッダの悦び/BUDDHA'S DELIGHT/ハーレイ・ベネット
03. ミーニングレス・キッス/MEANINGLESS KISS/ヒュー・グラント
04. エンターリング・ブーツィータウン/ENTERING BOOTYTOWN/ハーレイ・ベネット
05. 愛に戻る道(デモ・ヴァージョン)/WAY BACK INTO LOVE(DEMO VERSION)/ヒュー・グラント&ドリュー・バリモア
06. トニー・ザ・ビート/TONY THE BEAT/ザ・サウンズ
07. 僕と踊って/DANCE WITH ME TONIGHT/ヒュー・グラント
08. スラム/SLAM/ヒュー・グラント
09. ドント・ライト・ミー・オフ/DON'T WRITE ME OFF/ヒュー・グラント
10. 愛に戻る道/WAY BACK INTO LOVE/ヒュー・グラント&ハーレイ・ベネット
11. ディファレント・サウンド/DIFFERENT SOUND/テディベアーズ・フィーチャーリング・マルテ
12. ラヴ・オートプシー/LOVE AUTOPSY/ヒュー・グラント