井沢満ブログ

後進に伝えたい技術論もないわけではなく、「井沢満の脚本講座」をたまに、後はのんびりよしなしごとを綴って行きます。

CM出演を逃した話

2013年10月13日 | 日記

昨日はドラマに「出演」した話を書いた。

今日はCMに出演しそびれた話。

私がいわゆる売れっ子第一線から、やや外れた頃、
***ビールから出演の打診が来て、ギャラの提示まであった。
出演部分を託しているマネージャー氏は、交渉してもうちょっと上げましょうか、
と言ったが、私はいい、そのままで、と言った。
欲かいて、じゃあいいですと言われたくなかった・・・というのもCMには
興味があって、スタジオでどうやって撮るのか知りたかった、身をもって。

というわけだったが、企画自体が社内で消えたようで、沙汰止みになった。

しかし、私はそのビール会社の企画室?が私を使った企画を提出してくれた
ことだけでも、ありがたく、ビールを飲むときはその会社の銘柄を頼んでいた。

・・・・が、いつしか別の会社のになってしまった・・・というのは、もともと
ビールがさほど好きではない私には、そこの会社のビールは苦過ぎるのだ。

でも私も律儀なものだと思う。交渉を受けただけで、しばらくは仁義を通すのだから。
化粧品CMの女優さんが、果たして本当にそれ使ってるの? と思うことがある。
とりわけ、スタークラスが、千円台のチープコスメの宣伝をしている場合。

しかし、CMの話が流れて幸いだったのかもしれない。でないと妙に律儀な私は
好きでもないビールを飲み続け、しかも苦手な苦いのを喉に無理やり流し込んで
いただろうから。・・・・・ところが、最近、少しビールの良さがわかった。

きっかけは、人の一言である。「なんで、こんなまずいもん、飲むの?」と
訊いたら「味じゃなくて、喉越しです。喉を通るときの感触」

あ、そうなんだ・・・・と思ったら、美味く感じるようになった。単純である。
ついでに、苦手だった炭酸飲料も飲めるようになった。
味じゃないのね、喉越しなのね、と納得しながら飲んでいる。

たまに炭酸飲料で顔を洗うと泡の刺激で、血行がよくなる。
原理からするとバスバブの洗顔バージョンでおかしくもないのだが、
炭酸飲料で顔を洗おうと思う人も、あまりいないかもしれない。
私は洗面器に氷をぶちこんで、そこに炭酸飲料(発泡水である、味のない無色の)を
注ぎ、顔を洗う。

面白がっているだけだが、ああ、まだ私は若い、と実感するのである。

私のようなタイプの脚本家が若さを失ったら、おしとねすべりだし。