万葉集ブログ・2 まんえふしふ 巻九~巻十

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2245 作者未詳

2012-02-24 | 巻十 秋相聞
剱後 玉纒田井尓 及何時可 妹乎不相見 家戀将居

太刀(たち)の後(しり) 玉纒田居(たままきたゐ)に いつまでか 妹を相見ず 家恋ひ居(を)らむ


「“太刀の後” 宝玉で飾ったような(見事な稲穂が実った)田んぼだ。(だが)いつまで、妻と会わないでいるのか。(私は妻が待つ)家が恋しいのだ」

2244 作者未詳

2012-02-23 | 巻十 秋相聞
寄水田

住吉之 岸乎田尓墾 蒔稲 乃而及苅 不相公鴨

住吉(すみのえ)の 岸を田に墾(は)り 蒔きし稲 かくて刈るまで 逢はぬ君かも


水田に寄せる

「住吉の、岸を田に開墾して、蒔いた種籾を、こうして刈り取るまで、(なかなか)会えないきみよ」

2243 柿本人麻呂歌集

2012-02-22 | 巻十 秋相聞
秋山 霜零覆 木葉落 歳雖行 我忘八

秋山に 霜降り覆ひ 木(こ)の葉散り 年は行くとも 我れ忘れめや

右柿本朝臣人麻呂之歌集出


「秋の山に、霜が降り覆い、木の葉は散る。年は過ぎゆくけど、私は(あの人を)忘れられない」

右は、柿本朝臣人麻呂の歌集に出る

2242 柿本人麻呂歌集

2012-02-21 | 巻十 秋相聞
秋野 尾花末 生靡 心妹 依鴨

秋の野の 尾花が末(うれ)の 生(お)ひ靡き 心は妹に 寄りにけるかも


「秋の野の、ススキの穂先が、風に揺れ動くよ。(私の)心も妻に、(靡き)寄っている」

2241 柿本人麻呂歌集

2012-02-20 | 巻十 秋相聞
秋夜 霧發渡 凡々 夢見 妹形矣

秋の夜の 霧立ちわたり おほほしく 夢にぞ見つる 妹が姿を


「秋の夜に、霧が立ち込めて。ぼんやりと、夢に見たよ、妻の姿を」